「Bluebeam Revu」の活用事例 Chiyoda International Corporation
(千代田化工建設株式会社 米国法人)様

1,500のLNGプラント図面レビュー  コメントを漏らさず追跡
~米国・日本・フィリピン・インド  言葉の壁・距離を越えた協働空間~

  • ドラフト図面作成時間を75%削減
  • オリジナル・ツールセットでエンジニア間の円滑なコミュニケーションを促進
  • クライアントも大満足!図面を見ながら、その場で変更案を作成して確認、距離を測定

「エネルギーと環境の調和」を経営理念にかかげ、国内外で事業を展開する総合エンジニアリング企業の千代田化工建設株式会社(以下、千代田化工建設)。同グループのChiyoda International Corporation(以下、CIC)は、シェールガス革命に沸く北米で、LNG(液化天然ガス)のプラント建設を中心に事業を展開している。CICではこのたび、プラント図面のレビュー・管理業務に図面レビューソリューション『Bluebeam Revu』を採用。
Bluebeam社の日本における唯一の正規代理店であるパナソニック ソリューションテクノロジーは、千代田化工建設に『Bluebeam Revu』を納入。千代田化工建設から紹介を受け、CICにインタビューを行った。

Chiyoda International Corporationでの「Bluebeam Revu」導入イメージ

FEED全工程で『Bluebeam Revu』が活躍

CIC社長 田中 史明氏

CIC社長
田中 史明氏

CICコーポレート責任者 髙嶋 公介氏

CICコーポレート責任者
髙嶋 公介氏

米国テキサス州ヒューストンの閑静な街並みにあるCICのオフィス。ここでは、現地採用、日本からの駐在に加え、欧州やオーストラリアなど各国のスタッフが入り混じり働いている。コーポレート部門責任者の髙嶋氏が進行中のプロジェクトについて教えてくれた。

「現在、グループの収益の過半数を占めているのがLNGプラント関連事業です。環境意識の高まりもあり、石油などに比べてCO2排出量が少ないLNGは需要が伸びています。千代田化工建設では、最大のLNG輸入国である日本などを対象としたプラントの建設を各国で手がけていますが、CICにおいては、テキサス、ルイジアナで基本設計、建設など5つのLNGプラントのプロジェクトを同時進行中です」(髙嶋氏)

千代田化工建設グループが建設を手がけ、完成したパプアニューギニアのLNGプラント(写真提供:エクソンモービルPNG社)

千代田化工建設グループが建設を手がけ、完成したパプアニューギニアのLNGプラント

プラント建設にかかる一連のフェーズのなかに、FEED(Front End Engineering Design)と言われる基本設計がある。社長の田中氏が語った。

「千代田化工建設グループの米国拠点であるCICは、千代田化工建設のグローバル拠点と連携し、米国内でプラント建設を手がける企業などに対し、Pre-FEED、FEEDのご支援をしています。また、私たちは、千代田化工建設の東南アジア拠点を活用して詳細設計を行うことで、コスト最適化を図っています。LNG開発が始まって間もない米国では、LNG分野に精通したエンジニアの数が決して十分とはいえないため、日本から経験豊富なエンジニアが駐在しています」(田中氏)

クライアントが最終投資判断を行う非常に重大なフェーズであるFEED。CICでは、そのFEED全工程における図面レビュー・管理業務に『Bluebeam Revu』を使用している。発生する図面の数は約1,500、スタッフ数は約300名という大規模プロジェクトであり、多国籍・多拠点に跨るさまざまなスタッフ・パートナーが図面に関わる。

ドラフト作成が12時間から3時間に激減

CIC プロジェクトエンジニア ジェイソン・ファーマー氏

CIC プロジェクトエンジニア
ジェイソン・ファーマー氏

千代田化工建設グループの中で、『Bluebeam Revu』をいち早く導入したCIC。前職でも『Bluebeam Revu』を使っていたという、CICのプロジェクト・エンジニアのファーマー氏が採用を提案し、それを受けて、ITマネージャーの髙須氏がCIC全社導入プロジェクトをけん引した。

「ドラフトとよばれる最初のバージョンの図面があります。以前のドラフトは手書きしたり、AutoCADやほかのPDFソフトを使用して作っていましたが、現在はすべて『Bluebeam Revu』で対応しています。専門知識が無ければ操作できないAutoCADと違って、『Bluebeam Revu』ならエンジニアが直接ドラフトを作ることができます。また、他のPDFソフトは図面作成に適した機能が十分とはいえませんが、『Bluebeam Revu』は充実しています」(ファーマー氏)

P&ID(Piping and Instrumentation Diagram)とは、配管・計装の基本要素を示す図面のことであるが、ファーマー氏によると、『Bluebeam Revu』によって、P&IDのドラフト作成時間が平均12時間から3時間に激減したとのことだ。
そして、もちろん、その後の図面レビューでも『Bluebeam Revu』が大活躍。ドラフトから最終図面まで、大まかな図面作成・レビューの流れは図の通りである。さまざまな部署が関わるプラント図面の作成・レビューにおいては、常に最新の図面を共有するための仕組みが必要である。CAD頼りの図面作成の場合、更新のタイミングに時差が生じるが、『Bluebeam Revu』であれば、PDFの図面を複数メンバーで同時にレビューしながら更新することもできる。なお、CICでは、CAD図面の入力・修正については、フィリピン・インドのCAD専門チームに依頼している。

