サスティナビリティFILES:
環境技術で東南アジア・大洋州の地域社会に貢献

パナソニックは環境経営をグローバルで加速するため、世界各地の状況に合った取り組みを行う「グローバルエコプロジェクト」を、2007年度にスタートしました。各地域では社会の皆様に、達成を目指す目標や施策のコミットメントを発信。それぞれのアプローチで、積極的な活動を展開しています。その中から、東南アジア・大洋州の取り組みをご紹介します。

地域全体の施策を宣言

シンガポールにある地域統括会社、パナソニック アジアパシフィック(PA)は、2009年6月の「エコアイディア宣言」実施以降、事業成長と環境貢献の両立を目指しています。翌2010年には、3年間の中期環境目標を設定。この間、「環境配慮型商品の売上比率:80%」「生産活動のCO2削減貢献量:63万8,000トン」「環境教育:27万8,000人に実施」など、目標を上回る成果を挙げました。
2014年6月20日には、BtoBソリューションや家電、住宅分野といった重点事業の拡大につながる環境経営の強化と、当社の環境配慮技術を軸とした商品・ソリューションによる地域社会への貢献をコミットする、「東南アジア・大洋州エコ宣言」を実施しました。
PAの北川潤一郎社長は、2015年度までの活動の骨子として、「環境技術でエコ・ライフスタイルを加速」を発信。目標と施策を次のように説明しました。

発表会の様子

商品・ソリューション: CO2削減貢献量 800万トン

150億kWhの電力(東南アジア全体の家庭で年間に消費する量の1.3%)削減に相当。エコナビ商品などの省エネ・創エネ商品の拡売をはじめ、マレーシア・イスカンダルの低炭素スマートシティ開発などを推進する。

モノづくり: CO2削減貢献量 70万トン

地域内の製造拠点で、着実な省エネ活動を実践。循環型モノづくりによる再生資源の活用や、EU RoHs指令に基づく化学物質不使用による環境負荷低減も強化する。

環境教育: 新たに20万人に実施

エコ・モデル工場の見学会、環境教育プログラムの開催など。

※ CO2削減貢献量:2005年度から商品の省エネ性能と生産効率の改善がないと仮定した場合の想定排出量から実際の排出量を差し引いた量に、太陽光発電などの創エネ商品による排出抑制量を加えたもの

発表会には、シンガポール国家環境庁(NEA)の幹部が出席。基調講演で、当社が東南アジア・大洋州地域で進めるCO2排出量削減の活動を評価いただきました。また、エコナビ搭載商品や太陽光発電システム、ソーラーランタン、ホテル客室のエネルギーソリューション「グリーンルーム」といった、環境配慮型商品・ソリューションも展示しました。出席した行政関係者やビジネスパートナーの皆様からは、パナソニックのさまざまな商品や技術、ソリューションが環境に配慮し、エネルギーマネジメントにも貢献している点などが好評でした。
PAをはじめとする地域内の事業場は、エコ宣言で掲げる「環境技術でエコ・ライフスタイルを加速」を実践するため、さまざまな活動を繰り広げています。今後はミャンマーやカンボジアなどの新興国でも環境取り組みを加速し、地域を挙げて「エコ宣言」の目標完遂を目指します。

PAの北川社長(左)と、NEAの幹部
環境配慮型商品・ソリューションの展示

マレーシア:スマートで持続可能な家づくり・街づくりをアピール

パナソニック マレーシア(PM)とパナホーム マレーシアは、クアラルンプールで2014年10月16日から19日まで開かれた、東南アジア最大級の環境展示会「マレーシア・国際グリーンテック・エコプロダクツ展示会(IGEM)2014」に出展。環境配慮型の商品・技術のほか、スマートで持続可能な家づくり・街づくりに向けたソリューションを紹介しました。
ブースには、太陽光発電システムやホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)、省エネ家電、EV(電気自動車)コンセントなどを完備するスマートハウスを設置。システムキッチンをはじめとする住宅設備や、空気コントロール技術「ピュアテック」、光触媒タイル外壁「キラテック」も展示しました。また、中間層の人々が多く住むリンクハウス(長屋式の住宅)の施工技術として、断熱性や換気性、防水性に優れたW-PC(壁式プレキャストコンクリート)構法を紹介しました。さらに、パナソニックが神奈川県藤沢市で開発中の「Fujisawa サスティナブル・スマートタウン」や、マレーシアのクアンタンで手がけるスマートシティのジオラマを展示。家だけでなく街全体の省エネを実現する仕組みが注目を集めました。今後も両社は、IGEMで発信した最先端技術を活用、エコと快適を両立するくらしをお客様に提案していきます。

写真:IGEMの当社ブース外観/マレーシア政府高官とPMの松永社長(右から2人目)/スマートハウス内部の展示

ベトナム:世界遺産と地球環境の保護に向けた教育プログラム

2011年6月、パナソニックはユネスコ世界遺産センターと、「ユネスコ世界遺産の保護と次世代への環境教育を通じた持続的成長の促進」を目的とする、戦略パートナーシップを締結。パナソニック ベトナム(PV)は、ユネスコ ハノイ事務所と、この取り組みを進めています。2014年10月18日からは、同国をはじめとする各地の世界遺産の美しい写真を展示し、その保全を訴える「Discover Wonder of World Heritage」を開催。タンロン遺跡を皮切りに、同国内の各遺産8カ所全てを巡回します。
展覧会初日の10月18日には、小・中学生200人以上をタンロン遺跡に招待して、環境学習イベントを実施。参加者は遺跡ツアーでその歴史を知った後、世界遺産や地球環境の保護について話し合うエコ・ラーニング・セッションを行いました。また、ソーラーバッテリーを搭載したハイブリッドカーや風力自動車、乾電池の工作教室に参加。「創エネ」「蓄エネ」技術を楽しく学びました。
イベントは参加者の人気を集めただけでなく、ユネスコやベトナム官公庁の関係者からも、世界遺産や地球環境の保護のため有意義であると、高く評価いただきました。今後もPVは、パナソニックとユネスコのパートナーシップを後押しする、さまざまな教育プログラムを企画していきます。

写真:タンロン遺跡/展示写真を見る参加者/ハイブリッドカー工作教室の様子