助成を受けられた団体(子ども)

子ども分野・2010年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

発達障害児の治療教育・相談活動に携わる若手専門家の育成

団体名

特定非営利活動法人 銀杏の会

事業目的

(1) 当法人が運営する御茶ノ水発達センターにおいて治療教育や相談などの臨床活動を担える人材を育成し、スタッフの増員をはかる

(2) 人材育成プログラムを作成し、当センター以外の発達障害児・者に関わる専門家への講演や支援など、発達障害に関する知識の普及啓発事業を展開する

(3) 上記により、継続的に安定し、発展してゆけるような組織基盤をつくる

事業目標

(1) 年間3~5名程度の若手の育成を開始し、継続的に育成する

(2) これまでの人材育成のあり方を見直し、課題を明確化する

(3) 人材育成のノウハウを蓄積し、改良を重ねつつプログラムとしてまとめる

事業概要

(1) 当法人が運営する御茶ノ水発達センターにおいて、発達障害について関心を持つ若手専門家(心理・教育・福祉等の領域)を、非常勤スタッフや研修兼ボランティアなどの形で年間3~5名程度受け入れる

(2) 日々の治療教育や相談場面の見学や記録、実践、講義やグループワーク、カンファレンスへの参加、講演会や研修会、他機関見学等を通じて人材育成を行う

(3) レポート作成や人事面接、簡単なテスト、子どもの発達や行動の評価を定期的に実施し、育成状況を評価する

(4) 実践から得たノウハウや他機関の専門家との連携により、発達障害児の治療教育や相談活動に携わる専門家の人材育成プログラムを作成する

事業の成果と課題

○事業の成果

 まず1つめに、当初の予定を超える6名の若手専門家が育成の事業に参加し、当法人の提供している「認知発達治療」の理論と技術を順調に身につけてきていることである。特に定期的に勤務している3名に関しては、すでに常勤のスーパーバイズのもと、子どもの治療教育を担当し始めている。また、その他の非常勤スタッフやボランティア、実習生も意欲的に学んでおり、将来的に当法人の主たる事業である治療教育・相談事業を担い、支えてくれる人材が確保出来始めていると考えている。
 2つめに、育成プログラム作成の準備が進んだことである。従来の育成方法を見直し、資料等を参照しながら、OJT、講義、他機関の見学等、様々な方法を取り入れ試行を繰り返す中で、当法人が必要とするスタッフ像が明確化し、育成のノウハウが徐々に蓄積されている。
 3つめに、運営の中心を担う常勤スタッフの意識改革ができたことである。新規にスタッフを雇用し育成することで、運営を担う責任の重さを再認識し、積極的に組織を整えてゆく必要性を痛感し、具体的に動き始めることが出来た。これは直接目に見えるものではないが、組織として持続的に安定した運営をしてゆく上で、何より重要な成果であったと考える。

○事業の課題

 上記の成果ゆえに、業務の分担、過去の活動の見直し、各種規定の整備、中堅スタッフの研修等、組織の維持・発展に関わる多くの課題が明らかになった。今後引き続き取り組んでゆきたい。

今後の取り組み方針

 本事業は、若手専門家を年間3~5名程度、できれば継続的に3年間を目処に育成し、当法人の事業としての臨床活動がひと通り出来るような人材を複数確保することを目指している。また、その中から、当法人の理念や提供している「認知発達治療」の理論を真に理解し、ともに組織を担ってくれるスタッフを2名ほど常勤として迎えたいと考えている。
 育成の経過を踏まえて作成した「人材育成プログラム」は、新規スタッフが過剰な負担を抱えずに、より早く一定の水準まで達するために役立つものとなるよう、この3年の間におおよその完成を目指している。この「人材育成プログラム」は、発達障害児の治療教育や相談活動に携わる人に知っておいてほしい事柄を列挙し、また育成の手順や配慮点などを記述した形のものを考えている。一応の完成後も、内容が時代によって変わってゆくことが想定され、またそれぞれのスタッフの個性に合わせて柔軟に運用する必要があり、改良・工夫を重ねつつ使用してゆくことになると思われる。
 またこのプログラムは、スタッフ育成に生かすとともに、発達障害児・者の支援に携わる専門家を対象とする講演や講座、コンサルテーションなど、普及啓発事業にも応用し、さらなる活動資金作りに役立てゆく予定である。安定した経済的基盤と人材の確保とが良い循環で進み、組織が持続的に発展できるよう、バランスを見ながら、引き続き組織基盤強化に取り組んでゆきたい。