2008年1月9日

フリップチップ技術の応用展開

はんだ入り熱硬化樹脂技術で新工法を実用化

モジュール接続や部品内蔵技術へも対応

パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社は、フリップチップ分野において独自の接合技術である ESC(Epoxy Encapsulated Solder Connection:樹脂先塗り金属接合)工法に関し、株式会社タムラ製作所/タムラ化研株式会社に技術供与を行ないました。これでESC工法用樹脂材料の技術供与先は、ナミックス株式会社、京セラケミカル株式会社、長瀬産業株式会社、サンユレック株式会社に加え合計5社となりました。

フリップチップ実装は、ICに導電性のバンプを形成し、そのバンプ形成面を反転(フリップ)し、フェイスダウンで基板に電極を直接接続する方法。フェイスアップで行う従来のワイヤボンディングに比べ実装面積を小さくできるほか、配線が短いため高速通信やノイズ特性に優れ、小型・薄型・高速化に対する要求や電気的特性が求められる回路などに適し、電子機器の小型・軽量・高機能化を実現する工法として急速に半導体分野などで普及が進んでいます。

当社では、このフリップチップ技術として、独自のESC工法を提案していますが、さらに今回の技術供与で、新しくはんだ粒子製造技術、熱硬化型樹脂技術を活用し、はんだ入りの熱硬化樹脂を用いたESC工法の応用展開として、モジュール間接続のM/M-ESC(Module to Module ESC)工法とはんだ入りセルフアライメント接着剤を使用したSAPS(Self-Alignment Adhesive Paste with Solder)工法を実用レベルに引き上げました(図1)。

こうしたはんだ入りの材料は、
1)はんだプリコートが不要(低コスト)
2)樹脂による補強(落下特性向上)
3)低荷重実装(裏面への部品実装可能)
といった特徴があり、電子機器における回路設計の自由度が大幅に向上します。

フレキシブル基板が内部に多く採用されている携帯電話(図2)ではさらなる薄型化を実現するために、それを接続する方法として、コネクターの代わりに接触接続方式が使用されつつあります。しかしこの方式では、高荷重での実装や高度な平行度管理が必要とされ、多種多様な部品が搭載されたマザー基板への適用には大きな制約がありました。これに対し、当社が提案するM/M-ESC工法では、樹脂中に含まれるはんだ粒子が噛み込んだ状態で溶融接合するため、電極間に僅かなギャップがあっても従来に比べ10分の1程度の低荷重で接合が可能となります。従って、接合部位裏面に部品を搭載することも可能となり、さらなる高密度実装が実現できます(図3)。

合わせて、多機能化に対応するためにモジュール部品化やその小型化も進行しており、ワンセグチューナーモジュールなどでは、ICやチップ部品などを基板内に内蔵した部品内蔵基板が採用されています。この内蔵される部品の接合に際しては、チップ部品の補強,保護が必要とされます。こうした課題に対して、当社では新しくSAPS工法を提案しています。このSAPS工法では、はんだのセルフアライメント効果を阻害せず、熱硬化する樹脂を採用することで部品内蔵時の高信頼性を確保できます。

当社では、今後ますます加速が予想される部品・モジュールの小型・薄型・高機能化に向けて、こうした次世代実装工法を、熱圧着ボンダーやチップマウンターなど幅広い実装設備のラインアップとともに、プロセス・材料も組み合わせることで実現し、新たなソリューションを提案してまいります。

ESC工法図

図1 ESC工法の展開

モジュール事例

図2 携帯電話で使用されているモジュールの事例

モジュール間
接続方式

コネクタ

接触接続
(ACFなど)

M/M-ESC

コネクタの説明図
接触接続の説明図
M/M-ESCの説明図

取り付け
高さ

高い

低い

低い

対応ピッチ

0.3mm<

0.1mm<

0.1mm<

実装荷重

なし

高い

低い

耐衝撃性

弱い

強い

強い

図3 モジュール間接続方式

【お問い合わせ先】

パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社 経営企画グループ
広報チーム 坂田
TEL:06-6905-5442 FAX : 06-6905-4103