「設備・資産管理ソリューション」の導入事例 パナソニック株式会社 アプライアンス社

身近な技術・デバイスで始めるIoT

仕組みはとても簡単。まず、あらゆるスマホで棚卸しが実施できるようにAndoroid、iOSに対応する専用アプリを開発し、同社が協力会社に無償で提供した。このアプリはQRコードの読み取りのほか、金型の情報を送信する機能を備えている。
次に金型の位置情報を検出するため、QRコードを印字したラベルを発行し、金型のある工場に郵送して現地で金型に貼付してもらう。
そして、作業員がQRコードをアプリで読み取り、金型の画像を登録すると、位置情報と合わせて画像がクラウドにあるサーバーに送信されることで棚卸しは完了する。このとき、金型の登録情報に相違があればエラー情報として検出される。また、会社別に棚卸しの状況を確認することもできる。
このように同社では、簡単でありながら、とてもスマートな棚卸しの仕組みを作ることができた。

自動認識・クラウド技術をテコに業務プロセスを変革

自動認識・クラウド技術をテコに業務プロセスを変革

三好 方士 氏

パナソニック株式会社 アプライアンス社
グローバル調達センター 草津購買部
エアコン購買課 課長 三好 方士 氏

先に藤井氏は、仕組み化するうえでの二つの必須条件を述べていたが、最終的にQRコードを選んだ理由について、次のようにまとめた。

「スマホの規格とQRコードの汎用性という点で条件を満たしました。たとえば、NFCリーダー方式の場合、海外やSIMフリー形式のスマホでは使えないなど、機種が限定されますが、QRコードなら、認識用のアプリが無償で提供されるほど世界中に普及しています。加えて、固定資産である金型の情報は、書き換えができないQRコードが好都合です」

当初は、金型の位置情報の照合はQRコードでは難しいのではないか?と考えていた藤井氏であるが、画像を送信した瞬間の端末の位置情報を送信し、データベースの情報と照合することで、この心配も解消できた。

「そして、金型ならではの条件としてあげられるのが耐熱性。樹脂やアルミダイカストの金型は高温になるため、ICチップでは無理でした」(藤井氏)

草津工場の製造ライン

草津工場の製造ライン

「たとえばエアコンの場合は、一つあたり約500~600面の金型が使われています」(三好氏)

協力会社の工場における棚卸しの様子

協力会社の工場における棚卸しの様子

「最近は、『画像送ったけど、届いてますか?』といった連絡をよくいただきますね」(藤井氏)「皆さんの協力のおかげで、金型の所在が確実につかめるようになって、BCP対策としても効果的です」(渡辺氏)

金型によっては350℃の高温に

金型によっては350℃の高温に

草津購買部の机上に置かれたコンパクトな感熱プリンター(サトープリンティング株式会社製)でラベルを印刷。ラベルのサイズは、縦30mm×横70mmほど。導入当初は、一つの金型の複数箇所にラベルを貼付して耐熱性をテストした。

藤井氏によると、

「現在は、アプリの使い方に関する質問や戸惑いの声も減り、毎日400~600面の金型の画像と位置情報が送られてきます。また国内だけでなく、海外に所在のある金型の棚卸しも実施されています」

とのこと。統一されたプラットフォームのもと、草津工場と協力会社の工場がつながり、金型棚卸しの仕組みが実現できた。そして、この仕組みによって、管理労力の大幅な低減はもとより、不要になった金型廃棄の促進や有事の対策としても、同社は効果を期待している。

身近な技術・デバイスを使って、IoTを実装した同社。先進技術だからといって、必ずしも現場業務に適応できるとも限らず、技術の鑑識眼が必要だ。また、せっかくシステム化しても、障害が原因で現場の業務を停滞させては逆効果なので、不測の事態も想定し、あらゆる状況に備えておきたい。たとえば、急に金型の画像データが一斉に送信されても遅延なく受信し、セキュアに管理できる安定性の高いクラウド・サーバー環境を用意しておくことは大前提である。

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