強制労働、児童労働の禁止、若年労働者への配慮

従業員の採用にあたっては、基本的人権を擁護する観点より、各国の法令に基づき、コンプライアンスを順守した採用活動を行っています。また、強制・意思に反しての就労や児童の就労をさせません。児童労働を防止するため、「自主精査チェックリスト」に入社時の年齢確認等をチェックする項目を盛り込んでいます。特に、中国・アジアでは児童労働のリスクが高いと考え、年齢確認を徹底しています。18歳未満の従業員には重労働をさせず、教育の機会を得られるよう配慮、支援しています。

若年への就業機会の提供

当社は産学協同のProfessional Internship Program(PIP)を年に2回実施しています。PIPの目的は以下の3つです。

  • 産学協同の人材育成
  • 就業体験を通じた気付きの場の提供
  • 就業適性の確認を通じた就職のミスマッチ解消

外国人労働者の雇用

地方からの出稼ぎ労働者や外国人労働者については、人権・労働リスクが高くなる傾向にあるため、人材派遣会社による手数料の徴収や、会社によるパスポート・身分証明書の保管がないか、雇用条件を含む雇用契約書を労働者の母国語で渡しているか、等をチェックする項目を策定し、意思に反しての就労が行われたり労働条件が不当に不利にならないよう、各国の法令に基づいて採用・派遣受け入れを行っています。

差別の禁止

当社では、各国の法令を踏まえ、人種・性別・年齢・国籍・信条・宗教・社会的身分・障がい・性的指向・性自認などに関わらず多様な人材が重要なパートナーとして尊重し合い、いきいきと活躍できる働きやすい職場づくりを進めています。
採用選考に当たっては、応募者の適性・能力・意欲に基づき採用選考することを採用規程に定めています。その徹底のため、例えば国内では、国が設置する公共職業安定所(ハローワーク)が策定する、公正な採用選考のための手引書「採用と人権」をもとに、面接者教育を実施しています。

社員規律としては、人権の尊重や不法行為の禁止、職場におけるセクシュアルハラスメントの禁止などを規定するとともに、違反が発生した場合の懲戒措置を社員就業規則に明記しています。

さらに、セクシュアルハラスメントなどの性差別やパワーハラスメント防止のため、以下のことに取り組み、公正で明るい職場づくりに努めています。

  • セクシュアルハラスメントに対する方針の策定と周知徹底
  • セクシュアルハラスメントに関するリーフレット・マニュアルの配布
  • 職場風土の活性化・セクシュアルハラスメント・パワーハラスメントに関するセミナー・研修会の開催
  • LGBT研修の開催

労働時間の管理

各国の労働基準法や労働協約に基づき、適切な労働時間および休憩時間、時間外労働、休日・休暇などに関する規則を社員就業規則で定めています。
また、これらの規則を順守するため、労働時間管理システムを運営するとともに、従業員の健康管理にも総合的に取り組んでいます。
また、勤務管理システムで、一定の超勤時間に達した時点で警告を出すなどの工夫、超勤が特定の従業員に偏らないための最適な人材配置、および、万一長時間労働となってしまった従業員への追加的健康診断の実施など、従業員の健康に配慮した取り組みを実施しています。

賃金の管理

各国の労働基準法や労働協約に基づき、適切な賃金、通勤等の諸手当、賞与、その他臨時に支払われる給与、退職金などを社員給与規程で定めています。
当社は「現在担う仕事・役割」に基づき報酬を決める「仕事・役割等級制度」を導入しており、報酬体系上、性別による格差はありません。
従業員への給与が正しく支給されているかについては、日本では、労働組合が年に一度、組合員の賃金実態調査を行い、労使間で決定した賃金交渉結果が、正しく組合員へ支給されているかどうかをチェックしています。
海外においては、国ごとに、最低賃金、法定給付、超過勤務等に関するすべての賃金関連法令を順守した規則を定め、これに基づいて運用し、決められた支払い期間と時期で、給与明細および電子データにより従業員への通知を行い、直接支給しています。
国・地域において金銭的懲罰が法令で認められている場合には、当社としては懲罰の一選択肢として認め、禁止はしていません。ただし、懲戒手続や懲罰金額が法令の範囲内かつ生活への影響を配慮した範囲内で設定され、社内規程に明文化されていること、従業員にも周知徹底されていることを前提としています。なお、日本の法律は金銭的懲罰を禁止していませんが、当社の国内の懲罰規程には金銭的懲罰は含まれていません。

