サステナビリティ経営の推進体制

パナソニックグループは、自主責任経営を徹底し、より中長期的な視点での当社事業の競争力強化のため、2022年4月に事業会社制(持株会社制)へ移行いたしました。事業会社制への移行により分社化される各事業会社は、大幅に拡大された権限と責任のもと、外部環境の変化に応じた迅速な意思決定や事業特性に応じた柔軟な制度設計などを通じて、競争力の大幅な強化に取り組んでいきます。
持株会社は、それぞれの事業会社の競争力を高めるための非財務指標、すなわち競争力KPIを見届けています。また、グループの重要課題については各種委員会などを設け、機動的に具体的施策の議論・方向づけを行い、各事業会社の競争力強化を積極的に支援するほか、グループ全社視点での成長戦略を推進し、グループとしての企業価値向上に努めています。

サステナビリティ経営の推進体制 (2023年8月現在)

(注)グループ経営会議:グループCEOが議長となり、事業会社社長、機能責任者を含む20名程度の経営幹部から構成(原則として月1回の頻度で開催)
PHD 戦略会議:グループCEOが議長となり、人事、経理、法務などの機能責任者を含む10名程度の経営幹部から構成(原則として月2回以上の頻度で開催)
PHD=パナソニック ホールディングス
ERM=エンタープライズリスクマネジメント

マテリアリティ

マテリアリティ特定の目的

「当社財務への影響」「社会への影響」の2つの側面で、サステナビリティに関する重要な機会とリスクを重要課題(マテリアリティ)として特定しました。マテリアリティへの取り組みを推進し、新たな事業機会の創出とリスクの低減を図ることで、サステナビリティ経営の向上を図ります。
マテリアリティは、事業環境の変化やステークホルダーとの対話等を踏まえ、適宜見直していきます。

マテリアリティの特定プロセス

社会からの要請や予見される将来課題等のうち、当社グループにとって機会とリスクになり得る課題を抽出。次にこれらについて、当社グループおよびステークホルダーの視点で評価し、11の重要課題を抽出しました。
これらの分析プロセスと抽出した重要課題の妥当性を、社外専門家との対話を通して確認。
当社グループのサステナビリティ経営委員会、グループ経営会議、当社取締役会での検討を経て、マテリアリティを特定しました。

STEP1:サステナビリティ関連項目の抽出 / 現在・将来のサステナビリティ課題のうち、当社グループにとって機会とリスクになり得る課題を抽出(国際基準・法規制の動向、ステークホルダーの関心事、メガトレンド等の分析に基づく)・STEP2:項目の重要度評価 / 抽出した課題について、「当社財務への影響」「社会への影響」の2つの側面の重要度を、当社グループおよびステークホルダーの視点で評価・STEP3:重要課題の抽出 / STEP2の評価結果にもとづき、11の重要課題を抽出・STEP4:妥当性の検証 / 分析プロセスおよび特定した重要課題の妥当性について、サステナビリティの専門家に諮問・STEP5:審議・特定 / サステナビリティ経営委員会、グループ経営会議、当社取締役会での検討を経て、マテリアリティを特定

マテリアリティ評価結果

当社グループとステークホルダーの視点で重要度を評価し、11のマテリアリティを特定しました。

(縦)社会への影響の重要度、(横)当社財務への影響の重要度

注:マテリアリティには、リスクマネジメント活動で決定した「グループ重要リスク/ PHD重要戦略リスク」と類似の名称の項目がありますが、目的・特定プロセスが異なるため、対応する取り組みが一部異なっています。
リスクマネジメント活動については、P124をご確認ください。

重要課題に対する取り組み事例

ポジティブな影響の拡大  ネガティブな影響の緩和

課題

主な取り組み

関連事項の報告

最重要課題

地球温暖化進行と資源の枯渇

Panasonic GREEN IMPACT
環境車向け車載電池、ヒートポンプ式温水暖房機、水素燃料電池の拡大
環境エネルギー技術革新(水電解、ペロブスカイト太陽電池、DERMS)
自社CO2排出量の削減(CO2ゼロ工場拡大、省エネ機器の拡大)
サーキュラーエコノミー型事業・製品の拡大

【目標】

  • CO2削減インパクト 3億t(2050年)
  • 全工場 CO2排出実質ゼロ(2030年)
  • 廃棄物リサイクル99%以上(2024年)

