環境対応車市場を牽引するEVリレー

写真:電気自動車

グローバルに急拡大する環境対応車市場に向け
ニーズにマッチした先進のEVリレーを供給し続ける

「家電」「住宅」「車載」「B2B」の4つの事業領域で成長戦略を推し進めるパナソニック。特に車載分野で重要なターゲットになるのが、これからますます市場拡大が見込まれる、ハイブリッド車や電気自動車などの環境対応車関連の商品だ。環境対応車の安全性を守り抜く上で欠かせない重要部品であるEVリレーもその1つ。このEVリレーについて、世界トップクラスの座を守りつつ、よりいっそうの事業伸長を目指すために、同社ではどのような体制を取り、どのような商品開発を行っているのか?そして、そこで求められるキャリア人材の姿とは?同社の車載リレー全体の開発を率いるキーパーソンに話を訊いた。

高い商品力と長年の実績・信頼が大きなアドバンテージに

写真:車載リレー企画開発部 部長 山本律氏のインタビューカット

各種スイッチなどから電気信号を受け取り、電気回路のオン/オフや切り替えの役割を果たすリレー(継電器)。パナソニックではこのリレーの開発を1961年から開始し、車載用途にも展開を進めてきた。現在、車載用リレーとしては主に、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)といった環境対応車向けのEVリレーや、パワーシート、ワイパー、パワーウインドーなどの駆動用のPCBリレー、さらにヘッドランプ、ホーン、エアコンなどの駆動用のプラグインリレーといった商品を開発・販売。EVリレー、PCBリレーはグローバルトップクラスのシェアを誇っている。

とりわけ近年、同社が開発に注力しているのがEVリレーだ。これは環境対応車のバッテリーとモーターをつなぐリレー。環境対応車では高電圧のバッテリーから大電流を流してモーターを回転させるため、万一、事故が起きた際には、EVリレーによって瞬時に電流を遮断し、バッテリーとモーターを安全に切り離すことが必須となるのだ。

「環境対応車の普及に伴い、EVリレーの需要も増加しつつあります。今後大きな伸長が期待される市場ということで、パナソニックとしても開発体制を強化しています」と同社車載リレー企画開発部 部長の山本律氏は強調する。

車載リレーは大阪府の門真と三重県の伊勢およびパナソニックスイッチングテクノロジーズ社で開発・生産を行っているが、特に門真と伊勢の体制強化を図っている。

パナソニックのEVリレーが圧倒的な世界トップシェアを獲得している最大の要因は、その商品力の高さにある。同社が開発し、いち早く実用化に成功した「水素封入型カプセル接点」を用いているのが特長。事故などで電流をオフにして遮断する際は、接点間でアーク(火花)が発生するのが問題だが、接点をセラミックで密封し、水素を封入することでアークが外に漏れないように。さらに、永久磁石によってアークを引き伸ばし、水素の冷却効果で高いアーク電圧を発生させることにより、小型ながら高電圧を瞬時に遮断できるようになっている。

「競合他社でも同様の封止型接点を用いるEVリレーが出ていますが、自動車は極めて高度な安全性が求められるため、QCDそれぞれが高いレベルで満足される必要があります。その点、当社は、環境対応車が世に出た当初からEVリレーを自動車メーカーに納入して実績と信頼を積み上げ、各メーカーと強固な関係を築きながら一歩先を見据えた提案および商品開発を行ってきました。アドバンテージは大きいと思います」と山本氏は自信を見せる。

今後も環境対応車市場がますます拡大していくことは間違いない。しかも、すでに欧州や中国でそうなっているように、環境対応車の需要がHVから電気で走るEVやPHVにシフトしていくと、電源周りの高電圧化・大電流化がいちだんと進んでいく。

「となるとEVリレーについても、高電圧化・大電流化に対応しつつ、小型で低コストの商品を供給することが課題になります。また、グローバルシェアNo.1を堅持するには、海外メーカーとの関係もますます強化する必要がある。強力な商品を世界に先駆けて生み出し続け、環境対応車市場の拡大以上の成長を成し遂げたいですね」と山本氏は表情を引き締める。

勘や経験よりも「理論理屈」を重視する

環境対応車市場は拡大するとともに、まだまだ大きく変化していく。それだけにEVリレー開発に携わるエンジニアにとってのやりがいも充分だ。

「コモディティ化した商品だと我々エンジニアの活躍の場は少なくなってしまいます。対して、EVリレーの場合、市場動向を先読みしながら自分の創意工夫を盛り込んで企画・技術開発・商品開発を進めていける面白さがある。読みが当たっていたかわかるのは数年先になりますが、目論見どおりに市場が動き、そこにマッチした商品を供給できた時の喜びはこたえられません」

パナソニックの車載リレー企画開発部では今、EVリレーの開発に加わってくれるキャリア人材の積極採用を進めている。車載関連部品や機構部品、高電圧商材の設計開発経験もしくはR&D部門での技術開発経験を持っている人材であることが望ましいが、何より重視するのは「理論的思考力」と「コミュニケーション力」だ。

「我々の仕事では、お客様の要望や市場の動向を自分の中で噛み砕いて商品の仕様書に落としみ、技術開発、商品開発を進めていきます。その際、車載品質を確保しつつ、新規性や小型・低コストを極めていくには、これまでの勘や経験ではなく『理論理屈』で物事を考えることが大事になります。また、お客様や社内の他部署と幅広く連携しながら開発を進めていくだけに、高いコミュニケーション力も不可欠です」

この山本氏の言葉からもわかるとおり、同部では理論理屈を最優先し、新しいものを目指して上下の区別なく技術を語れるフラットな雰囲気に溢れている。また、今後、海外市場開拓により精力的に取り組んでいくことから、グローバルに自身の力を試していけるのも魅力だ。

「環境対応車市場が大きく変化していく中で、その変化を楽しみつつ、自分の成長につなげていく。そして、世の中を自分の開発した商品で変革していく。そんな気概とチャレンジ精神を持った方とぜひ一緒に仕事をしたいですね」と語る山本氏。この熱いメッセージに心を揺さぶられたエンジニアは、今すぐ応募してみてはいかがだろう。

写真:車載リレー企画開発部 部長 山本律氏のインタビューカット 写真:車載リレー企画開発部 部長 山本律氏のインタビューカット
パナソニック株式会社 オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 メカトロニクス事業部 メカニカルリレービジネスユニット 車載リレー企画開発部 部長 山本律氏

パナソニック株式会社
オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社
メカトロニクス事業部 メカニカルリレービジネスユニット
車載リレー企画開発部 部長
山本律 氏

1993年、松下電工(現パナソニック)入社。リレーの研究開発部署に配属され、EVリレーの開発に携わる。2006年から1年半、帯広松下電工(現パナソニックスイッチングテクノロジーズ)にてEVリレーの商品立ち上げを担当。その後、再び研究開発部署を経て、2010年より伊勢工場でEVリレーの商品企画開発に従事。2014年10月より現職。