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日本の子ども用車椅子を通じて、ちいさな善意がおおきな喜びに変わる

企業人として得た人脈やノウハウを活かして

片野智之さんにうかがったお話です。
「僕は1964年、パナソニックに入社し、会社員時代の半分を海外で過ごしました。その後、文部科学省の仕事で国際交流ディレクターとして赴任したマレーシアで、障がい者を対象にしたボランティア活動をしていました。ですから、マレーシアの財団やベトナムの赤十字といった、障がい者団体やNPOを通じたネットワークを持っていたんです。森田さんから協力して欲しいとお話をいただいて、海外でお世話になった方々へ恩返しをしたい、そして世界の恵まれない子どもたちの役に立ちたい、と思って運営に関わり始めました」

「東南アジアやアフリカの障がい者の子どもたちは、床に放置されたまま10何年暮らしていたりする。だから、車椅子を送ると心から感激して喜んでくれる。送ったこちらもうれしくなる。日本では、そんな経験はなかなかできないです。送りっぱなしではなく、車椅子が売名行為に使われたり、転売されないか、僕も森田さんも何度も現地へ行って届ける相手を見極めます。そして、障がい者施設など確実に使い続けてくれるところへ送ります」

企業で長年働いてきた会員たちの人脈は、船会社から船の空きスペースを提供いただき車椅子を送る、といった形で役立つこともあるそうです。特別支援学校のPTAなどに働きかけて車椅子を提供いただくネットワークも広がり、今では年間500~600台も車椅子が集まります。

NPO法人「海外に子ども用車椅子を送る会」会員で、「相手が喜んでくれるからうれしいし、知らない人と車椅子を通して喜びを分ち合えるのが良い」と話す能勢規弘さんは、パナソニックOB。社員時代に赴任したフィリピンとのパイプを持っています

この会の素晴らしさは、日常の活動に誰でも気軽に参加できること。ボランティアを温かく受け入れてくれる雰囲気があるのです。私も先日、小学校4年生の息子と1年生の娘を連れて参加しました。車椅子が使えるかチェックし、清掃して梱包する。簡単な作業なので、子どもたちもすぐに、喜んで手伝っていました。毎月第3日曜日、福生市の自動車整備工場が活動場所です。この場所は、森田さんのもつ地元商工会議所を通じたネットワークでお借りしているそうです。

まだきれいなのに、子どもたちが成長して体のサイズと合わなくなった、たくさんの車椅子。毎月第3日曜日、福生市の交通社オートコア熊川工場で、点検、清掃して梱包し、トラックに積むところまでボランティアが行います。

ふだんの活動には、会員のほか、会社員や学生のボランティアまで、幅広い層の人が参加します。会社員の原田さんに話を伺いました。「会社の社会貢献プログラムで 『海外に子ども用車椅子を送る会』を知り 、募金するだけでなく自分たちで行き参加しよう、と同僚8人で来たのが最初です。作業自体はとても簡単なのですが、役立っている充実感があるので、毎月参加しています」と熱心に話してくれました。

初めの1歩が踏み出しやすい活動でありながら、貿易事務の経験や海外のNPOや地元とのネットワークまで、これまでに自分が培ってきたスキルや経験と人脈を生かしている。車椅子ごとに誰のところへ届いてどのように使われているか、書類と写真できちんと記録も取っているのも、本当にプロフェッショナルな仕事だと思いました。ノウハウやネットワークがなければできない活動なのです。日本で捨てられる運命にあった車椅子が再利用され、海外で自由に動けなかった子どもたちの生活を豊かにする点に目をつけた先駆性は、本当にすばらしいと思いました。

この会では、車椅子を保管する倉庫等の運営費を寄付でまかなっています。また、海外に届けられる車椅子の整備は、月に1回、ボランティアによって支えられています。整備活動のボランティアは子どもから大人まで誰もが参加できます。あなたにもできる国際協力。一歩踏み出してみませんか。寄付やボランティアなど、活動に関心を持たれた方はぜひホームページをご覧ください。

会社員の原田さん。「家族に、この会だけは今後も続ける、と言っています。お金で解決するのではなく、自分の手で役に立つことをやれる手応えがあります」

もっと多くの子どもの笑顔を!
  あなたの小さな善意が大きな喜びにかわります

海外に子ども用車椅子を送る会ホームページ
http://www.kurumaisu.ma.cx/

寄付先: 郵便振替 口座記号番号 00130-9-389966
       加入者名 海外に子ども用車椅子を送る会

       銀行振込 多摩信用金庫 昭島支店 普通 3933782
              海外に子ども用車椅子を送る会 会長森田祐和

問い合わせ先: 森田会長 info@kotobukiya.com
           片野理事 katano-tmyk@kit.hi-ho.ne.jp

グエンさんは日本で会社員として働いて1年半のベトナム人。日本語学校で出会った会員に誘われ、毎月参加しています。「障がい者の生活は大変です。できることは手伝いたい。ベトナムへ運ぶときは同行したいです」と話してくれました。

現在は、外務省の「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受けて、世界各国にある届け先の施設まで行き、現地の受け入れ状況を確認しています。「日本NGO連携無償資金協力」とは、日本のNGOが開発途上国・地域で行う経済社会開発事業に外務省が資金協力を行う制度です。

2011年はこの制度を利用し、ベトナムの子どもたち150人に車椅子を届けました。ベトナムではベトナム戦争に使われた枯葉剤等の影響で、障がいのある子どもが大勢います。しかし車椅子を保有しているのは、わずか12%程度で、車椅子を保有していない子どもたちは、自宅で寝たきりの状態です。この会では、子ども用車椅子150台を現地の赤十字支部を通じて障がいのある子ども達150人に届けました。
車椅子があることで、子ども達は移動したり外出したりすることができ、肉体的精神的な健康の維持が期待できます。またこれまで子どもを背負って通院していた家族の負担も軽減されています。

2011年は、ベトナムのほか、カンボジア、フィリピン、エチオピアの子ども達にも車椅子を届けています。

外務省ホームページ「国際協力とNGO」で紹介されています。

■コラム タイへ車椅子を届けた学生たち

相模女子大学の講師、小泉京美さんが学生たちに呼びかけ、「海外に子ども用車椅子を送る会」に参加。毎月の活動に参加するだけでなく、学生たちが主体のプロジェクトとして、車椅子の手配、渡航資金作り、渡航手配まで行いました。そして、3月初め学生11人でタイへ飛び、タイの障がい者協会APHTを通じて、子どもたちに無事、車椅子80台を届けました。この日は、達成感を手にした学生たちの報告会も行われました。

相模女子大学講師 小泉京美さん
「会社員から大学の講師になって驚いたのは、学生たちの達成経験が少ないことでした。自信を持つ体験をさせられないかと思っていたところに、森田さんから会の話を聞き、協力することにしました。7ヵ月間で学生の問題解決能力が養われた。今後も活動を発展させたいと思います」

相模女子大学・広瀬さん
「プロジェクトの代表を務めました。私が洗って梱包したヒョウ柄の車椅子に、タイの子どもが座ってくれるところまで確かめました。『この子が自分で動けるようになってよかった』とお母さんが、言うのを聞き、使ってもらえるんだと実感しました」

武蔵大学・秋山さん
「学生が国際貢献を出来る有志のボランティア団体ウイズを主宰しています。日本語クラブで小泉先生と知り合い、プロジェクトに誘われました。タイへ行き、人間として貢献することが生きていくことだ、というウイズを立ち上げた動機に間違いはないという思いを強くしました」