助成を受けられた団体(環境)

環境分野・2011年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

アースウォッチ・ジャパン中長期計画の策定事業

団体名

特定非営利活動法人 アースウォッチ・ジャパン

助成事業の概要

アースウォッチは、科学的野外調査へのボランティア派遣活動を行う国際NGOであるが、広く一般にその活動を知らせる手法や機会が少ないために、新たに環境に関心のある層へと支援の輪を広げることが難しい状況であった。そこで①本団体のステークホルダーである現会員200人及び元会員800人に対してのアンケート調査、②外部アドバイザー(サービスグラント)協力の下、企業2社・研究者3人・会員10人に対し第三者的な立場からの率直な意見聴取を行った。その後その結果を分析し、中長期計画及び短期アクションプランを策定した。

助成事業の取り組みで得られた成果

(1) 中長期計画及び短期アクションプランの策定

組織の発展目標を短期的には「認知度向上期」、中期的には「ブランド構築期」、長期的には「成果創出期」と定め、それらを達成するための中長期計画と短期的な目標達成に向けたアクションプランを策定した。さらに隔月で開催する中核メンバーの検討会で、各プラン担当が進捗状況を報告するものとして、年間の活動計画にもアクションプランの実行を位置づけることができた。

(2) 運営上の課題や改善すべきサービスの明確化

ステークホルダーのニーズを分析することで、改善すべき運営上の課題や改善すべきサービスなどを明確にし、それらを具体的に落とし込む方法やそのための体制や仕組づくりが達成できた。

(3) 組織内の意識共有化

中長期計画を中核メンバーと共に作り上げたことで、組織が一丸となって進むべき方向性と道のりが定まり、組織改善の意識が共有化され、基盤強化につながった。また、計画策定により効率的な運営の仕組みが出来つつあることも大きな成果の1つである。

助成事業の総合評価

外部コンサルタントによる客観的な視点と、組織の中核メンバーによる現場の視点がうまく調和したことにより、現実に根ざした計画が策定でき、その上で年間の活動計画にアクションプランの進捗状況報告や検討を組み込む着実な運営の仕組みが構築された。
また、中期計画を策定するプロセスにおいて、ステークホルダーのニーズや課題を中核メンバー全員が把握し、参加型運営体制が整えられた。さらに中長期計画と短期アクションプランが明確になったことで、組織として今後どう動けばいいかが明確になり、計画的で効率的な運営体制ができるようになった。以上のことから、応募時の目標である「課題と対策の明確化や体制強化」は、本事業により達成されたと思われる。

今後の展望について

中核メンバーと共に短期アクションプランを策定し、役割分担のもと計画を進めているが、短期目標である「認知度向上」に向けて多くの課題が残っている。まず、今後多くのステークホルダーを活動に受け入れていくには現在の組織運営体制では困難であり、プロジェクト運営やサービスなどを拡充・向上させていくためには、ボランティアによるサポートを中心に据えた運営システム構築が不可欠である。そのため、事務局内の業務全般を整理し、ボランティアに委ねる業務を洗い出すことにより、ボランティアにとってやりがいがあり、同時に本団体にとっても効率的な「ボランティアマネジメント・システム」の構築を次年度の本助成継続事業として取組んでいきたい。

事務局より

 専門家が実施する野外調査に、ボランティアを派遣するというプログラムを運営する本団体は、参加費収入が主たる財政基盤であり、環境NPOに多く見られる「助成金依存」が低いことは大きな強みだと思います。プログラムへ参加するボランティア数が伸び悩んでいることで、外部からプロボノを導入し、既存会員や退会者、支援企業等へのアンケート調査し、団体を支えてくれる顧客やステークホルダーのニーズを調査、分析したプロセスは、今後の発展の大きな礎となるでしょう。野外調査に参加するコアな顧客層以外に、ちょっと関心があるレベルの初心者をどう野外調査参加まで顧客ステージを引き上げるか、Webや説明会等々で、参加せずともプログラムの良さをどう伝えるか、プログラムメニューの充実とプロモーションの工夫を一層期待したいと思います。