CO2削減貢献量

2016年11月に発効したパリ協定は、世界の気温上昇を産業革命前から2度未満とする目標、1.5度未満とする努力目標を設定し、今世紀後半にCO2などの温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指すことを掲げています。これを実現するためには、CO2排出量を可能な限り減少させる必要があり、企業はこれまで以上にCO2削減に貢献していくことが求められます。
当社は、独自の指標CO2削減貢献量を導入し、商品(省エネ、創エネ)の削減取り組みを加速しています。CO2削減貢献量とは、2005年度から商品の省エネ性能改善がないと仮定した場合の想定排出量から実際の排出量を差し引いた量に、創エネ商品の発電による排出抑制量を加えたものと定義しています。この指標はCO2排出削減の継続的努力を反映でき、当社は今後も引き続きCO2削減貢献量の最大化を推進していきます。

商品の省エネ性能を高め、使用時の消費電力量を下げることで、CO2削減に貢献します。そして、省エネ商品をより普及させることによって、CO2削減貢献量は一層大きくなります。

省エネ商品による直接的なCO2削減貢献量:2005年度から商品の省エネ性能と生産効率の改善がないと仮定した場合の想定排出量から、実際の排出量を差し引いた量

a:2005年度販売商品の年間消費電力量※1×201X年度販売台数×CO2排出係数※2×商品寿命※3
b:201X年度販売商品の年間消費電力量※1×201X年度販売台数×CO2排出係数※2×商品寿命※3

※1 商品カテゴリの各地域で最多販売台数の機種を選定
※2 地域別のCO2排出係数(kg-CO2/kWh)は、0.410(日本)、0.487(欧州)、0.579(北米)、0.740(中国・北東アジア)、0.927(インド・南アジア)、0.527(東南アジア・大洋州)、0.332(中南米)、0.599(中東阿)を使用
※3 当社が定める補修用部品の保有年数

太陽光発電や燃料電池からの電気を使うことで、一般の火力発電所などから発生するCO2排出量を抑制することができます。当社は創エネ事業を発展させることで、創エネによるCO2削減貢献量を増やしていきます。

創エネ商品によるCO2削減貢献量:創エネ商品の発電による排出抑制量

a:201X年度に販売した創エネ商品の年間発電容量×発電量係数※4×CO2排出抑制係数※5×商品寿命※6

※4 太陽光発電の場合、1,204kWh/kW(2014年度以降)、1,193kWh/kW(2013年度以前)。日照条件やシステムの損失など、発電効率変動の要素を考慮済み
※5 太陽光発電の場合、0.360kg-CO2/kWh(太陽光発電協会の「表示に関する自主ルール(平成22年度)」より)
※6 太陽光発電の場合、20年間

一方、当社は2013年度以降、住宅や車載、B2B分野での事業推進も強化しており、2014年度実績からこの領域でのCO2削減効果を開示しています。具体的には、当社住宅の断熱性能向上による空調負荷の削減効果、当社の省エネ型コンプレッサやモータを搭載する他社製品による省エネ効果、当社製車載電池を搭載する電気自動車などによる燃費改善効果によるものです。2015年度実績からは当社製真空断熱材が用いられた他社製品による省エネ効果、2016年度実績からはHD遠隔会議システムによる人の移動削減などの省エネによるCO2削減効果も算定・開示しています。
なお、これらのCO2削減貢献量は、家電のようなパナソニックブランドの製品における直接的なCO2削減効果と区分するため、間接的な貢献と位置づけています。当社製品が支えている、他社製品のCO2削減効果を示しています。

2016年度、製品・サービスによるCO2削減貢献量は、5,269万トンでした。うち、直接的な削減貢献量は3,958万トン、間接的な削減貢献量は1,311万トンとなりました。

製品・サービスによるCO2削減貢献量:2016年度、製品・サービスによるCO2削減貢献量は、5,269万トンでした。うち、直接的な削減貢献量※7は3,958万トン※9、間接的な削減貢献量※8は1,311万トンとなりました。2012年度 直接的な削減貢献量:3,780万トン、2013年度 直接的な削減貢献量:3,882万トン、2014年度 直接的な削減貢献量:3,999万トン/間接的な削減貢献量:1,101万トン、2015年度 直接的な削減貢献量:3,985万トン/間接的な削減貢献量:1,047万トン。

※7 省エネ・創エネ商品によるCO2削減貢献量の合計
※8 住宅や車載、B2B事業分野でのCO2削減貢献量。2014年度実績から算出
※9 2016年度より家庭⽤エアコンは、年間消費電力量の算出に⽤いる基準(JISなど)を更新し、直接的なCO2削減貢献量を算定しています。従来の算定方法による直接的なCO2削減貢献量は4,203万トンです

有識者コメント

写真:東京都市大学環境学部教授 環境情報学研究科長 伊坪 徳宏 氏

東京都市大学環境学部教授
環境情報学研究科長
伊坪 徳宏

2015年に締結されたパリ協定を受けて、世界は産業化前からの気温上昇を2度以内に抑えることを目標として合意しました。最近の研究によれば、以下のような報告がなされています。

  • CO2排出量を今すぐ大胆に削減しなければ2度目標は達成できない。
  • 2015年から温室効果ガスの排出削減を開始すれば2度目標を達成できる見込みがあるが、5年遅れると温度上昇はおよそ2.5度に達し、10年遅れると2度どころか、3度以上上昇するものと予測されている。
  • 仮に、今すぐ排出削減したとしても、2080年にはカーボンマイナスにするほど速い速度で削減しなくてはならない。

長期間利用される電気製品は、使用段階の電力消費を極力低減することが至上命題です。原発に頼ることのできない現状から見ればなおさらです。パナソニックは早い段階から省エネ製品や創エネ製品を積極的に市場に供給することで、社会全体のCO2排出量削減に貢献してきました。2016年度における同社のCO2排出削減貢献量5,269万トンは、日本全体の排出量のおよそ4%に相当し、極めて大きな効果です。この貢献量が2010年度以降着実に増加していることは、同社が環境活動でイノベーションを一貫して継続していることの表れであるといえるでしょう。
最終製品のみならず、エネルギー効率の高い中間製品の供給やソリューションビジネスなど、同社が取り組む気候変動に対する緩和策は実に多様です。そして、ソーラーランタン10万台プロジェクト沿岸監視システムなど気候変動の適応策を積極的に実施している点も注目に値します。今後もあらゆる方向から気候変動対策に取り組むリーディングカンパニーとして世界を力強く牽引されることを期待します。