サステナビリティデータブック2023

  • 環境 P9

サステナビリティサイト

お客様一人ひとりの生涯にわたる健康・安全・快適

お客様一人ひとりに合った価値をお届けする「くらしのソリューション・プロバイダー」として、お客様との多様なつながりとデジタル技術を掛け合わせて、お客様の生涯にわたる健康・安全・快適へのお役立ちを提供

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ビジネスインテグリティ

パナソニックグループ コンプライアンス行動基準、社内規程の理解促進と順守状況の確認、関連法の対応
内部通報制度の周知と適切な運用
当社知的財産の保護・活用と第三者の知的財産の尊重

サステナビリティデータブック2023

  • 企業倫理 P131
  • 知的財産 P115

自社のサプライチェーンマネジメント

サプライチェーンのムダ・滞留の撲滅
購入先複線化、製造拠点見直しを推進し、サプライチェーンを強靭化

サステナビリティデータブック2023

  • リスクマネジメント P124

社員のウェルビーイング

安全・安心・健康な職場環境づくり(安全・コンプライアンスの徹底、健康イニシアティブ推進)
自発的な挑戦意欲と自律したキャリア形成を支援
(副業や能力開発の機会創出、働き方の選択肢拡大、公募によるグループ内人材交流)
Diversity、Equity & Inclusionを推進
(トップコミットメント、インクルーシブな職場環境づくり、一人ひとりへのサポート)

【目標】

  • 重篤災害・重大災害の撲滅
  • 「従業員意識調査」の社員エンゲージメント/社員を活かす環境でグローバルトップ水準(2030年)

サステナビリティデータブック2023

  • 社員のウェルビーイング P76

コーポレート・ガバナンス

持ち株会社制への移行に伴い、事業会社へ大幅な権限委譲を実施、ホールディングス役員も派遣取締役として各事業会社の経営に参画
非財務KPIの役員報酬連動

人権の尊重

「パナソニックグループ人権・労働方針」に基づき取り組みを推進
自社およびサプライチェーンで、グローバルスタンダードに基づいた人権デュー・ディリジェンスを実施
ステークホルダーとのエンゲージメントの推進、情報の適切な開示

サステナビリティデータブック2023

  • 人権の尊重 P70
  • 責任ある調達活動 P96
  • AI倫理 P106

サイバーセキュリティ

製造・情報システム・製品の各分野のサイバーセキュリティの共通機能を一元化し、平時の対策と有事のインシデント対応を強化
サプライチェーンを含めたサイバーセキュリティ対策へ段階的に対象範囲を拡大

サステナビリティデータブック2023

  • サイバーセキュリティ・データ保護 P137

重要課題

地政学リスクへの備え

国際情勢や各国・各地域の政策・法規制の動向監視による、当社グループ事業への影響の把握および適時の対応
各国の経済安全保障政策等に起因する事業環境の変化について、事業への脅威と機会の側面で注視・対応

サステナビリティデータブック2023

  • リスクマネジメント P124

感染症・パンデミックへの備え

各国の政府方針、規制動向・感染状況分析などを踏まえ、国ごとのグループ方針を策定、各事業場で詳細ルールを設定、実施

自然災害への備え

平時の備蓄・訓練の充実と安否確認体制の構築
有事の際のグループ緊急対策本部体制の構築

法令順守、国際基準等の支持

当社グループは、適用される法令の順守に加え、以下のグローバルスタンダードの規格や規範、ガイドライン、各種イニシアティブを踏まえて、事業を展開しています。2022年1月には、国連グローバル・コンパクトの10原則に署名しました。

これらの考え方は、事業活動の指針となる「経営基本方針」「パナソニックグループ コンプライアンス行動基準」にも反映しています。

また、パナソニック ホールディングス株式会社は、サプライチェーンにおけるCSR調達の取り組みを強化するため、パナソニックグループとしてレスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)に加盟しました。

OECD 多国籍企業行動指針、ISO26000、国連 グローバル・コンパクト、RBA (レスポンシブル・ビジネス・アライアンス)の行動規範、経団連 企業行動憲章、グローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)スタンダード、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、RE100、Race To Zero、世界人権宣言、ILO 中核的労働基準、国連 ビジネスと人権指導原則

ステークホルダーとの対話

当社グループは、お客様、投資家様、購入先様、政府、業界団体、NPOやNGO、地域社会、従業員など世界中の幅広いステークホルダーと多様な対話を事業の様々な段階で実施しています。いただいたご意見は事業活動や商品づくりに取り入れています。

主なステークホルダー パナソニックグループ:「お客様」「投資家様」「政府」「NPO / NGO」「従業員」「地域社会」「業界団体」「購入先様」