1998年(平成10年)

創業80周年を迎える

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1999年11月に完成したグローバル研修棟

1998年、創業80周年を迎えた。森下社長は、1月の経営方針発表会で、世界中のお客様、お取引先様、株主の皆様の長年にわたるご愛顧・ご支援、また現在の繁栄と成長の礎を築いた松下幸之助創業者をはじめとする先輩諸兄の尽力に、心からの感謝の言葉を述べた。

そして、創業80周年を記念して、21世紀を担う人材育成をコンセプトとした二つの記念行事――
(1)「パナソニック・スカラシップ」の創設
(2)「グローバル研修棟」の建設
――の実施を表明した。

「パナソニック・スカラシップ」は、21世紀のアジアの発展に貢献する人材の育成と、国際相互理解の促進を目的とした留学生奨学金助成制度である。98年から2002年までの5年間に、約200人の留学生を支援していく。

「グローバル研修棟」は、21世紀のグローバル&グループ経営を担う幹部人材の育成を目的に、枚方市にある人材開発センター内に建設された。研修棟には「インターネット多地点MPEG会議システム」を導入。これによって、館内の各研修室間の相互コミュニケーションが可能になった。あわせて、人材開発センターでは、デジタルネットワーク技術を活用した教材の制作、新しい教育システムの開発も行っていく。

また、「80周年記念商品」として、全社で79の「初の商品」を認定し、事業部門と営業部門の連携のもと、市場導入を進めていった。

デジタルテレビを米国で発売

テレビ放送のデジタル化が世界的に進行し、関連市場に大きな変化が起こりつつある中、パナソニックでは全社を挙げた体制でデジタルテレビシステム事業への取り組みを図ってきた。

1997年10月には森下社長を委員長とするデジタルテレビ全社推進委員会のもと、「情報戦略」「知財戦略」の二つの戦略プロジェクトと、「プラットフォーム」「放送局システム」の二つの開発プロジェクトをコアとして、1999年までを期限に事業立ち上げの推進強化を図った。

こうした状況下、1998年10月、米国のデジタル地上波放送の開始を機に、18のデジタル地上波放送フォーマットすべてに対応できるデジタルテレビと受信用アダプター(セットトップ・ボックス)を業界に先駆けて発売。欧州では、英国BIB社のインタラクティブ・デジタル衛星放送に対応するセットトップ・ボックスを発売した。

さらに日本では、2000年12月からのBSデジタル放送開始に向けて、デジタルハイビジョン放送やデータ放送などのBSデジタル放送サービスにフル対応する「BSデジタルハイビジョンテレビ」を、同年9月に発売した。

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米国で発売されたセットトップ・ボックスと56インチワイドプロジェクションテレビ