結社の自由、団体交渉権の尊重

当社は、「結社の自由」「団体交渉権」を、企業として尊重すべき基本的人権の1つと考えています。
労働組合の結成を認めている国や地域においては、例えば日本では、当社とパナソニックグループ労働組合連合会とで締結している労働協約において、組合が団結権、団体交渉権、争議権を保有することを認める、と定めています。
また、法令や労働慣行により労働組合の結成が認められていない国や地域においても、「結社の自由」「団体交渉権」の目的である労使間対話を通じた課題解決を実質的に推進することを行動基準に定めるとともに、購入先様に対しても取引条件の一つとして取引基本契約書に明記し要請しています。

「パナソニック行動基準」(一部抜粋)

第3章 会社と従業員とのかかわり

(略)

(2)人権の尊重

5. 会社は、各国の法令や労働慣行を踏まえ、常に従業員との積極的かつ誠実な対話を通じて、健全な関係の構築と課題解決に努めます。

「取引基本契約書」(一部抜粋)

(人権尊重についての購入先様への要請)
常に自社の従業員との積極的かつ誠実な対話を通じて、健全な関係の構築と課題解決に努めるものとする。

日本

当社は正社員に登用された時点で自動的に労働組合員となるユニオンショップ制を採用し、パナソニックグループ労働組合連合会との間で労働協約、基本協定を締結しています。当社の管理職以外の正社員は、経営に関する業務に携わる一部の社員を除き、全て労働組合に加入しています。また、非正規社員に対しても労働組合に加入できる権利について尊重しています。当社では経営上の重要事項について、労働組合に事前に説明し意見を求める場として「経営委員会」、特に重要な意思決定事項について、労働組合に説明し、承認・提言を得るための場として「労使協議会」を設置しています。
「経営委員会」「労使協議会」とも、それぞれ全社レベル、カンパニーレベル、事業部レベルで定期的に開催しています。全社レベルの「経営委員会」は、社長、人事担当役員、労働組合中央執行委員長などが出席して毎月1回実施します。全社レベルの「労使協議会」は、常務以上の全取締役および労働組合の全中央執行委員などが出席して毎年2回開催しています。
構造改革など重要な協議事項が発生する場合、その最低通知期間は定めていませんが、会社からの申し入れ後、全社、カンパニー、事業部の各レベルで、必要であれば毎日でも協議を行い、労使双方が合意に至るまで議論を尽くすことを徹底しています。

欧州

欧州では1994年に採択されたEU指令を受け、健全な労使間の協議の場として労使にて自主協定を締結し、パナソニック欧州従業員会議(PEEC)を設置しています。
2015年度は29人の従業員代表と13人の会社側代表がポーランド(ワルシャワ)に集まり、、経営戦略や事業課題などに関する情報交換や活発な協議を行いました。

※ EU指令:欧州連合域内の2ヵ国以上にわたって1,000人以上を雇用するすべての企業に汎欧労使協議会の設置を義務づける指令

中国

中国における民間企業の組合組織率は会社によって異なりますが、当社では、ほとんどのグループ会社で組合(工会)が組織され、活発な取り組みを行なっています。
具体的には、定期的な労使対話、積極的な労使合同レクレーションの開催、重要な経営判断についての組合への事前説明などを行ない、事業発展の基盤となる良好な労使関係づくりに力を注いでいます。

尊重する基本的人権の構成

当社が尊重する基本的人権の主な構成を示すと下図のようになります。

尊重する基本的人権の構成
尊重する基本的人権の構成