環境リスクの全社管理体制

当社は環境リスクを継続的に低減させていくためのマネジメント体制として、カンパニーごとの環境リスク管理体制を組織し、全社のリスクマネジメントの基本的な考え方に則り、(1)毎年度、環境リスクの洗い出しと全社リスクマネジメント推進、(2)環境リスク発現時の迅速な対応、を進めています。
環境リスクの洗い出しとマネジメント推進を図るために、カンパニー単位および海外地域単位で対象とする環境リスクを毎年度選定し、そこからさらに全社レベルの環境リスクを選定しています。その中でもとくに発生頻度が高いもしくは経営への影響が大きいリスクを重要リスクとして特定し、重点的にリスク低減対策を立案・実践しています。重要リスク単位でリスク低減取り組みを進めますが、その進捗は四半期ごとに確認・フォローしながらPDCAサイクルを回します。
環境リスク発現時には、当該カンパニーと関連職能部門、地域統括会社が協働し、緊急対策やリスクレベルに応じた再発防止対策を速やかに実施します。また、リスク発現時のマネジメントフローなどを標準化し、混乱による二次リスクが生じないようにしています。

Plan「対策立案」、Do「実施」、Check「進捗管理」、Action「環境リスクの洗い出し:発言実績・リスクアセスメント結果(カンパニー単位/地域単位)→重量リスク選定」

工場における環境汚染防止に向けた法律の順守

当社は、環境マネジメントシステムの中で順法を大前提に管理を行っています。定期的に排気ガス・排水・騒音・悪臭などを測定管理し、重大な違反につながる事例については全製造事業場と情報を共有し、再発の防止を進めています。さらに汚染防止に向けて、カンパニー・事業部、環境職能部門、地域統括会社ともに製造拠点がある各国の工場管理に関わる法規制の情報共有と順法を徹底するための基幹人材を育成しています。具体的には、日本、欧州、中国、東南アジアの地域単位もしくは国単位での情報交流活動や化学物質管理、廃棄物管理、排水・排気ガス管理などの工場管理担当者への専門研修の実施です。また、環境コンプライアンスの確実な実践を確認するため、グローバルでチェックリストを用いた法規制の実態調査を行い、各種施策の効果検証を実施しました。その結果、2016年度は、環境に関する法・条例の違反はありませんでした。今後とも順法管理の徹底と再発防止に努めます。

製品における環境法規制の順守

製品における順法管理は、品質マネジメントシステムによって行っています。お客様からの環境性能に関する要請や省エネラベリング制度、あるいは第三者認証ラベルの取得といった環境性能目標以外に、化学物質管理、省エネルギー、3Rやリサイクルの法規制に関する評価・確認を盛り込んだ製品環境アセスメントの仕組みを設け、1)商品企画決定段階での達成目標の概要策定、2)設計構想段階での具体的目標や設計段階での順法確認、3)設計完了段階での中間評価、4)量産決定段階での最終評価を実施し、当該製品の順法を確実にしています。また、6有害物質の含有を規制するRoHS規制に対しては、調達部品に対する定期的な受入検査も行っています。しかしながら2016年度は、日本以外の地域で化学物質管理に関する法規違反が1件発生しました。今後は規制物質の含有可能性をより厳しく判断し、順法管理の強化に努めます。

土壌・地下水汚染への対応

当社では1980年代後半に一部の事業場で塩素系有機溶剤による土壌・地下水汚染が発見され、それ以降、全社で対策に取り組んできました。1991年には「土壌・地下水汚染防止マニュアル」を作成して調査・対策を進め、1995年には塩素系有機溶剤の使用を全廃し、1999年には環境汚染予防管理の手引きを作成して環境汚染の再発防止に努めてきました。さらに日本では2003年の土壌汚染対策法の施行など法規制が進む中、当社は2002年度に調査・対策の再徹底に着手し、2003年度にはグローバル全拠点を「管理下に置く」取り組みをスタートしました。
具体的には、揮発性有機化合物(VOC)および重金属などの使用状況調査に加え、現地確認・ヒアリングによる履歴調査と土壌表層調査を実施し、基準を超える汚染が発見された事業場については、さらに詳細なボーリング調査で汚染範囲を特定し、対策を行います。
これらの取り組みを着実に推進してきた結果、2008年時点のグローバル全拠点で「管理下に置く」ことを達成しました。さらに、2010年度からは「管理下に置く」を目的別に整理・強化した新「管理下に置く」指針を制定し、「敷地外への汚染拡散防止」を最優先に、グローバル全拠点で汚染対策と防止を進め、レベルアップを図っています。また、2016年度には日本の土壌汚染対策法の改正に対応し、新「管理下に置く」指針の内容の見直しを実施しました。

土壌・地下水リスクマネジメント指針

「管理下に置く」条件

取り組み手順

敷地外への汚染拡散防止

1.履歴調査の実施
2.敷地境界への監視井戸の検討と設置
3.敷地境界の地下水分析調査の実施
4.もらい汚染の可能性の確認
5.管理部門への報告
6.敷地外への拡散防止工法の検討
7.敷地外への拡散防止対策工事の実施
8.評価井戸の設置
9.評価(モニタリング)の実施

汚染源対策の徹底

10.概況調査の実施
11-1.水平方向詳細調査
11-2.深度方向詳細調査
12.汚染範囲の推定
13.浄化範囲・浄化工法の検討
14.汚染浄化・拡散防止対策工事の実施
15.浄化後、汚染源モニタリングの実施(地下水)
16.管理部門へ浄化完了報告

2016年度土壌・地下水汚染対策状況

地域

汚染対策完了

対策中

グローバル

6

38

(うち日本)

(6)

(32)

PCB問題への対応

当社はPCB使用機器を日本で製造していましたが、1972年に中止し、以降、PCB廃棄物を厳重に管理してきました。2001年7月より、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法の施行にともない、法律に基づいた適正保管、無害化処理と届出を実施しています。当社はPCB廃棄物処理会社である中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)様に、PCB使用のトランス、コンデンサなど2,281台の早期登録を実施しています。2016年度は55台を委託処理しました。また、高濃度PCB廃棄物である安定器等・汚染物約36トンをJESCO様にて、低濃度PCB廃棄物約246トンを環境省の認定を受けた民間の焼却処理施設でそれぞれ委託処理しました。法律で定められた2027年3月の処理完了に向けて、着実にPCB廃棄物の処理を進めていきます。