図面作成・レビューのプロセス
一つの図面につき、2~3回程図面の変更が発生するが、『Bluebeam Revu』の活用によって、CAD図面の更新回数は最小限に抑えることができている。

図面作成・レビューのプロセス

◆米国、日本、フィリピン、インドのスタッフ・パートナー企業がプロジェクトに参加

米国、日本、フィリピン、インドのスタッフ・パートナー企業がプロジェクトに参加

複数部門・メンバーでの複眼的・多面的レビュー

Interdisciplinary Reviewというプラント業界特有の言葉がある。機械・電気・土木・設備など複数部門の複眼的・多面的にチェックすることを意味するという。CICでは、“オーナー”と呼ばれる図面の責任者が、複数の部門に対してレビューを依頼している。

「CICでは、レビュー時のすべてのコメントを『Bluebeam Revu』に集約し、オーナーが確認することになっています。『Bluebeam Revu』は、ワークフローシステムと連携しており、各部門のレビュー完了後に、ワークフローを回付する、という業務プロセスにしています」(髙須氏)

ワークフローシステム単体の場合、レビュー担当者の数だけ承認が必要になり、当然、回付ルートは複雑・長距離化してしまう。でも、『Bluebeam Revu』のマークアップリストにある承認機能を組み合わせて使用することで、ワークフローの承認経路は最小限に抑えつつ、レビュー結果を確実に確認・反映することができるのだ。

「図面の品質を維持するうえで、各部門・担当者のコメント履歴を残し、追跡する仕組みは必須であると考えています」

と、ファーマー氏は語る。

CIC ITマネージャー 髙須 潤氏

CIC ITマネージャー
髙須 潤氏

「Bluebeam Revu」のマークアップリスト/Tool Chest

【マークアップリスト】
図面作成・レビューに関わるエンジニアにアカウントを付与。各自『Bluebeam Revu』にコメントを入力。マネージャーやリードエンジニアは、マークアップリストを使って、コメント一覧を表示し、ステータス欄から承認・否認チェックを入れる。

【Tool Chest】
『Bluebeam Revu』に標準搭載されているツールセットに加え、ファーマー氏らは、よく使用するコンポーネントをツールセットにしてTool Chestに収納。また、ツールセットの中から必要なコンポーネントを選択して、図面に簡単に追加できるので、業務効率化につながっている。

カスタムツールセットで共通の記号を使用

『Bluebeam Revu』では、PDFの図面に、テキスト、メモ、蛍光ペン、線、吹き出しなどで注釈・記号を自由自在に書き込むことができる。CICでは、ツールセットと呼ばれる、この注釈・記号の集合体をカスタマイズして使っている。

「社内のBluebeam愛好家で数千ものオリジナル・ツールセットを作りました。スタッフが新たに『Bluebeam Revu』をインストールすると、これらの千代田オリジナル・ツールセットがすぐに使えます」(ファーマー氏)

たとえば、ツールセットの中には、バルブやコンプレッサー、ベッセル、ポンプなど、プラント業界ならではコンポーネントのほか、複数のコンポーネントを組み合わせた汎用的な構成図などもあるという。このように、ツールセットをあらかじめ搭載しておくことで、国籍や言葉が違っても、プロジェクトに関わる全てのスタッフが同じ環境で作業することができ、不明瞭な指示による時間のロスも低減できる。

クライアントも気に入ったライブ感あふれるレビュー

クライアントに図面を見せながら、その場で変更案を議論することも多いプラント業界。髙須氏によると、『Bluebeam Revu』を使った図面レビューは、クライアントから高評価だと言う。なぜならば、『Bluebeam Revu』には、ほかのPDFソフトにはない、レビュー品質を高める機能が複数備わっているからだ。

「リビジョン間の違いを自動的に割り出し、比較表示することができます。差分は雲のマークで示され、ひと目で分かる。また、クライアントから『この道と建物の距離はどのくらい?』といった質問を受けることがありますが、測定機能を使い、図面にその場で反映することができます」(ファーマー氏)

比較機能

比較機能

PDF測定機能

PDF測定機能

さまざまな国籍・言語をバックグラウンドにもつ企業が協業するCICのLNGプラント建設プロジェクト。今回の訪問によって、CIC、および千代田化工建設グループでは、『Bluebeam Revu』の機能を隅々まで使いこなし、業務合理化・顧客満足度向上につなげていることを実感することができた。

【ユーザープロフィール】Chiyoda International Corporation様

CICオフィス

戦後、日本のエネルギーの安定供給と環境保全に貢献してきた千代田化工建設株式会社は、石油精油設備やLNGプラント・受入基地などの建設に加え、化学・医薬品・食品工場や空港、非鉄製錬プラントなどの建設も手がけている。さらに、近年は、再生可能エネルギーの開発や、海洋開発など多角的に事業を展開している。1973年に設立された、同グループのCICは、テキサス州ヒューストンにオフィスを構え、LNGプラント建設事業を展開。さまざまな国籍をもつプロフェッショナル178名がCICのプロジェクトを支えている。

URL:http://www.chiyoda-us.com/

※ 本文中に記載されている内容は、2016年10月の取材時点のものです。

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