環境:サプライチェーン連携

eco ideas

購入先様・物流パートナー様との協働

多くの取引先様によって支えられている当社は、自社単独ではなくサプライチェーン全体で環境負荷を考慮する必要があります。CO2削減、資源循環、水循環、化学物質管理、生物多様性保全など、様々な分野で当社の事業活動と密接な関係を持つ購入先様・物流パートナー様との連携を通じて、環境負荷の低減を図っています。

グリーン調達の取り組み

当社は1999年にグリーン調達基準書を発行して以来、その改定を行いながら、環境に配慮した製品づくりを購入先様とともに推進しています。グリーン調達基準書ではグリーンプラン2018に盛り込んだ購入先様との協働目標を達成するために、グリーン調達方針として、当社の環境基本方針に賛同し商品・物品を提供いただく購入先様群を構築することを掲げ、「購入先様の事業活動領域での環境負荷低減」「当社とのコラボレーションによる成果の共有」に加えて、環境負荷低減の取り組みをサプライチェーン全体に広めるための「購入先様による上流取引先への働きかけ」を要請しています。
また当社は、グリーン調達基準書に基づき、購入先様における当社要請内容の実践状況を把握し、購入先様とともに環境負荷低減活動をより効率的に推進するためにグリーン調達サーベイを実施しています。2012年度は試行的に、当社グループの主要購入先様415社を対象に、環境マネジメントシステムの構築、化学物質管理の徹底、温室効果ガス排出量の削減、資源循環の推進、生物多様性保全などの項目において購入先様の取り組みレベルを確認させていただきました。2013年度からは、当社グループ全体でのサーベイは実施せず、当社の各事業場が主体となり、購入先様とのコミュニケーション手段の一つとして実施しています。
中国では、2016年9月に、当社の購入先様約400社を対象に、広州・大連・上海で、CSR調達方針と中国環境法規の説明会を実施しました。サプライチェーンでのCSRの徹底、ならびにCSR自主アセスメントシートの実施を要請するとともに、中国の最新環境法規を共有することで、サプライチェーンでのリスク把握と環境負荷削減に努めています。
欧州RoHS指令に代表される製品含有化学物質に対する規制の強化、拡大に対応して、サプライチェーン全体での管理レベルを向上させるために、当社は2005年より継続的に購入先様への環境品質保証体制監査を実施しています。2016年度は、約1,400社の購入先様への監査を実施し、製品含有化学物質管理レベルの向上を支援しました。

購入先様の事業活動領域での環境負荷推計

当社は、国際的なGHG排出量の算定基準であるGHGプロトコルに準拠した、当社独自の算定プロセスによるサプライチェーン温室効果ガス排出量(スコープ3※1)の把握に向けて、2011年度より原材料、電気電子部品、加工部品の購入先様185社のご協力のもと、4回にわたって試行調査を実施しました。
また、2011年度より当社が購入する部材の量に日本政府公開の産業連関表に基づく部材別の温室効果ガス排出原単位を乗じて、当社の上流領域全体の温室効果ガス排出量を試算しています。2015年度の購入データによる試算結果は、1,291万トンとなり、当社の生産活動における温室効果ガス排出量の約5倍と推計しています。

※1 スコープ1(自社で所有・支配する施設からの直接排出量)とスコープ2(自社で所有・支配する施設で消費するエネルギーの製造時からの排出量)を除く、自社サプライチェーンでの排出量(例:購入先様での排出量)

当社とのコラボレーションによる成果の共有

当社は、2009年度より購入先様とともにECO-VC※2活動に取り組んでいます。この活動は、当社と購入先様が協働して当社商品や購入先様の環境負荷削減と商品力強化・合理化成果獲得の両立を目指す活動です。2009年度は環境負荷削減の対象として省エネルギー(CO2削減)に限定していましたが、2010年度より省資源・リサイクル材使用といった循環型モノづくりにまで拡大しました。また、活動地域についても、当初は日本中心でしたが、2012年度より中国や他のアジア地域での活動を本格化させ、2014年度には、グローバルでの活動に拡大しています。
これらのECO-VC活動の事例はデータベースに蓄積し、社内で有効活用ができるようにしています。また、優秀事例については、「ECO-VC活動 表彰・交流会」で表彰するとともに、会場に事例を展示して購入先様と共有し、今後の活動の参考にしていただくようにしています。
2016年度の事例提案件数は、前年度を下回る622件でしたが、優れた事例提案が多数寄せられました。優秀事例として、ルネサス エレクトロニクス(株)様による「車載インフォテインメント用システムMCUによる消費電力削減」などを選出しました。これは、車載インフォテインメントのシステムコントロールマイコンRH850により、システム全体としてCO2を60%低減しつつ、大幅な性能向上とシステムコスト改善というVCを両立したものです。
今後、より多くの購入先様とともに、VE(Value Engineering)手法の活用を強化しながら、ECO-VC活動を展開。環境負荷削減と商品力強化・合理化成果獲得の両立を実践し、当社と購入先様のパートナーシップ強化を図っていきます。

※2 VC:Value Creation

応募による環境側面の成果

項目 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
提案件数 1,077件 1,445件 933件 622件
提案によるCO2削減量 48万3,387トン 51万2,675トン 48万4,532トン 25万3,265トン
提案による再生資源活用量 1万9,353トン 2万1,323トン 1万9,153トン 1万8,421トン
提案による投入資源削減量 2万1,211トン 2万4,311トン 2万1,243トン 2万0,224トン

環境NGOとの連携

当社は、中国に50を超える製造事業場を有しています。国の発展にともなって環境課題が深刻化しつつある中国において、当社は環境NGOとの連携や、継続したコミュニケーションを通じて、環境課題の改善に取り組んでいます。
2016年度は、中国環境NGOの公衆環境研究センター(IPE)を2度訪問し、当社の環境リスクに対する取り組みについての意見交換、ならびに双方の情報交換を行いました。IPRグローバル企業ランキングは、7位(昨年6位)と順位は下がったものの、評価は昨年比10ポイント向上しました。また、北京にてIPEなどにより開催された「第2回 GREEN SUPPLY CHAIN FORUM」(2016年10月27日)では、アップルなどのグローバル企業代表とともにメインセッション(Business BestPractices Case Sharing)において、中国サプライチェーンにおける環境・CSRリスクに対する当社取り組みを紹介しました。フォーラムには、中国環境保護部、中国国連環境行動計画(UNEP)協会をはじめ、中国国内企業、海外グローバル企業、環境NGOなど、200人以上が参加しました。
今後、中国ではよりいっそうの環境規制厳格化が予測されます。当社は、ブランド価値のさらなる向上を目指し、グリーンサプライチェーンの取り組みの強化に努めていきます。

グリーンサプライチェーンフォーラム