もっと快適で便利なエコカーを。パナソニックの総合力が、EV・環境対応車の普及拡大を加速させていく。

地球環境問題やエネルギー問題の解決が求められる中、次世代カーとして大きな期待を集めるEV(電気自動車)や環境対応車。震災を機に、非常用電源としての活用にも注目が高まっている。「エレクトロニクスNo.1の環境革新企業」をビジョンに掲げるパナソニックグループでは、カーエレクトロニクス事業を担当するオートモーティブシステムズ社内に「事業開発センター」を設立。家電やデバイスなどグループ内に蓄積された環境対応技術をクルマに活かす試みを精力的に進めている。そこで生み出される、パナソニックならではの価値はどのようなものか。また、開発の課題や魅力、必要とされているエンジニア像について、横断事業開発グループの技術責任者に話を聞いた。

家電と車載、双方の技術を結集させ、EVをはじめとする環境対応車に新たな魅力となる価値をもたらすシステムを開発。

世界中で本格普及への期待が高まるEV。しかし、まだまだ技術革新の可能性は大きく、貢献できるポイントは数多くある。一例として、現在発売されているEVは、エアコンの使用状態によって、航続距離が低下する場合がある。ガソリン車の場合、エアコンのコンプレッサーはエンジンの回転をベルトで伝えることで駆動される。しかしEVでは、このエンジンによる動力がなくなるため、コンプレッサーを動かす電力も限られた電池容量内でまかなうことになる。そのため、走行に必要なエネルギーがエアコンによって消費され、航続距離が低下してしまう。この影響を最小限に抑えるためには、「限られた電池容量をいかに効率よく使えるか」が、大きな課題となる。この課題に対し、パナソニックではエネルギー効率を大きく高めたインバーター一体型の車載用コンプレッサーを開発。2010年に大手カーメーカーに採用され、高い評価を得ているという。

「開発は、白物家電製品の開発を担当しているホームアプライアンス社と協働で行いました。ホームアプライアンス社が家庭用エアコンの開発で培った省エネルギーのノウハウと、我々オートモーティブシステムズ社(以下、オートモーティブ社)が保有する車載化の設計ノウハウとを融合させ、これまでにない車載用コンプレッサーをつくりあげたのです」と話すのは、事業開発センターの「横断事業開発グループ」でグループマネージャーを務める桐ヶ谷氏。この横断事業開発グループは、パナソニックが有する幅広い事業領域それぞれの技術を結集し、オートモーティブ社と各事業ドメインとの連携により、EVに向けたデバイス・システムを開発していくことを目的に設置された。総合力というパナソニックの優位性を、フルに発揮していくための組織である。

この車載用コンプレッサーでは、機構・構造部の開発をホームアプライアンス社が担当。家庭用エアコンの技術を活用して高いエネルギー消費効率と静音性を実現した。そしてオートモーティブ社では、このコンプレッサーにおける車載化対応・システム開発を担当。インバーターの回路技術と制御技術により、さらなる電力の高効率化を成功させている。
「電池やパワーマネジメントデバイス、そして車両の安全に必要とされるカメラやセンサーなど、EV・環境対応車に求められる要素技術の多くを、パナソニックはその幅広い事業領域の中に持っています。それらを結集し、単なるデバイスでなく車載用としての付加価値をもった“システム”として完成させ、提供できることが強みなんですよ。特に家電と車載、両方の技術を持っているメーカーは、世界を見渡しても決して多くありませんから、その組み合わせで商品を生み出せるのは大きなアドバンテージですね」(桐ケ谷氏)

環境革新企業として各事業ドメインで追求し続けている省エネルギー関連技術や、家電製品における快適性・利便性を実現させるための技術。パナソニックならではの世界をリードする技術力を車載システムへと注ぎ込むことで、より環境性能に優れ、より快適でより便利なクルマとして進化していく。ユーザーが「乗りたい」と感じる価値をもたらすことができるパナソニックには、EV・環境対応車の普及拡大の牽引役になれる可能性があると言っても過言ではないだろう。

