アメリカでも、はじめからそうだったわけじゃない。それが、ユニバーサルデザイン誕生(たんじょう)のきっかけになったんだ。

ユニバーサルデザインという言葉は、アメリカ・ノースキャロライナ大学で、建築(けんちく)やものの形を研究していたロナルド・メイス教授(きょうじゅ)が、仲間といっしょに広めたもの。

メイスさんは、9歳(さい)の時にポリオという病気にかかってから、酸素(さんそ)吸入(きゅうにゅう)をしながら、電動車いすをつかって生活していた、しょうがいのある人だった。子どものころからたくさんのバリアフリーを見てきたけれど、やはり好きになれなかったんだ。バリアフリーは、もししょうがいがある人にとってどうか、ぐあいが悪ければ直す…という考え方をする。つまり、しょうがいのある、とくべつな人のためのものと考えるから、しょうがいのある人もない人も、どこかに気持ちのバリアが生まれることが多い。

「だったら、最初からみんなに使いやすいものを作ればいいじゃないか!」メイスさんはそう考えて、ユニバーサル(みんなに共通のという意味の英語)デザインを研究したんだ。たとえば、階段(かいだん)のとなりにスロープを付けると、しょうがいのない人は階段を、車いすの人はスロープを使って下さい…になるよね。駅のトイレにも、しょうがい者用って書いてあると、しょうがいのない人は入りにくい。でも広くて使いやすいトイレなら、だれもが使いたい。最初から、しょうがい者用じゃなく、だれにでも使いやすいものと考えればいい。この「だれにでも使いやすく」を、ものや町、しくみの作り方として考えて実行するのが、ユニバーサルデザインなんだ。