環境分野 選考委員長総評

特定非営利活動法人
国際自然大学校
理事長 佐藤初雄

2015年4月より全国6か所(北海道、福島、東京、大阪、岡山、福岡)で組織基盤強化ワークショップと公募説明会が開催されたところから始まった今年度のPanasonic NPOサポート ファンドは7月31日で締め切られました。今年度は、全応募件数が例年並みの28団体ありました。しかし、そのうち、3団体が選考対象外となり、選考対象は25団体となりました。その25団体のうち、新規の応募が17団体、継続応募は8団体であり、最終的には、組織診断助成が4団体、診断と基盤強化が1団体、基盤強化助成が2団体の合計7団体が新規助成団体となりました。また、基盤強化の継続2年目が2団体、3年目が1団体の合計3団体が対象となりました。

今年度も数多くの団体に応募いただき誠に有難うございました。審査の過程で毎年同じことを感じる訳ですが、この申請書類を書き上げることは並大抵ではありません。ただただ、字数を埋めればいいということではなく、その団体が行っている活動内容や理念が分かり易く表現されていなければなりません。
また、今回の助成事業に応募することにあたり、何が課題で、その課題に対してどのような解決策があり、その解決策をどのように行うことによって、団体の課題が解決され、どのような状況になることが予想されるのかといったことまでを書かなければなりません。状況分析や実行力など様々なことを考え申請書類を書き上げなければなりません。ここ最近の傾向として、かなりの大きな予算規模の団体や歴史のある団体の応募数が増えています。こうした団体は助成事業の申請にも経験があり、非常に的確に選考委員にも訴えかけるものも多いのも事実です。一方で、まだ歴史が浅く、助成事業の申請にも慣れていない団体にとっては多くの時間と努力をされている申請書類もありますが、残念ながら、他のものと比較しますと見劣りしてしまうのも事実です。

私たち選考委員もできるだけこうした申請書類を読み込み、その団体あるいは申請書類の記入者の気持ちを汲み取ろうと努力し、多くの時間をかけて議論し、選考してきました。その中から、候補団体を絞り込み、さらに事務局が直接その団体に赴き、様々な観点からの質問や団体の活動状況を確認し、最終的に選ばれた団体です。しかし、こうした団体はこれからが試練です。つまり、計画を実行し、組織の診断や基盤強化に実際に取り組み、組織変革をしていかなければならないのです。ここには、日常の業務と並行してあるいはそれ以上に時間と労力をかけていかなければなりません。変革とはそういうものだと思います。

助成が決定した団体も、残念ながら、今回の審査から漏れてしまった団体も社会的課題を解決していくためには、団体自身を成長させ、しっかりとした理念のもと活動を社会に提供していくことが役割だと思います。互いに切磋琢磨し、しっかりとした社会貢献をしていきたいと思います。

そのようなことが目に見える形となって、社会から評価されるよう互いに頑張っていきましょう。

<選考委員>

★選考委員長

佐藤 初雄

特定非営利活動法人 国際自然大学校 理事長 ★

粉川 一郎

武蔵大学 社会学部 メディア社会学科 教授

木村 真樹

コミュニティ・ユース・バンクmomo 代表理事/
公益財団法人 あいちコミュニティ財団 代表理事

冨田 勝己

パナソニック株式会社 環境・品質センター
環境経営推進部 環境企画課 課長