パワエレ、熱マネジメント、大型部品の機構設計。様々なスキルを持つ仲間たちとともに、未来を作りたい。

現在、オートモーティブ社の事業開発センターで進められている開発テーマは、大きく分けて以下の4つ。(1)インバーターや充電器などの電源システム (2)バッテリーを効率良く、また長寿命で使いこなすためのバッテリーマネジメントシステム (3)エアコンやシステムにより発生する熱の再利用などを行う熱マネジメントシステム (4)車両の安心・安全に不可欠なカメラやセンサーなどを用いたセンシングシステム である。
「その中で特に重要になるのが、パワーエレクトロニクスの技術と熱マネジメントの技術です。キャリア採用では、これらの技術に強いエンジニアを求めています。中でも、実際に私自身が事業開発に関わってきた中で感じているのは、特に大型部品の機構設計のスキルが必要とされる場であるということ。やはりクルマに組み込まれていくシステムの開発ですからね。また、パワエレ商品では扱う電力も異なりますし、部品活用や基板のレイアウト、安全に対する設計基準も、他のエレクトロニクス商品とはまったく異なります。カーメーカーさんとコミュニケーションができ、高度な要件を形に落とし込んでいくスキルを持つ方は特に、活躍できる範囲は大きいですよ」(桐ケ谷氏)

これまでにもオートモーティブ社では積極的なキャリア採用を実施。すでに、様々な経歴・スキルを持ったエンジニアが、即戦力として次世代のクルマに関わるシステム開発に取り組んでいる。
「私のグループでも、約1割がキャリア入社です。前職でクルマの部品開発に携わってきた人もいれば、マルチメディア関連の出身者もいる。ここ3年ほどでは、スキルチェンジプログラムなどの研修制度の充実もあって、パワエレのスキルを持った人材も増えてきましたね。それぞれ異なる経験やスキルを持つエンジニアと夢を共有し、ともに開発に取り組んでいける。各分野のスペシャリストが学びあい、お互いに成長していける職場と感じてもらえるのではないでしょうか」(桐ケ谷氏)

他の事業ドメインと協働で開発を進めるとなれば、さらに様々な技術を持つエンジニアと広く関わり合うこともできる。事業分野の幅が広いパナソニックは、エンジニアにとって刺激的な環境だと言えるだろう。またグループ内でもグローバル化が進んでいるオートモーティブ社には、海外拠点での現地メーカーと協働する開発など、世界を舞台に活躍できるチャンスも多い。成長を求めるエンジニアにとっては、この上ない環境と言えそうだ。
「自分を試せる場、チャレンジできる環境が、パナソニックには広く用意されています。私自身、若い頃からどんどん新しい分野の開発を任され、失敗もし、やりがいも厳しさも実感しながら成長してきました。“やりたい”と手を上げる人が、自由に動け、活躍できる会社なんですよ。ましてEVや環境対応車というこれからの分野の開発なのですからね。今までの経験だけにとらわれる必要もない。社内外に自らネットワークを広げ、カーメーカーさんや他ドメインのエンジニアたちとともに新しい試みに次々とチャレンジしてほしいと期待しています」(桐ケ谷氏)
EVには、非常用電源としての活用や、スマートグリッド・スマートタウンなど次世代インフラとの連携など、未来への限りない可能性が期待されている。パナソニックの総合力は、次世代社会に新たな価値を提供していくことになるだろう。自分たちの手で未来を変えていく。その現場にいることを実感できる充実感を、桐ケ谷氏の言葉の端々から感じることができた。EV新時代を切り拓く旗手となる仕事に興味がある方は、一度話を聞いてみてはどうだろう。

オートモーティブシステムズ社
事業開発センター
横断事業開発グループ
グループマネージャー
桐ヶ谷 豪志

1987年に大学(電気電子工学専攻)を卒業後、松下通信工業(当時)に入社。カーエレクトロニクス事業部において、カーオーディオやカーナビゲーションシステムの開発に携わる。2010年10月より現職。EV・環境対応車向け事業の技術責任者として、電源・電池・熱・センシングシステム商品の開発を推進している。