※本ページの内容は、掲載当時の物です。社名や組織名など現在とは異なる場合がございますので、ご了承ください。

NPOマーケティングプログラム2015 NPO「マーケソン」が走り出しました!

主催:特定非営利活動法人NPOサポートセンター 共催:パナソニック株式会社/多摩大学総合研究所

マーケソンとは?

マーケティング × マラソンで組織基盤をしっかり強化!

今年で第8回を迎えたNPOマーケティングプログラム。今回は「マーケソン」がキーワードです。NPOがマーケティング力を身につけるための7カ月のプログラムを、マラソンコースに見立てて構成しています。大きく「研修」と「個別コンサルティング」の2段階のコースになっており、プログラムを通じて各団体が抱える課題に対し、マーケティングのノウハウを駆使して解決する力を養っていきます。さらに今年度の大きな特徴は3つです。まず、NPOマーケティング・コンサルタントが親身になって個別支援をする「伴奏型支援」、次にPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを繰り返し高速で回転させることで、人々に喜ばれる本物のサービスを作る「高速仮説検証」、そして広報・PRノウハウを獲得するための「Web,SNS強化」です。この3つの支援によって、参加団体7団体の組織基盤強化をサポートします。今回は7団体約40名が参加します。

2015年参加団体:

伊能社中
キッズドア
ケンパ・ラーニング・コミュニティ協会
コムラボ
ヒマラヤ保全協会
ファミリーハウス
プレーパークせたがや

研修第1回目

研修第1回目は2015年5月10日(日)に行いました。プログラムの開催にあたり、まず主催団体であるNPOサポートセンタ―理事長・山岸秀雄さんからご挨拶がありました。
「このプログラムも8年目を迎え、NPOの皆さんの熱意、そして講師の方々を含む社会人プロボノの皆さんの献身的な支援が一体となり、「NPOマーケティング」という専門性の高い充実した内容に成長してきました。今日から7カ月間、皆さんとさらにプログラムを進化させながら過ごしていきたいと思っています。頑張っていきましょう!」

続いて、このプログラムを協働で実施しているパナソニックCSR・社会文化部よりご挨拶です。
「パナソニックは、社会課題の解決に取り組むNPOの活動が持続的に発展していくには、その組織基盤強化が必要があると考え、2001年からNPO/NGOの組織基盤強化の支援に取り組んでいます。このNPOマーケティングプログラムもその一環です。このプログラムでマーケティング力を身につけ、組織で活用し、さまざまな課題解決にマーケティングの手法で挑戦していただきたいと思います。」

いよいよマーケティング研修がスタート!

本プログラムの講師である多摩大学総合研究所教授・松本先生から「各自、自分の誕生日を絵だけで表現する」というお題から研修がスタートしました。描き終えると、参加者約40名が4つのチームに振り分けられ、絵だけを頼りに誕生日を推測し、誕生日順に整列していくというものです。その結果、なんと4チームとも見事、誕生日順に並ぶことができました。

基礎編1:マーケティングとはなにか?

ウォーミングアップでリラックスしたところで、いよいよ本題の第1回研修「マーケティングの基礎~マーケティング志向を習慣化する~」が始まりました。
まずはマーケティングとは何か?です。
「マーケティングは成果のためにあります。それは起源を紐解けばおのずとわかります。歴史的にマーケティングが必要になった状況は、①世の中や市場などの環境の『変化と競争』に適応しようとした時、②お客さんやニーズのある人を探して設定する『対象の選別』をする時、③今までにない商品を広めたり、社会を変えたりする『革新と啓蒙』をする時、の3つです。つまり、お客さんの意見を聞くだけでもダメ、自分たちの思いを押し付けるだけでもダメ。相互作用が大事なのです。」
その他、歴史的な事例とともにマーケティングの概要説明が行われました。

基礎編2:NPOにマーケティングが必要な理由

続いてNPOにマーケティングが必要な理由を学びます。
「現在、NPOは約5万団体もあり、競争が激しくなっています。たとえば一方は助成金が下りて片方は下りないといった目に見えない潜在的な競争です。これに勝つには当然マーケティングが重要です。また、皆さんの活動に影響を与える関係者(ステークホルダー)の共感、納得を得るためにもやはりマーケティングが必要です。NPOの皆さんは、ターゲットを『社会』に設定しがちですが、いきなり社会を変えることはできませんし、マーケティングでは社会は顧客になりません。」
「想い」と「成功」で突っ走ることが、新たな発想を邪魔しがちなことも例に挙げ、まず思い込みや先入観を捨てるところから始めることを呼びかけました。

基礎編3:マーケティング志向を習慣化する

「マーケティングはスポーツに近く、基本練習、戦術の獲得、練習試合を繰り返すことが大事です。今回のマーケソンでは本番に近い状況で練習試合をします。野球でもずっと素振りばかりしても試合に勝てませんよね。実践に近い状態で練習試合を繰り返すことで、マーケティング志向が習慣化します。歯を磨かないと気持ち悪いように、マーケティングをしないと気持ち悪い、という感覚になるでしょう」
さらに、論理志向、顧客志向、価値志向という3つのマーケティング志向の大切さなど、マーケティングの基礎を講義いただきました。

