助成を受けられた団体(環境)

環境分野・2011年に取り組んだ組織基盤強化事業 報告書(概要)

事業名

農山村地域において継続的に活動を行うための中期計画づくり、組織力アップと地域財を活かした魅力あるプログラムづくり

団体名

特定非営利活動法人 自然体験共学センター

助成事業の概要

活動開始から約10年が経過し、事務局運営が理事長主導から若手の事務局長主導へと段階的にシフトしていく中で、継続的な事業展開のための中期計画が策定されていないことや、組織内に人材育成の教育体系が整っていないこと、また活動を行う地域財の掘り起こしやそれを活用したプログラム作りができておらず活動の質が高められていないなどの課題を抱えていた。そこで、本事業では外部アドバイザー協力の下、[1]集客力低下の原因分析及び3ヵ年中期計画(2012~2014年)の策定、[2]人材育成の教育研修体系の構築、[3]地域財を活用した川と森のプログラムづくりを行った。

助成事業の取り組みで得られた成果

(1) 集客力低下の分析、及び3ヵ年中期計画(2012~2014年)の策定

集客力低下の要因分析の結果、[1]競合団体が増加していること、[2]社会のニーズやマーケットの変化に対する認識の甘さと広報力の弱さに原因があることが判明した。これにより、アンケート調査の重要性を再認識し、これまでの広報手法の見直しを検討するに至った。また、中期計画においては、これからの10年を団体の社会的に飛躍する期間と位置づけ、組織基盤の強化に取り組み、地域に根付きながら子ども達の自然体験活動を行う団体として、活動に関わる大人も共にチームになっていく必要があるという認識を持ち、中期目標を策定することができた。

(2) 人材育成体系の構築

就業規則を持つことの重要性を認識し、外部アドバイザー助言の下、今までバラバラと存在していたルールをまとめ就業規則を策定できた。また従来は職員の業務・能力評価は実施しておらず、自然学校職員として必要な要素や能力についても基準がなかったが、評価シートを作成・導入し、それを基にした業務評価と給与や研修システムを連動させる体系を構築。職員がモチベーションを上げ、キャリアアップを図りやすい環境を整えられた。

(3) 地域財を活動した魅力あるプログラムづくり

これまで地域財を活かしたプログラム開発があまりできていなかったが、今回、長年森や川で活動されている外部講師と共にプログラム開発を行えたことで、今まで感じたり、考えられなかったことへの気付きがあった。またこれからのプログラム開発に大いに役立つ具体的なアドバイスも得ることができた。

事業全体を通じて、これまでの10年の成果と課題を、これから事務局運営を担う若手の職員が中心となり議論し、中期計画や就業規則を作ることで、団体としてのあり方や、社会に対して自分達が果たすべき役割や事業展開の方向性などについてお互いに認識しあう場となり、職員の意識変化へと繋がった。また、多くのアドバイザーに関わっていただくことで、それぞれの経験に基づいたノウハウを聴くことができ、今後の事務局運営や事業運営の参考とすることができた。

助成事業の総合評価

成果として作成した中期計画や就業規則、プログラムは、他の自然学校から比べると未熟なものであるかもしれないが、今いる職員同士で話し合いながら、お互いに迷い、悩みながら、これからの共学センターのあり方などについて共通の認識を持てた事は大きく評価できる点である。また、今までの10年は理事長が作ってきた10年であるのに対し、これからの10年は若い世代の事務局を担う正職員がお互いに協力し、力を合わせながら作っていき、農山村に根付きながら子どもを中心にした様々な体験活動や教育手法を通じてミッションである「地球と地域の持続可能な社会の構築に貢献」できる団体へと意識が変化していったことも大きな成果といえる。

今後の展望について

職員同士で議論し合った集大成である中期計画を実行に移せるか、またそれぞれ立てた中期目標をクリアできるかが、これからの大きな課題である。さらに、事務局運営が理事長中心から事務局長中心へと移行しつつある中で、これから10年、団体としての飛躍をいかに作り上げるか、そのための2012~2014年度の3年間をどう作っていくかを、職員が主体となりながら考え続け、実行していくことが、今後の組織運営において重要である。また、その意識を職員が持ち続けられるかが重要であると考える。

事務局より

設立から10年が経過した本団体は、これまで辻理事長が組織方針や事業計画などを決め、執行する体制でしたが、事務局運営を若手世代中心で担う体制へ移行するタイミングで本助成を受けられました。大きな課題の一つとして認識されていたのは、人材を継続的に育成する仕組みを組織内にどう構築するかでした。外部から日本エコツーリズムセンターの広瀬代表を招聘し、助言・アドバイスをいただきながら、人材育成の仕組み作りを構築し、諸々の人事関係の規定や評価制度が導入できたことは、組織として大きな進歩だったと思います。また、事業収入の増加を目指し、過去の利用者データやマーケット調査を行い、利用者減少の原因を分析できたことも、10年の節目に大きな意味を持つと思われます。理事長が半ば属人的に組織運営を担っていた体制から、若手メンバーが今後の団体のビジョンや中期計画を考え、組織として仕事のできる体制に徐々に生まれ変わりつつある本団体が、これから大きく事業を成長させ、地域に根ざし、地域に貢献できる団体となることを切に願います。