助成を受けられた団体(子ども)

子ども分野・2010年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

子どもの育つまちづくり事業強化のための運営スタッフ育成および事務局体制整備

団体名

特定非営利活動法人 ぴっぴ

事業目的

(1) 学齢期以降の年齢の児童を対象とした保育活動や保育以外の事業に対し、共通認識をもち、事業の実施能力を高め、今後、より幅の広い年齢の子どもと、親の支援のできるスタッフ育成をする。

(2) 事務局として独立した機能をもつことができずにいたことを改め、今後の事業の拡大のために、事務局機能の整備と事務局専任スタッフを育成する。

(3) 第3世代メンバーによる基盤を作って、新たな拠点作りと活動の強化をすることをめざし、第1、第2世代メンバーとともに、組織活動を引き継いでいく。

事業目標

(1) 事務局専任スタッフの採用と育成による事務局機能の整備と強化、団体組織全体の基盤強化をする。

(2) スタッフおよびボランティア間の意識共有とスキルアップすることによって、多様な問題を抱えている幅広い年齢の子ども支援と親支援を実施できるようにする。

(3) 地域支援を担えるスタッフとして、現在のスタッフと、新スタッフが中心になった、子どもの育つ地域づくり事業の運営チームを育成、2010年度の「こどもまつり」事業の企画実施をする。

事業概要

(1) 事務局スタッフの採用と育成による事務局機能の整備と強化

○新事務局の立ち上げ
○新スタッフ育成指導
○事務局技能取得のための外部講座の受講

(2) スタッフ、ボランティア間の意識共有とスキルアップ研修

○ぴっぴの未来を描く研修
○発達障害研修
○シェアリング研修

(3) 「子どもの育つ地域づくり事業」運営育成

○現スタッフ、新スタッフとが協働して運営グループを立ち上げ「こどもまつり」を地域の連携のもとに実施する。

事業の成果と課題

(1)新事務局スタッフを迎えて、基盤強化に取り組み、大きな成果となったことは、これまで、ぴっぴのこれからの活動として「認可外保育所の移転場所」を探すことであると漠然と認識していたことが、今年度この事業に取り組んできたことで、課題は、固まりつつある「子ども・子育て新システム」という新しい制度をしっかりととらえられる、NPOの「子ども園」を開くことであるという方向に将来ビジョンをしっかりと定められたことである。スタッフにとっては、3年後、5年後、10年後のぴっぴの活動について、明確な姿を描くことができないことによって、将来的な展望も見えないぴっぴの活動に今後も関わることが不安で、安定した保育士の職を求める原因にもなっていた。まだ、拠点を絞れた段階ではないが、舵が定まったことで、ぴっぴの活動に対する意欲や共通の理解を高め、さらなる事務局整備へと向かうことができることになった。

(2)事務局基盤を整備することによって、広報力にも力を入れる事が出来た。特に、新拠点探しでは、ぴっぴが今後も地域に必要とされている活動であることを伝えていく手段としてアンケート調査を実施し、利用者からの応援メッセージなども集めたことで行政からも評価を得た。
ぴっぴの方向性を示し、親からのニーズが高く、地域で求められている活動であること利用者や行政にもアピールし、賛助や寄付を得ることにもつながった。ぴっぴ内部でも結果をシェアすることで、改めて、ぴっぴの活動を見直す機会となった。

(3)子育て真っ最中の第3世代スタッフを事務局スタッフとして迎えたことで、親のニーズをより正確に把握した事業「子育てをもっと楽しく! 子育て力アップセミナー」に第1世代、第2世代スタッフが一緒に取り組むことができ、成果を得た。また、この活動がきっかけとなって、新たな第3世代スタッフとして関われる人材を得る事も出来た。

(4)子どもまつりの実施を多人数の運営育成チームをつくり、学齢期以降の子どもたちもぴっぴの活動の対象であることをぴっぴスタッフ1人1人が理解し、実施の能力をつけていくことに取り組めた。採用した事務局スタッフ1人以外はすべて保育スタッフであり、「活動対象は乳幼児と親。自分の仕事は保育である」ととらえて、ぴっぴの活動を「保育」と「保育以外」ととらえるスタッフも多いのが現実ではあるが、ぴっぴの目指す子育て支援、「子ども園」への将来に向け、学齢期以降の子どもと親の支援、長期的にこどもと子育て関わることにも力をつけていく必要がある、地域との連携も必要なのだということを、実際に、まつりという楽しい現場を通して、感じる事が出来たと思う。ぴっぴを巣立って成長したぴっぴっこOBの小学生や中学生と出会い、楽しんでまつりを作るという取り組みそのものが、スタッフ育成の場となった。

(5)事務局スタッフとして、優秀な人材と出会えた。第1世代、第2世代スタッフとは年代も違い、また、保育スタッフではなく事務局スタッフとしてぴっぴの活動に新たな人が加わったことで、内部では、「余裕のある会計ではないのに、どうして事務局に人件費が必要なのか?」「何をする人なのか?」など、これまでにはない新しい立場のスタッフを受け入れがたい見方もあったが、OJT指導を通して、活動や事務仕事を知っていくだけではなく、お互いの理解を深める事ができた。これまで、事務局がなく、スタッフと代表との間には、気持ちの違いやズレなどがあって、このことが、活動への意欲の低下にもつながっていたと思われるが、新事務局としてOJT指導を受けながら、双方の気持の隔たりや、ぴっぴとしての理念や未来の活動に対する思いなどのすりあわせなど、これまでできなかった大事な役割も担っていた。採用した事務局スタッフは、これまでも自身の子育てサークルを立ち上げて活動していたが、ぴっぴの活動に関わり、新事務局としての役割を担っていったことで、これまでの自身の活動とぴっぴの活動をオーバーラップさせて、将来的な将来展望を描くようになったと思われる。時間的な制約も大きく、事務局スタッフとしての仕事量は、まだ高くはないが、ぴっぴの中長期的な活動基盤の土台づくりをしたといえる。なかなか、事務局スタッフとして力をつけるために外部のスタッフ講習を受けることは難しかったが、本事業の中の中間報告インタビューを受けたことで、事務局スタッフとしての役割について、基盤強化として何をすべきなのかなどを勉強できたことは、大きな力となった。

今後の取り組み方針

 今年度は採用した事務局スタッフに対して、OJT指導によって育成指導を行ってきた。今後は、その成果を生かして、新事務局として、さらに、スタッフ間の意識共有、新しい拠点探しと財源の検討、情報収集や発信、先進事例の視察、賛助者の拡大、行政や企業等との関係づくりなどを目標に取り組み、新制度となる「こども・子育て新システム」をしっかりととらえて、「こども園」を開くことのできる新しい拠点を得る。
 そして、地域の子育ての新拠点としてぴっぴの活動を発信していくために、乳幼児の保育だけではなく、地域の頼れる子育て支援の担い者として、よりひろい子育て支援への高い意欲がありスキルをもったスタッフの人材育成をしていく。