助成を受けられた団体(子ども)

子ども分野・2010年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

子どもの個性を認め成長を見守るフリースクールのスタッフ・ボランティアの育成と安定した居場所づくり

団体名

フリースクール「ヒューマン・ハーバー」

事業目的

(1) フリースクールの活動を継続させるために、財政の安定化とフリースクールを支えるスタッフの人員確保が必要です。

(2) 将来的にも子どもたちの健やかな成長を保証する為に、スタッフのスキルアップ研修が組織基盤を強化する上でも重要課題となります。

事業目標

(1) 子どもの心に寄り添えるスタッフ及びボランティアスタッフの教育と人数確保。

(2) 常勤スタッフ2~3名とボランティアスタッフを3名から5名に増加させて活動の幅を広げたいです。

(3) メンタル的な知識と行動力がスタッフには求められるので、研修内容を充実させていきます。

事業概要

(1) スタッフ・ボランティアスタッフ養成研修会(講座:3日間全6講座)

スタッフ及びボランティアスタッフ希望者10名対象に、「不登校とは」「具体的なコミュニケーションの取り方」、不登校の事例検討、メンタル面の事例検討、ロールプレイを実施しました。

(2) スタッフ・ボランティアスタッフフォローアップ研修(月に1回3日間全6講座)

コミュニケーション研修、メンタル面の事例検討、ロールプレイを実施。養成目標の確認方法として、フォローアップ研修を行い、スタッフ・ボランティアスタッフのメンタル的なサポートをしました。

(3) 他団体スタッフ交流研修(他団体スタッフと交流・意見交換)

(4) 1年間の研修活動についてまとめ、スタッフ・ボランティアスタッフで成果を共有

個々のスタッフが子どもとの関わり方に対する自分自身の変化を振り返り、スタッフとしての今後の目標を明確にする時間を共有しました。講師が研修期間中の総括を行い、継続した自己研鑽の場の確保と必要性を伝えました。

事業の成果と課題

 スタッフ・ボランティアスタッフ養成研修会のチラシを配布した時は、何人の参加者が集まるかとても不安でした。最終的に研修会申込人数が14名に増えたので、関心の高さを認識しました。
 参加者の年齢層が大学生から社会人までと幅広く、当団体のホームページを見た方からの申し込みが多かったです。スタッフ・ボランティアスタッフ養成研修会開催により新たなネットワークが広がり、今後の活動において大切な基盤となりました。
 常勤スタッフ2~3名とボランティアスタッフを3名から5名に増加させる目標は、常勤スタッフ3名とボランティアスタッフを11名に増加させることができ達成できました。
 組織基盤強化の目的である、子どもの心に寄り添えるスタッフ及びボランティアスタッフの人数を今回の研修で確保できたことは成果の一つです。
 スタッフ及びボランティアスタッフのスキルアップについて、研修会参加者からは“研修に参加して学ぶことが多く、今後に活かしたい”という意見を頂き、講師はロールプレイ・意見交換をファシリテーションするなかで、参加者の傾聴能力が目覚ましく成長できたと感じました。
 今回の研修会を通して不登校の実情をより深く理解した上で、子どもたちとの接し方や話し方や寄り添うことの大切さを、参加者全員が実感できていると認識しています。
 2ヶ所のフリースクールとの交流を通した研修では、それぞれのフリースクールのカラーや、居場所の在りようを感じることができ、日頃感じていたスタッフとしての悩みや喜びも共有し、今後の活動への意欲を高めることが出来ました。特に子どもたちや親との関わり方に不安も持っているスタッフは、実際に見聞きする事で目指す方向性や自信を持つ事が出来た研修となりました。
 1年間の取り組みを通じて良かったことは、スタッフ・ボランティアスタッフの人数が増えたことで、通ってくる子どもの数が増えました。スタッフ増員は子ども一人ひとりにきめ細やかな対応が可能になり、目標である子どもの心に寄り添うスタッフに近づくことが出来ました。今までのスタッフにとって、新しいスタッフ・ボランティアスタッフが参加してくれることにより、気分も一新し、新たな気づきなど意識向上にも繋がり、活動内容もステップアップしました。
日々、活動に追われ時間的な余裕もないまま過ごすスタッフが、今回の講義や具体的なロールプレイを体験したことは、スタッフ・ボランティアスタッフ資質向上の最初の第一歩になりました。学び体験したことが今後如何に実践に結びついていくか経過が楽しみです。不登校を体験した子どもたちは豊かな個性を持っています。それぞれの個性を尊重し、子どもたちの主体的な活動に寄り添えるスタッフとして、いかに力量を発揮していくかが今後の課題です。特に所属する子どもたちのメンタル面や家庭の複雑な事情、経済面など抱える問題は山積みですが、スタッフが身に付けたスキルを生かして、子どもたちと共に楽しく活動する自信に繋がる研修になったと思います。

今後の取り組み方針

 スタッフ・ボランティアスタッフスキル別プログラム、不登校相談会・フリースクール説明会・講演会或いは不登校経験者・当事者シンポジウム開催を中心として、地域への情報発信と不登校事情の理解を深めて頂く講演会開催など数多く企画していきます。県内約1,260名の不登校の子どもたちや親は学校外の学びの場としてのフリースクールの存在や関わり方、子どもたちの将来に不安を抱える背景のなか、子どもの本音、親の本音、識者による不登校の実態などを伝えると同時に、様々な活動を支えるスタッフの資質向上は重要課題である為、短期事業としてではなく継続事業として、今後もこのようなスタッフスキルアップの機会を作っていく予定です。
 組織基盤強化は多様な個性を持った子どもに寄り添えるスタッフ及びボランティアスタッフの資質向上と人数確保がフリースクールの将来を安定させます。メンタル面の支援は子どもに対してだけではなく、親に対しても必要なため専門的な研修内容を1回目以上にブラッシュアップし、スタッフと子ども、親との関係も強めていきます。不登校相談会・フリースクール説明会・講演会開催など情報発信は、認知度を高め財務面の強化にも繋がっていくと思います。
 組織基盤強化の目標として、常勤スタッフ3名、ボランティアスタッフ11名、事務局員の確保と定着を目指し広報活動も強化していきたいです。組織基盤が強化されれば、県内1,260名の不登校当事者への入会促進や受け入れ可能なスペース(居場所)の移転も実現可能です。将来的には学校へ行かなくなった子どもの受け皿としてだけではなく、卒業後の仕事へ繋げる職業体験活動も導入していきたいと思います。職業経験が豊かで様々なスキルを持った地域の大人たちとの交流も子どもたちの将来の為には必要になってきます。今後は職業体験の機会や、居場所内で技能を磨く機会も増やし、次へのステップアップの場として機能させたいです。