生産活動におけるCO2削減貢献

当社は、気候変動対策への貢献と、工場の生産性向上、エネルギーコスト削減を目的に、工場のCO2排出量削減に取り組んでいます。
2007年度には、全社の経営目標として、生産活動におけるCO2排出総量を2009年度に2006年度比で30万トン削減する目標を設定し、全社で取り組んだ結果、84万トン削減と大幅達成しました。そして2010年度からは当社独自の指標であるCO2削減貢献量を設けてさらなる省エネ体質の改善、CO2排出量原単位の低減に取り組み、生産活動におけるCO2削減貢献量の最大化を目指しています。省エネ・CO2削減施策としては、各工場単位の個別の取り組みに加えて、全社として優秀事例の横展開や専門人材の育成、CO2イタコナ活動※1を推進しています。2015年度は326万トンの生産活動におけるCO2削減貢献量(2005年度基準)を実現しました。 また、エネルギー消費量も年々減少しています。2015年度のCO2削減取り組みへの投資額は32億円※2でした。 その他、当社は2030年を目指した電機電子業界を挙げた温暖化防止の自主行動計画である経団連低炭素社会実行計画に参画しています。具体的には、業界が掲げる目標「2030年に向けて、工場と大規模オフィスのエネルギー原単位改善率 年平均1%」の達成を目指して、工場などにおける省エネを着実に進めています。また製品・部品による他産業の省エネへの貢献量拡大も図っています。

※1 当社の造語で、商品開発段階で商品設計上のムダを探す際に、商品の構成要素を板(イタ)や粉(コナ)にまで細かく原価分解してムダを発見する手法の考え方を、CO2削減に適用させたもの。単位生産量あたりのエネルギー使用量(エネルギー原単位)を連続的に見える化し、原単位の変動要因、最小の原単位で生産するための方策を分析・検討することによって、省エネの新たな切り口、施策を発見する活動
※2 CO2削減に関する投資はすべて含む。ただし差額集計あるいは按分集計を行っていない

生産活動におけるCO2排出量と原単位
生産活動におけるCO2排出量(地域別)
生産活動におけるCO2削減貢献量
生産活動によるCO2削減貢献量(地域別)
生産活動におけるエネルギー消費量

※3 各工場の名目生産高原単位の改善率を加重平均して算出。重みは改善がなかったと仮定した場合の各工場のCO2排出量を使用。2005年度の原単位を100として指数化
※4 2012、2013、2015年度原単位の増加は、取り組みによるCO2排出量削減を上回る、生産高減の影響によるもの
※5 燃料関係は環境省温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル(Ver2.2)の係数に基づく。日本の各年度購入電力の係数(kg-CO2/kWh)は、CO2削減取り組みの努力を正確に反映するため0.410を固定して使用。各年度の電力係数である0.425(2005年度)、0.476(2011年度)、0.487(2012年度)、0.57(2013年度、2014年度)、0.55(2015年度)を使用した場合のCO2排出量は、463万トン(2005年度)、381万トン(2011年度)、335万トン(2012年度)、318万トン(2013年度)、280万トン(2014年度)、261万トン(2015年度)。PPS(特定規模電気事業者)からの購入電力についても上記係数を使用。日本以外の購入電力の係数は、GHGプロトコルの各国の係数を使用

CO2イタコナ活動の推進

CO2削減を確実に実行するためには、工場の各施設のエネルギー使用状況や対策による削減効果を見える化することが重要です。これまでグローバル全製造拠点において4万点以上の計測装置やファクトリーエネルギーマネジメントシステム(FEMS)を導入し、CO2メタゲジ※6活動に取り組んできました。
2010年度からはこの仕組みを活かして、CO2イタコナ活動を展開しています。この活動は、単位生産量当たりのエネルギー使用量(エネルギー原単位)を連続的に見える化し、原単位の変動要因、最小の原単位で生産するための方策を分析・検討することで、省エネの新たな切り口、施策を発見することができます。

CO2イタコナ活動の概念図

CO2イタコナ活動を加速するため、エネルギーと生産情報を同時に見える化し、単位生産量当たりのエネルギー使用量を分析するソフトであるSE-Naviをこれまで開発してきました。本ソフトの省エネナビ機能により、CO2イタコナ分析によるエネルギーロスの自動分析結果に基づいて、装置別エネルギーロスと要因別エネルギーロスを定量的に抽出することができます。エネルギーロスが大きい箇所から優先順位を付けた省エネ取り組みが容易になりました。
従来は、エネルギー使用量などのデータを手動で分析し専門家による検討を経て、省エネ施策を抽出していましたが、データを自動で分析し、省エネ施策データベースに基づいて、省エネ対策を検討することが可能となり、時間短縮だけでなく、専門家なしで省エネ提案が可能になりました。

※6 当社の造語で、メータやゲージなどの計測器を導入してエネルギー使用量を見える化し、測定可能な削減対策を実行すること

再生可能エネルギー活用の取り組み

当社は太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで、CO2排出量を削減すると共に産業界における太陽光エネルギーの使用促進をグローバルで積極的に進めています。2016年の環境行動計画グリーンプラン2018改訂時に2018年度に再生可能エネルギー自社導入量1万MWhという目標を掲げ、達成に向けた取り組みをグローバルで推進しています。 具体的な事例として、2015年10月にパナソニックアプライアンス冷機デバイスシンガポール社(PAPRDSG)の工場に、発電容量2.4MWの太陽光発電システムを導入しました。従来から設置されていた太陽光発電システムと合わせて同工場で発電可能な総容量は2.8MWとなり、ピーク時の電力総需要の10%をまかなうことが可能となります。なお、この太陽光発電システム導入は、シンガポール最大のクリーンエネルギー供給会社サンシープ社とのリース契約によるものです。 このような取り組みの結果、2015年度の再生可能エネルギーによる発電量は、当社全体※7で711万kWh※8になりました。

