再生資源を活用した商品

当社では商品から商品へをコンセプトに、使い終わった商品から取り出した資源を活用する取り組みの拡大を進めています。樹脂では、使用済み家電製品(冷蔵庫、エアコン、洗濯機)から取り出した樹脂の自社製品への再利用を進めています。また鉄でも、使用済み家電製品から取り出した鉄スクラップの自社製品への再利用を2013年より始めています。

資源循環

家電製品における再生樹脂の使用拡大

当社では、回収された廃家電から、鉄や銅、アルミなどの金属だけでなく樹脂も有効に活用すべく、当社の家電リサイクル工場であるパナソニックエコテクノロジーセンター(株)(PETEC)とアプライアンス社加東樹脂循環工場が連携して、樹脂循環の取り組みを推進しています。

樹脂循環取り組みの流れ

PETECでは、廃家電のシュレッダーダストから、用途や物性の異なる主要3種類の樹脂、ポリプロピレン(PP)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリスチレン(PS)を99%以上の高精度で分別します。これを可能にしているのが当社独自の近赤外線識別技術です。従来、シュレッダーダストは主に廃棄または燃料として使われることが一般的でしたが、この技術により単一樹脂ごとに選別・回収できるようになりました。

従来はPP、ABS、PSを1種類ずつ3回にわけて選別していましたが、2014年度、その3種類を同時に選別する新技術を開発しました。
新技術の一つ目が、形や大きさが異なる樹脂の種類を識別した後、コンベアから空中に飛ばす際に起こる空気抵抗の影響を減らし、軌道を安定化させる気流制御技術です。二つ目は、樹脂を打ち落とすため吐出するエアの時間や、ノズルの位置などを瞬時に最適化するエア吐出技術です。三つ目は、秒速3mで飛ぶ樹脂の種類を瞬時に判定し、700本以上のエアノズルで連続して確実に打ち落とす高速信号処理技術です。
これにより、樹脂分別の効率が大幅に上昇しました。このような新技術の開発・導入により、リサイクル処理の高効率化と資源循環の拡大に努めています。また樹脂選別時に、特定の有害物質を検出・除去することで、厳しい欧州の法律による基準値を大幅に下回る含有量に抑制することができます。さらにこの選別工程では、水や廃液処理も不要であるため、リサイクル処理後の排水による環境負荷低減にも貢献しています。 これらの取り組み「使用済み家電品廃棄混合樹脂からの樹脂循環リサイクル」は、一般社団法人産業環境管理協会が主催する、平成27年度 資源循環技術・システム表彰で経済産業大臣賞を受賞しました。

3種の樹脂を同時に選別できる近赤外線樹 脂選別機

3種の樹脂を同時に選別できる近赤外線樹脂選別機

資源循環技術・システム表彰で経済産業大臣賞を受賞

資源循環技術・システム表彰で経済産業大臣賞を受賞

近赤外線樹脂3種同時選別機の模式図

そしてPETECで選別・回収された単一の再生樹脂は、近隣に立地しているアプライアンス社加東樹脂循環工場へ持ち込まれ、再生樹脂の洗浄と物性回復が行われます。加東樹脂循環工場は、白物家電などを生産・販売するアプライアンス社における再生樹脂の活用促進のための製造・開発実証拠点であり、再生樹脂の洗浄度を高める技術の開発など、樹脂の利用拡大に貢献しています。また一般的に再生樹脂は新しい材料に比べ強度や寿命が劣化するため、様々な製品の部位・部材へ適用するためには、新しい材料と同程度に物性を回復させる必要があります。要求される物性は樹脂により異なりますが、当社は、酸化防止剤の添加や、再生樹脂と新しい原材料を調合するなどPP、ABS、PSそれぞれの樹脂に最適な、物性を見極めた使いこなし技術を確立しています。
PETEC、加東樹脂循環工場を経て品質保証された再生樹脂は、樹脂の種類によって当社の製品工場で、エアコンのフィルター枠やIHクッキングヒーターの内部部品、冷蔵庫の内部部品などに生まれ変わります。

再生鉄の循環スキーム構築

当社は東京製鐵(株)様と共同で、使用済み家電製品から発生する鉄スクラップをリサイクルし、再び当社グループの製品材料の鋼板として使用する再生鉄の資源循環取引スキームを、2013年7月から開始しました。使用済み鉄スクラップを支給し鋼板として買い戻すスキームは、国内電機業界初の取り組みとなります。

電炉鋼板の自己循環スキームイメージ

具体的には、PETECで回収された家電製品由来の鉄スクラップを、東京製鐵様の岡山工場に納入し、同工場で電炉鋼板※1に加工後、再び当社がそれを調達し製品に活用します。2010年から東京製鐵様と検討を始め、再生鉄の品質を製品に使用できるレベルまで上げたり、加工性を向上させたりするための技術開発を行い、電炉鋼板特性に合った使い方を抽出し、さらに用途ごとに要求される特性(形状や強度、溶接性など)をチューニングして、2011年より電炉鋼板の薄板を製品へ導入してきました。そのような実績を経て2013年、当社資本の家電リサイクル会社から納品された鉄スクラップを電炉鋼板に使用するスキームが実現しました。
当初、当社からの鉄スクラップの提供は月50トン程度でしたが、2014年度は1年間で2,100トン以上、2015年度は1年間で2,400トン以上を東京製鐵様に納品し、住宅用天井材や洗濯機など当社製品に利用しています。

自己循環スキームのフロー

電炉鋼板の使用拡大は、日本の貴重な資源の一つである鉄スクラップの活用拡大につながります。さらに鉄スクラップを原料として鋼板をつくる場合、最初から鋼板を製造する方法に比べてCO2排出量が大幅に少なくなります。またこのスキームでは、当社の家電リサイクル会社から出荷する鉄スクラップ価格および東京製鐵様から調達する電炉鋼材の購入価格は、両者で協議した支給スクラップの変動ルールに基づいて取り決めることから、調達価格の安定化も実現します。さらなる資源の有効活用、CO2排出量削減と調達価格の安定化を目指し、今後も本スキームの拡大を図っていきます。

※1 鉄スクラップを電気炉で溶解・精錬して作られる鋼板のこと

再生資源の使いこなし

全国のリサイクル工場から集められた廃家電破砕物由来の選別PPをガラス繊維などの補強材の配合技術により高機能PPに再生し、その再生PPをフレームに活用したカースピーカーを2011年より量産しています。
PPより選別品位の低かったPSも、異物除去技術の洗練により高品位化が可能となりました。その再生PSも配合技術で高機能化し、2014年より電子部品の実装工程などに使用される部材への活用を開始しています。

再生材の使用例