光で分解(ぶんかい)するプラスチックがあるってほんと?
     
プラスチックとは、普通には石油から作られる、とても便利な物質(ぶっしつ)。熱を加えるといろんな形になり、冷えると固まるから、ポリ袋(ふくろ)や、スーパーでお肉や魚を乗せて売っているトレイなど、いろんな道具を作ることができるんだ。おもちゃやほ乳瓶(ほにゅうびん)でもプラスチックを使ったものが多いね。

便利な反面、ゴミになった時に困る性質(せいしつ)もあるんだ。紙や野菜の皮などのゴミは捨(す)てておくと次第にバクテリアなどの微生物(びせいぶつ)が食べて分解(ぶんかい)してくれるから、いつかは水と二酸化炭素(にさんかたんそ)に変わってしまう。もちろんそれだって時間がかかるから、ゴミをあちこちに捨ててはいけないんだけど、プラスチックはもっと困る。

人間が作り出したプラスチックには微生物が食べるものが入っていない。だからいつまでたっても元の大きさと形のまま、捨てられたところで残ってしまうんだ。ゴミとして燃(も)やすと有害なガスが出たりする。

そこで、世界中で、自然の中に置いておくとやがて分解されてなくなってしまうプラスチックを作ろうというチャレンジが行われてきた。微生物が食べてくれる生分解性(せいぶんかいせい)プラスチックや、水を加えると分解するものも生まれているよ。

アメリカ製(せい)のビールやコーラの缶(かん)を6個ずつ、プラスチックの輪でつなげて売っているのを見たことあるかな? この「キャリア・リング」と言う輪は、アメリカでは早くも1970年代の末には、分解性プラスチックでなければいけない、と法律(ほうりつ)で決められていたんだよ。

そうした中の1つが光分解性プラスチック。太陽の光の中には「紫外線(しがいせん)」というのが含まれている。外にいると日焼けをする原因(げんいん)になるものだよ。「エチレン」という物質と一酸化炭素が結合したプラスチックを使えば、紫外線を浴び続けると分解することが分かっている。

普通のプラスチックに比(くら)べて、作るのにお金がかかるから、まだあまり広まっていないけど、研究は進められている。近い将来(しょうらい)、スーパーの袋などが光分解性プラスチックに代わるかもしれないね。