全世界でエネルギー安定供給に貢献する蓄電技術

オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社

電池開発で培った技術を蓄電システムに応用
全世界でのエネルギー安定供給に貢献する

2018年度売上高10兆円を目指し、BtoCからより収益性の高いBtoBへと事業の軸足のシフトを加速するパナソニック。同社の看板商品の1つであるリチウムイオン電池についても、ICTなどの民生機器向けで培った技術を応用し、BtoB製品へ展開しようとする動きが強まっている。そこで大きなターゲットとなるのが、再生可能エネルギー活用と切っても切れない関係にあり、今後大きな市場拡大が見込める“蓄電”の分野だ。同社の二次電池事業部で蓄電システムの開発を率いるエンジニアに、現在の取り組みやそこで生まれている課題、そして求める人材像について訊いた。

電池をモジュール化・システム化し、1つの蓄電システム製品として提供

パナソニックのエナジー事業の中で、二次電池事業部は、現在の電池の主流であるリチウムイオン電池の開発を手掛けている部署だ。主にパソコンや携帯電話、デジタルカメラといった民生用モバイル機器向けにリチウムイオン電池を供給。技術・シェアともに世界トップレベルを走り続けてきた。

今後、同事業部が目指すのは、こうした民生用モバイル機器向けで培った技術を活かし、リチウムイオン電池のBtoB分野への展開を進めていくことだ。ターゲットとしてまず挙げられるのが、ハイブリッド車や電気自動車の登場によって電池需要が急激に拡大している車載分野。そしてもう1つ重要なのが、“蓄電システム”の分野だ。
「新興国ではインフラが整っておらず、電力供給が不安定なケースが多いですし、先進国でも送電網が意外に貧弱で、停電が頻繁に起こっている地域もある。また、昨今、地球環境保護の意識の高まりを背景に、太陽光や風力などの再生可能エネルギーへの期待も高まっていますが、これについても、安定的に発電するのが難しい上、発電していてもその時にニーズが高くなく無駄になってしまうケースも少なくない。こうした電力供給の不安定さや需給のバラツキを解消するのに、“蓄電”は欠かせないのです」と、同事業部で蓄電事業を担当する廣岡博文氏は説明する。

具体的な蓄電システム製品として当面、注力していくのは、携帯電話などの基地局向けの蓄電システムや、データセンター向けの電源バックアップ用蓄電システム、家庭用の中小型蓄電システムといったものだ。基地局向けでは、主に新興国のLTE化に向け事業を拡大していく方針。データセンター向けでは、クラウドコンピューティングによる爆発的なデータ量増大を背景に需要増が見込めるのに加え、省エネ・空調費節減のために、従来の鉛電池を用いて電源バックアップを行うサーバーから、リチウムイオン電池を用いるサーバーへの置き換えが進むことも追い風となる。家庭用中小型蓄電システムも、今後、太陽光発電や夜間電力の活用を広めるのに欠かせない。さらに将来的には、電力会社向けの大規模蓄電システムへの展開も視野に入れる。

こうした製品開発を行っていく上では、新たな課題も生まれる。従来の民生機器向けリチウムイオン電池では、数本からせいぜい数十本程度の電池をパックしたものだった。それが今後は、数百本・数千本の単位で電池を積み重ね、モジュール化・システム化して1つの製品として提供することが求められる。
「そうなると従来の電池技術に加えて、システム全体として発熱を抑え安全に動かすための回路技術や制御技術、これまでと全く異なる筐体を設計する機構技術などが必要になります。充電についても、電池だけでなく、電源側の知識も持っていないとシステムとして最適なものにはならない。つまり、電池側からの視点のみならず、“上位システムから見て電池の設計はこうあるべき”と考えられる視点が必要になるわけです」と廣岡氏は力を込める。

“上位システム側からの視点”を持つ人材に、ぜひとも開発に加わってほしい

こうした“上位システム側からの視点”を持つ人材は、現状、社内にそう多くはない。そこでパナソニックの二次電池事業部では今、キャリア人材の採用に積極的に取り組んでいる。「我々が培ってきたリチウムイオン電池に関する高度な技術に、上位システムの分野で経験を積んできた方の知見を組み合わせることで、製品開発を加速していきたい」と廣岡氏は強調。求められる技術領域は、電気回路/制御系、機構系、ソフトウエア系、電源/パワーエレクトロニクス系まで幅広い。これまで電池そのものの開発に携わった経験がなくとも、例えば重電メーカーで電源の開発を行っていた人や、基地局のトータルシステム開発を手掛けていた人などは、まさに即戦力となる。

蓄電システムの開発をワンストップで、しかもグローバルな規模で手掛けられる電池メーカーは世界的に見ても数社しかなく、パナソニックはその1つ。顧客企業が最先端の技術を求める際には声をかけられるケースが多く、そうした中で幅広い業界・領域の仕事に取り組むことにより、エンジニアとして大きく成長していける。海外出張の機会が豊富にあるのも、世界を舞台に活躍したい人にとっては魅力的だろう。

同事業部での蓄電システム開発の仕事は、常に新しいものを手掛けるだけに、失敗は付き物。「それに挫けることなく前に向かっていける、チャレンジ精神・冒険心が旺盛な人を求めたいですね」と廣岡氏は笑顔で語る。一方で、これまでやってきた特定の技術だけを極めたい、という人は、同事業部での仕事にはマッチしない。あくまで事業軸で、自分の持っている技術を蓄電事業に活かしつつ、そこからさらに領域を広げていきたい、というマインドを備えていることが必須となる。
「エネルギーの安定供給は、人類にとって極めて大きな課題の1つ。そこに直接携われることが、蓄電システムの開発にあたる上で、何より大きなモチベーションになっています」と廣岡氏。その手応えを、ともに味わってみたいと思う人は、今すぐ応募してはいかがだろう。

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 二次電池事業部 車載電池ビジネスユニット ビジネスユニット長 ビジネスユニット長 花田 浩一氏

パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
二次電池事業部 蓄電システムビジネスユニット 蓄電事業担当
廣岡 博文 氏

1988年、三洋電機(現パナソニック)入社。充電器など電池周辺機器の開発を経て、電池パックの開発および顧客サポートを長年に渡り担当。1997年から2002年までは台湾の現地法人に駐在、電池パック技術部門立ち上げを経験した。2013年より蓄電システム開発を担当。