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「エコサントイレ」設置キャンペーンを展開
活動の認知と支持者の拡大に向けて広報基盤を強化

環境衛生式トイレ、エコロジカルサニテーショントイレである「エコサントイレ」の建設を通じて、村の衛生環境改善と収入創出に向けた活動を展開する公益社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)。2014年から「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ」を通じて、広報活動を通した継続的な支援者の拡大と組織基盤の安定化を目指している。

トイレの建設で衛生環境の改善と農業生産性の向上を目指す

写真:公益社団法人 日本国際民間協力会(NICCO) 広報担当 福島 美樹さん

公益社団法人
日本国際民間協力会(NICCO)
広報担当 福島 美樹さん

東アフリカの中心国として、近年、高い経済成長率を誇るケニア。しかし、農村部には発展から取り残された村もある。NICCOが活動を行うブシアンガラ村も、そのひとつ。人口の90%が農業で生計を立てているが、安全な水へのアクセス、感染症の蔓延、土壌劣化、低い農業生産性など、さまざまな問題が慢性的な貧困の原因となっている。

マラウイで7年にわたり「エコサントイレ」の建設を通して衛生環境改善と収入創出に取り組んできたNICCOは、その経験を生かし、現在ケニアでエコサントイレを活用した農村支援を行っている。エコサントイレは、地面の上に建てた高床式のトイレで、雨によって便や尿が流れ出さず、汚水による水資源や土地の汚染を防ぐことができる。便には灰をかけ、半年間ほど便槽に寝かせて殺菌し、たい肥として使用。便と分けて回収する尿も、水で薄めて液肥として利用することにより、高価な化学肥料を使用することなく、畑の収穫量を1.2〜2.5倍に増やすことができるのだ。

NICCOは、現地の人たちが自分たちの力でエコサントイレを普及させていくことを目標にしているため、エコサントイレの作り方は教えるが、実際の建設は現地の村人たちが行う。

写真:村人によるエコサントイレの建設

村人によるエコサントイレの建設

写真:高床式のエコサントイレ

高床式のエコサントイレ

テーマを絞り、Webと対面、2本立ての広報活動を展開

NICCOは、アフリカだけでなく、中東、アジアなど多くの地域で活動を展開してきた。広報担当の福島美樹さんは「さまざまな活動を行っているため、活動をシンプルに伝えられていないという広報課題がありました」と振り返る。そこで、2014年に「Panasonic NPOサポート ファンド for アフリカ」を活用し、アフリカのトイレ建設に絞った広報活動を行うことにした。

2014年は、SNS等を活用し、エコサントイレの存在を知ってもらうため情報拡散キャンペーンを実施。しかし、一方的な情報発信に終わってしまったため、思ったほどの効果を上げるには至らなかった。アフリカにおけるエコサントイレ設置の重要性を理解してもらえなかったという反省から、2015年は、Webによるアフリカの課題情報発信と、対面式のイベント開催という2本立ての広報作戦を展開した。「Webと対面で、新しい支持者となる若者と、もっとつながりたいと思った」と福島さんは言う。Webに関しては、アフリカ特集Webサイトを開設するとともに、情報をシンプルに伝えるためのWebサイト全体の改修、広報スタッフのWebスキルの向上に取り組んだ。また、対面式のイベントでは、NICCOのキャッチフレーズ「駆けつける。そばにいる。」を略した「NICCOかけ・そばトーク」を開催した。

「NICCOさんといえば、アフリカでトイレの活動をしていますね」

2016年は、6回の「NICCOかけ・そばトーク」を実施した。エコサントイレのワークショップに加え、若者にできる国際協力をテーマにしたトークショーや、アフリカ諸国からの留学生との交流イベントなどを開催。次第にイベントに継続参加する人や、寄付申し込みをする人が増えていった。また、スマートフォン専用サイトを制作したことで、サイトの滞在時間が1人あたり43秒増加、アクセス数は170%増加した。

「パナソニックの広報に対する助成やアドバイスにより、広報活動を拡充することができました。いろいろな人から『NICCOさんといえば、アフリカでトイレの活動をしていますよね』と言われるようになったことが嬉しい」と福島さん。ウェブで関心を持ってくれる人を増やしつつ、関心を持ってくれた人を参加者・支援者に引き上げるために、今後もWebと対面2本立ての広報作戦を継続展開していくという。

[団体プロフィール]公益社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)

1979年の設立以来、途上国の人々の経済的・精神的な自立を図るため、アジア、中東、アフリカの世界21カ国で、(1)緊急災害支援、(2)環境に配慮した自立支援、(3)人材育成に取り組んできた。現在は、ケニア、ヨルダン、パレスチナ、アフガニスタン、ミャンマー、フィリピンに加え、国内では東日本大震災被災地と滋賀県にて活動を展開している。