助成を受けられた団体(環境)

環境分野・2011年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

ゴミ調査データを用いた社会発信のモデル的実践

団体名

特定非営利活動法人 荒川クリーンエイド・フォーラム

助成事業の概要

 本団体が、設立以降蓄積してきた、荒川流域のクリーンアップの経験知とごみに関するデータは、河川環境保全や市民活動の変遷を理解する上で大変貴重なものである。しかしながら、それらのデータを有効に活用する術が確立されておらず、また、本団体の活動財源は国の補助金への過度の依存が続いており、かねてより収益基盤の強化が急務であった。そこで、本助成事業では、蓄積してきたクリーンアップ活動のノウハウや流域ごみのデータを活用し、他クリーンアップ活動団体とも連携する中で、企業向け有料プログラムの開発を目指した。具体的には、荒川流域のゴミデータの情報整理の仕方、活用方針、発信手法を検討し、製造・流通・小売業界・利用者その他社会に対して、荒川環境保全の社会的インパクトのある発信を実践した。また、マーケティング戦略を立案、企業向けツールを充実させ、開発した企業向けプログラムの営業を実践、自主事業の拡大を図った。

助成事業の取り組みで得られた成果

(1) 大方針の明確化

ゴミデータの集計という、従前は形式的に行っていた事務作業(現状把握)が、『発生抑制』という新たな活動スキームを生みだした。これは、他の河川のクリーンアップ活動団体にはあまり類を見ない。このことから、当会には、「数えるゴミ拾い」という当会独自の清掃手法を社会に発信、波及させていく意義と使命があるという認識を強くした。開発したプログラムについては協働相手によって採算性も取れない箇所も一部存在するが、当会の理事を含む全ての荒川クリーンエイド参加団体が目指す目的を明確に表現できるようになった。

(2) 個別の成果[1]寄付

米国に本部がある外資系企業から数百万円単位の寄付金をいただくことができた。また、別の外資系企業からは、80名程度の部門メンバーから計16万円を超える寄付を得た。当会の目的、活動内容、ゴミ拾いの大方針に共感いただいた所以であろう。
[2]人材育成
外部の方々の意見を聞くことにより、当会単体では収集することのできなかった、新たな知見が組みこまれ、広い視野をもって、循環型社会・3Rを俯瞰できるようになった。メディア向けの情報発信や研修のファシリテーションなどを個別の担当者が協力し合う中でも、手順については一通りの共通理解が得られるようになり、これまでの課題であった業務の属人化も回避できるようになった。

助成事業の総合評価

 企業またはメディアに対して魅力的かつインパクトのあるプレスリリースを実施し、WEB、テレビ(3社)、新聞(7紙)、雑誌(1誌)などに掲載された。企業向け研修プログラムは、震災の影響で敢え無くキャンセルになってしまった数社を入れれば、2010年度実施回数3回を大幅に上回る7回実施予定であった。本事業で作成した研修提案書の成果である。また、「マイボトルdeゴミ拾い。」に代表されるキャンペーンのメッセージを、参加者レベルにも分かり易く広報資料に落とし込むことができた。但し、マイボトルの持参率が3割と必ずしも参加者の行動変容を促せたとは言えない。会員とのコミュニケーションが不足していたことなど、今後の課題が浮かびあがってきた。

今後の展望について

(1)ゴミデータを用いた社会発信スキルの向上

発信する内容だけでなく、発信のタイミングや、新聞社等メディア担当者と有効な関係を築くことが重要であることがわかった。今後は、当期で築いた担当者との関係を更に深めるとともに、まだ取り上げられたことがない新聞社や局とのネットワーク構築を模索していきたい。

(2)社員研修の充実

ゴミの発生抑制を主眼にしたプログラムを提供することができた。けれども、発生抑制など環境関連のトピックは、社員研修を主とする人事部にとっては重要との認識には至り難いことが分かった。それを踏まえて、次年度より、企業の人材育成に有効な他の切り口、例えば、チームビルディングなどが効果として得られるプログラムを検討する。一般的あるいは先進的に、企業の人材育成に有効な手法を取り入れることで、荒川クリーンエイド事業のプログラムとしての深みを追求していきたい。

事務局より

 本助成事業により、当団体が長年蓄積してきた荒川流域のごみデータやクリーンエイド事業のノウハウや経験知を、どのような社会課題の解決に活用するのか、また、それをどのような切り口で社会へ発信していくのかという大変重要な事業方針を明確にできています。今後は、その事業方針「散乱ゴミ数ワースト1になったペットボトルゴミの削減」を基軸にして、荒川流域の自然環境保全活動に更なる市民参加を促進するとともに、企業向けに開発した社員研修型ワークショッププログラムを充実させ、提案活動を重ねて提携企業の拡大を図り、経営基盤を強化、持続的に発展できる組織への成長を期待します。