「私たちとは何者か」を問い、足元の「宝」に気づく NPOマーケティングフォーラム2012 ~挑戦し続ける組織に必要な学びと仲間が集まる場~

「NPOマーケティングフォーラム2012」を2012年12月1日、東京都江東区有明のパナソニックセンター東京で開催しました。
NPOサポートセンターとパナソニックは、2008年より協働で「Panasonic NPOサポート マーケティング プログラム(NPOマーケティング プログラム)」を実施しています。本プログラムでは、NPOがマーケティング力を身につけ、組織が抱えるさまざまな課題を解決できるようになることを目指し、マーケティングの研修と個別支援を行っています。

フォーラムの第1部では、4月からの9カ月間、「NPOマーケティング プログラム2012」に参加して新規事業開発、支援者拡大、ファンドレイジングなどに取り組んだ8団体のマーケティング導入事例が紹介されました。
そして第2部では、NPOを支援する専門家と発表団体、参加者が交流・意見交換する時間を設け、新しいアクションやプロジェクトをつくり出す場を提供しました。その様子をお伝えします。

組織と個人が手を組み、課題にぶつかり成長する 今日の出会いを、その力に。

フォーラムの開催にあたって、NPOサポートセンター理事長の山岸秀雄さんが挨拶をしました。

「私がNPOをアメリカから日本にもたらし、推進する活動を始めて24年になります。初めはよちよち歩きだったNPOも進歩を遂げ、あらゆる分野で専門性を発揮するようになりました。今日の出会いが、組織と個人がふれあい、手を組んで、成長しながらともに社会の壁に挑んでいく。そんな力になることを願っています」

NPOサポートセンター
理事長 山岸秀雄さん

パナソニック
CSR・社会文化グループ
金村俊治

続いて、パナソニック CSR・社会文化グループの金村俊治が挨拶をしました。

「パナソニックは2001年より、NPOの社会的インパクトを強くするために、組織基盤強化の支援に特化したプログラムを展開してきました。「NPOサポートファンド」の創設に始まり、「NPOマネジメント講座」、全国に組織基盤強化の重要性を広める「キャパシティビルディング ワークショップ」、企業人のスキルを活かしてNPOを応援する「プロボノ プログラム」、そして今日の「NPOマーケティング プログラム」があります。
この「NPOマーケティング プログラム」は、今年は4人の講師に大勢のサポーターを加えた強力な体制で、NPOのマーケティング活動を応援しています。組織にマーケティング力が備わると、さまざまな課題が解決できるようになります。全国に広げていきたいと考えていますので、皆さんもぜひ、その輪の中にお入りください」

第1部 NPOマーケティングプログラム2012 参加8団体による成果報告会

初めに、NPOサポートセンター事務局次長の田邊健史さんが、「4月に基本研修を実施し、その中から選考された8団体が6月に合宿研修を受け、実際にマーケティング施策を動かした後、中間報告会や個別支援を経て今日に至った」という、これまでの流れを説明しました。
続いて、プログラムに取り組んだ8団体がマーケティング導入事例を発表しました。

ICYE JAPAN
事務局長 宇梶朋子さん

1958年、キリスト教団体を母体に設立された特定非営利活動法人 ICYE JAPANは40カ国にネットワークをもち、ボランティアの派遣や受け入れを通して平和の実現を目指しています。
事務局長の宇梶朋子さんは、「2002年に母体団体から独立してNPOとなった頃から経営が悪化し、常勤スタッフの私一人が運営している状態だった」といいます。そこで環境分析を行った結果、「リターニー(ボランティアに参加して帰国したOB・OG)を活用できていない」ことに気づきました。

「リターニー主体のイベントを定期的に開催してリアルコミュニケーションの場を提供することと、みんなで運営に関わることを目標に掲げたところ、4人のスタッフと4人のインターンにも恵まれ、理事も運営に関わるようになりました」

特定非営利活動法人 APSDは南太平洋のソロモン諸島で、農業を中心とした地域の生活向上に取り組んでいます。その一環として、現地の蜂蜜を使った「ララ・ソロモン」という化粧品ブランドを立ち上げました。
事務局の佐藤亮さんによれば、これまでは「化粧品の顧客にNPOの活動情報を発信しても購入にはつながらない」と思い込んでいました。

「ところが、今回のプログラムで購入をやめた顧客に送るDMのA/Bテストを繰り返した結果、化粧品の成分よりも蜂蜜や活動の情報を掲載したDMのほうが売り上げやレスポンス率が上回ることがわかった。顧客にとっての価値を改めて知る、いい機会になりました」

APSD
事務局 佐藤亮さん

Grow As People
代表理事 角間惇一郎さん

一般社団法人 Grow As Peopleは、夜の世界で働く女性をメインにサービスを提供しています。
代表理事の角間惇一郎さんはステークホルダーのヒアリングを通して「彼女たちは自分を弱者だと思っていないし、支援者が誰でもいいわけではないことがわかった」といいます。
「そんなとき、借り手のない物件を女性のシェアハウスに再生するプロジェクトの一環で、不動産屋から来たデザイン依頼を女の子に任せてみたら好評でした。そこから、彼女たちの視点を生かす『Crejoデザインプロジェクト』が生まれました。受け入れられたという体験は、次の一歩を踏み出す自信にもつながります」