※7 非製造拠点に導入された再生可能エネルギーによる発電量を含む
※8 太陽光、バイオマスなどが対象。ヒートポンプ含まず

PAPRDSGの太陽光発電システム

PAPRDSGの太陽光発電システム

中国CO2排出量取引制度への対応

現在中国では、2省5市(北京市、天津市、上海市、重慶市、広東省、湖北省、深セン市)で排出量取引制度の試行事業が実施されています。当社はパナソニック デバイスタイコー深セン(有)、パナソニック デバイス上海(有)が同制度の対象になっています。2017年度に排出量取引制度は中国全土に拡大される予定であり、当社は、この対応を通じて、従来より進めてきた生産活動におけるCO2削減を一層加速させています。

エネルギー起源CO2以外の温室効果ガス削減

当社が排出するエネルギー起源CO2以外の温室効果ガスは、エアコン工場で製品の冷媒として使用しているHFC、液晶工場でクリーニングガスとして使用しているNF3などです。これらの削減に向けて、それぞれ冷媒の漏洩防止や廃冷媒の回収と外部での破壊処理、除外装置の設置などの対策を実施しています。
2015年度のエネルギー起源CO2以外の温室効果ガス排出量は、10万トン(CO2換算)となり、前年度と同レベルでした。 なお、2013年度より、京都議定書の第二約束期間で対象ガスが追加されたことにあわせて、NF3(三ふっ化窒素)などの温室効果ガスを算定対象に加えて、地球温暖化係数(GWP)を見直しています。これにともなって、2013年度は前年度比で4万トン増加しています。一方、2014年度より、半導体の北陸拡散工場のウエハ製造工程を合弁会社に移管したことにともなって、4万トン減少しました。

生産活動におけるエネルギー起源のCO2以外の 温室効果ガス排出量(CO2換算)

温室効果ガス排出量の内訳(ガス別、スコープ別)

エネルギー起源、非エネルギー起源を含めた当社の温室効果ガス排出量は、2015年度は242万トンになりました。内訳としては、スコープ1排出量※9が18%、スコープ2排出量※9は82%となっています(参照:スコープ3排出量)

※9 国際的なGHG排出量の算定基準であるGHGプロトコルで定義される温室効果ガス排出量。自社で所有・支配する施設からの直接排出量をスコープ1排出量(例:都市ガスや重油の使用に伴う排出量)、自社が所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量をスコープ2排出量(例:購入電力の発電時の排出量)と呼ぶ

生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳 (種類別)
生産活動における温室効果ガス排出量(CO2換算)の内訳 (スコープ別)

非製造拠点におけるCO2削減

当社は、事務所や研究所などの非製造におけるCO2削減取り組みを推進しています。日本の自社所有建物47拠点では、CO2排出量2007年度比で年平均2%以上削減を目標に、主要拠点で省エネ計画策定や、専門家による省エネ診断などにより対策を進めています。2015年度のCO2排出量は11.7万トンで、2007年度に比べて年平均4.2%※10の削減となり、目標を達成しました。さらに、独自の省エネ自己評価ツールであるグリーンオフィスアセスメントを用いて、40の具体的な省エネ項目に基づいて取り組み状況をチェックし、管理レベルの向上を図っています。その他、事務所や研究所の屋根などに太陽光パネルを設置するなど、再生可能エネルギー導入にも取り組んでいます。

※10 基準年度(2007年度)のCO2排出量には、2015年度の対象拠点に基づいて、過年度数字を補正した値(16.5万トン)を使用

非製造拠点からのCO2排出量(日本の自社所有建物)

注:集計対象は、各年度に存在していた従業員100人以上の日本の非製造拠点(自社建物)。購入電力のCO2排出係数には0.410kg-CO2/kWhを使用

省エネチューニングによる消費エネルギー削減

2003年に竣工した当社の東京汐留ビルは、「省エネチューニング」でエネルギー消費を削減しているオフィスビルです。エネルギーを最適にマネジメントするためには、省エネ設備機器の維持・管理だけでなく、新たな省エネ運用策の導入や、実施済みの省エネ対策の継続も行う必要があります。東京汐留ビルは、照明や空調、コンセント別の電力や室内温度に加え、空調機の熱量、圧力、冷温水流量、温度など、約5,000ポイントのデータを測定。分析結果に基づき機器をチューニングし、省エネを実現してきました。
例えば日中に外光が入る執務室は照明の照度を抑え、不在時は消灯制御。空調やパソコン、複合機の設定なども見直し、照明器具のLED化を推進しています。こうしたアイディアは、社内外の専門家から構成する省エネ専門委員会で立案。省エネ運用データ分析ツールを活用しながら、エネルギー消費を削減してきました。ビル4階のロビーには、エネルギー使用量をリアルタイムに表示するデジタルサイネージを設置し、省エネの成果を「見える化」しています。
こうした施策が結実し、「2018年に、ビル全体の消費エネルギーを竣工時の50%に削減」という目標を、2013年に5年前倒しで達成しました。これまでに蓄積したノウハウを進化させ、さらなる省エネの実現を目指します。

約5,000ポイントの計測・計量データを分析

約5,000ポイントの計測・計量データを分析

ビル4階のデジタルサイネージ

ビル4階のデジタルサイネージ