ケーススタディ

続いて昨年(2014年)、本プログラムを卒業した『NPO法人 JASH 日本性の健康協会』から、事例報告がありました。
「JASHは、『性の健康』を正しく社会に広めていく活動家や、それを応援する人々の集団です。しかし、昨年、NPOマーケティングプロラム受講前には、核となる事業や組織体制といった組織基盤がしっかりできておらず、目的はあってもどうアプローチすべきかわかっていませんでした。そこで、団体が何をしたらいいのかを明確にするためにプログラムに参加しました」
昨年度の研修では、組織を取り巻く環境の分析、自分たちの強み、顧客の設定、顧客にどのような価値を提供するのかといった基礎を学び、それに対して仮説を立てて検証を繰り返したそうです。
「まずは研修で、顧客を設定しました。私たちの場合、それは学校の保健室の養護教諭でした。さらに、企画内容(価値、価格、流通方式、プロモーション)を議論した結果、性被害者やLGBTsの当事者のスピーカーとなる当事者の声『リアルボイス』を学校の保健室にいる養護教諭に届ける活動と、スピーカーのメンタルケアや外部からの誹謗中傷の対策という2つの企画が立ち上がりました」
仮説と検証を繰り返すことで、それまでに組織にはなかった数字による成果把握ができるようになったそうです。
「研修を重ねていく中で、思い込みが間違っていたことに気づく場面が多々あり、最終的には設定した顧客のニーズにきちんと答えられるアプローチを構築することができました」
最後に、本プログラムを受けて一番組織が変わったことは「JASHの使命はなにか、どの方向を向いて歩いていくべきかということをメンバーで何度も話し合うことができ、共有認識が生まれた」ことだそうです。今では、各メンバーが持つ強みを生かし、その役割を邁進することができるようになったとのこと。JASHの今後ますますの活躍が期待されます。

『NPO法人 JASH日本 性の健康協会』

マーケティングプロセスの実践

午後からいよいよ「マーケティングプロセスの実践」です。
マーケソンでは、仮説⇒-検証⇒学習を高速で何度も回し続けて、全体として大きな1つのサイクルを作っていきます。実践を前にして、松本先生から大事なポイントを示唆いただきました。
「ここでは失敗を恐れないでください。むしろ仮説と検証では何度も失敗をして欲しいです。早めに失敗することで学び、次には必ず良いものに変わっていきます。失敗したことをぜひ自分たちの教材にしてください」
実践では、団体を取り巻く外部環境を分析するシートを作り、次に団体の影響力をとらえる内部環境を分析するシートをつくります。外部環境分析シートでは、各団体に影響を与える外部要因をピックアップ。さらに団体に影響を与える関係者(ステークホルダー)を精査していきます。それらを付箋に書き込み、1枚の大きな模造紙に貼って環境分析シートを作成していきます。次に内部環境分析では、徹底的に自団体の強みを顧客からの視点で考えていきます。自団体の思いを顧客が感じる価値として捉え直すトレーニングです。その強みを元に顧客の設定をしていきます。
各団体、白熱した議論を重ね、マーケソンの伴走者たるサポーターの皆さんに相談しながら、短時間で3枚のシートを仕上げていきます。最後に、団体ごとに全員の前で完成したシートを掲げ、今日取り組んだ流れに沿って発表しました。松本先生や他団体からの鋭い突っ込みや質問を受けながらプレゼンテーションを行うことで、さらに自分たちの組織の存在意義や向かうべき方向性を見直すきっかけになったようです。

参加団体の意気込み

VOICE1 NPO法人 コムラボ

コムラボ栃木県足利市で、「地域のヒト、コト、モノがつながる、つたえる、つくりだす」活動をしています。マーケソンを通して、我々に足りない部分を明確にしていきたいと思っています。組織の目標としては、きちんと収益のあがる事業展開にまで結び付けられるようにしていきたいと思っています。

NPO法人 コムラボ

VOICE2 認定NPO法人 ファミリーハウス

ファミリーハウスは小児がんや心臓病などの重い病気の子どもと家族が東京での治療を余儀なくされるとき、家族が介護のため、あるいは子どもたちが外泊をゆるされたときに帰る第二の我が家です。活動を始めて25年になりますが、医療の変化とともにニーズが変わり、病院近くにハウスを建設する必要性がでてきました。そのハウスを継続的に運営していくための財政基盤を強化する必要があり、プログラムに参加しました。課題は、今の寄付者層に加え、新しい寄付者の層を拡大すること、引いては我々の活動がより多くの人に広まり、共感をえられるようになることを目標にしています。

認定NPO法人 ファミリーハウス

VOICE3 NPO法人 キッズドア

キッズドアキッズドアは経済的に苦しい困窮家庭、生活保護家庭、ひとり親家庭、児童養護施設や母子生活支援施設、被災地で暮らす子どもたちなど、さまざまな苦境にある子どもたちが将来に夢や希望を持って活躍できるように支援しています。教育支援活動は、ボランティアの力なくしてはできないため、人材の確保と、いかにモチベーションを保ちながら活動を続けてもらうかがが課題です。マーケソンを通してその課題に向き合い、私たちを必要とする子どもたちのために学習支援事業をさらに充実させていきたいと思います。

NPO法人 キッズドア

NPOマーケティング プログラム 2015 今後のレポートの予告

12月5日(土)には、7カ月間の成果を発表する「NPOマーケティングフォーラム」を開催します。各団体の取り組みと成果は、1月にまたレポートします。乞うご期待!