サステナビリティの考え方

私どもの考えるサステナビリティ経営

パナソニックグループの使命は、創業者 松下幸之助が生涯追い求めた「物心一如の繁栄」、すなわち、「物と心が共に豊かな理想の社会」の実現です。1932年、松下幸之助は25年を1節とし、それを10節、250年かけて「理想の社会」の実現を目指すと宣言しました。以来当社は、この使命を果たすために、物をお届けすることで人々の幸せや豊かさを追求し、それぞれの時代の社会課題解決に取り組んでまいりました。

しかしながら、現在の社会は創業者が目指した「理想の社会」からはほど遠い状況だと認識しなければなりません。先進諸国を中心に、社会は物で満たされてきましたが、年々急速に進む環境破壊や天然資源の枯渇、世界的な人口増加や先進国の少子高齢化などの人口動態変化を考えれば、私たちの子どもや孫、さらに250年計画の最終年の2181年の私たちの子孫が物と心が共に豊かな生活を送り続けることに大きな不安が残ります。​

私どもが持続可能な社会の実現に貢献し続けるためには、企業として存続し続けなければなりません。そのために、サステナビリティに関する重要な機会とリスクを、「当社財務への影響」「社会への影響」の2つの視点で「重要課題(マテリアリティ)」として特定しました。
このマテリアリティをもとに、新たな事業機会の創出とリスクの低減を通じて、サステナビリティ経営の向上を図ってまいります。

そして、その中から重要度の高い二つのマテリアリティを当社グループの共通戦略としています。一つは「地球環境問題の解決」へのお役立ちのために、2022年度に長期環境ビジョン“Panasonic GREEN IMPACT”を掲げ、取り組みを進めています。もう一つは「一人ひとりの生涯の健康・安全・快適」へのお役立ちのために、多様なお客様お一人おひとりにあった価値を提案できる“くらしのソリューション・プロバイダー”となることを目指し、グループの総合力を発揮していきます。

私どもが目指す「理想の社会」は、私たちだけで実現できるものではなく、お客様、取引先様、株主様、従業員、地域社会などのステークホルダーとの関わりの中で実現されるものです。「社会の公器」であるパナソニックグループは、全てのステークホルダーの皆様とともに生成発展していくことこそが、唯一の道であると考えています。この考え方は、時代が経過し社会が進展してきた現在も変わりません。むしろ、グローバルでさまざまな社会課題が深刻化し、国際社会がSDGs(持続可能な開発目標)の達成などサステナブルな社会の実現を目指す中、この原点に立ち返った経営がより一層重要になると考えています。
パナソニックグループは、事業活動を通じて将来にわたって社会やお客様にとっての価値をご提供し続けることで、全てのステークホルダーの皆様の「幸せの、チカラに。」なることを通じ、グループの価値向上を図ってまいります。

グループCEO
楠見 雄規