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日本の子ども用車椅子を通じて、ちいさな善意がおおきな喜びに変わる

3月18日、東京都福生市で、NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」が毎月実施する車椅子整備の活動に行ってきました。地元企業の経営者やパナソニックのOBが運営する会には、会社員や学生などさまざまな人が参加しています。海外の子どもたちに車椅子を手渡すところまでフォローする活動を報告します。

東京都福生市を拠点に活動するNPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」は、パナソニックが立ち上げの2004年から5年間、「パナソニック地球市民活動支援プログラム」で支援してきました。その申請をしたOBの社員時代を知る社員の東郷琴子がレポートします。

貴重な子ども用車椅子2700台を世界19カ国へ

パナソニック株式会社、社会文化グループの東郷琴子です。NPOを 支援するプログラムを担当しています。NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」は、「パナソニック地球市民支援プログラム」で、2004年から5年間資金を支援してきました。このプログラムは、社員とその家族、OBが継続的に活動している非営利団体を支援します。 応募はパナソニックの社員OBによるものでした。

東京都福生市を拠点に活動するNPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」は、その名の通り、日本で使用済みになった子ども用車椅子を集め整備をして、海外に送る団体です。2004年から8年間で東南アジアを中心に世界19カ国、2700台を送った実績があります。

パナソニック・社会文化グループの東郷琴子。「先日、子どもと一緒に活動に参加しました。車椅子を清掃するという一見地味な活動が、海外の子どもたちに役立つという大きな広がりがあることを伝えたいと強く思いました」

NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」会長の森田祐和さん。「送った相手に喜んでもらえると、こちらもうれしい。人間らしく生きることが僕自身の最大のテーマ。会の今後の課題は後継者の育成と資金です」と言います。

NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」の理事、片野智之さんはパナソニックOBです。「子ども用車椅子は、新興国や発展途上国にはほとんどない。エチオピアでは『夢が本物になった』と、17歳まで寝たままだった子どもが喜んでくれました」と話します。

一口に子ども用車椅子といっても、使う人の障がいはさまざま。日本では使う人の体の状態に合わせて作られます。価格は20~30万円もしますが、国からの補助金もある日本では、わずか1割の自己負担で買えます。しかし、子どもが成長して使えなくなると、汎用性がないので廃棄処分しなければなりません。一方で、世界には高価な車椅子を買えないために、寝たきりで過ごす 子どもたちが大勢います。使われなくなった車椅子を、必要な人に役立てるパイプ役となる会を立ち上げたのが、会長の森田祐和さんです。

「福生市で貸衣裳店を経営しています。悪性リンパ腫で余命1年と宣告され、人生の最後に世の中に役立つ仕事をしたい、と活動を始めました。僕には4人子どもがいるのですが、次男が脳性麻痺で車椅子を使用しています。息子が使わなくなったまま玄関に放置されている車椅子を、有効活用できないか。調べてみると、海外には困っている人がたくさんいる。そこで、NPOの作り方を教えてくれた ボランティアセンターに相談したところ、海外にネットワークを持ち福祉活動の経験もある片野智之さんを紹介してもらったのです。やる気はあるがノウハウがない僕、経験と人脈のある片野さん、と2人の凹凸ががっちり噛み合った瞬間でした」

森田さんは、「パナソニックOBの片野さんが申請した『パナソニック地球市民活動支援プログラム』のお金があって本当に助かりました。折れそうな気持ちが折れずにがんばることができた」と、打ち明けたうえで、「よくみんなお金と時間がないから、社会貢献は始められないと言うけれど、あれはできない理由を見つけているだけだね。どんな悪条件でも小さな勇気があれば道は見つけられる」と熱く語ります。

話に出てきた片野さんは、実は私が入社時、お世話になった大先輩です。当時は食事に行ったりカラオケに連れていってくださって、ユーモアあふれる会話で周りの人をいつも笑わせている方という印象がありました。でも、この会の活動を熱いまなざしで語っている姿を知り、改めて「私も負けてはいられない」と励みになりました。