マネジメントシステム

当社では、創業者が掲げた「お客様第一を基本に製品やサービスを通じて社会に貢献する」という経営理念のもと、グローバルな動向に先駆けて、「品質向上」と「製品安全の確保」に関わる各種の制度や仕組みを常に改善しながら、モノづくりを行っています。
品質については、品質に関わる「基本方針」を定め、品質担当役員を責任者として、カンパニー、事業場、海外会社のそれぞれに品質責任者を配置しています。そして、「パナソニック品質マネジメントシステム」の運用を通じて、お客様第一の視点に立った継続的な品質改善に取り組んでいます。
製品安全の確保については、FF式石油暖房機事故を深く反省し、製品安全を経営の最優先事項として取り組んでいます。さらに、製品安全レベルを向上させるために、全社横断の総合製品安全委員会を中心に、製品安全の確保に努めています。

方針

当社では、全社品質方針を「常にお客様および社会の要望に合致し、満足していただける製品およびサービスの提供を通じ、真にお客様に奉仕する」と定めています。

また製品安全に関しては、自主行動計画に係る基本方針を定めています。
※この基本方針は2007年6月27日開催の松下電器産業株式会社(当時)取締役会において決議した内容です。

さらにパナソニック行動基準でも、製品安全の確保に努めることを定めています。

これらの基本方針に基づき、各カンパニー/事業部が品質方針を策定し、傘下の組織に徹底しています。

規程

品質マネジメントシステム

当社では、グループ各社の自己完結型の品質保証プロセスを確立するために、2004年に「品質マネジメントシステム構築ガイドライン」を日本語、英語、中国語で発行し、グループ各社が「パナソニック品質マネジメントシステム(P-QMS)」を構築しました。
P-QMSは、ISO9001の要求事項に当社独自の品質保証の手法やノウハウを加えた、当社が求める品質レベルの実現をめざした品質マネジメントシステムです。
このP-QMSの推進をベースに、継続的な品質改善と、品質問題の未然防止および品質のバラツキ低減の実現をめざして取り組みを強化しています。
2014年12月には、車載部品の品質に対する基本的な考え方を整理した「車載品質マネジメントシステム構築ガイドライン(車載P-QMS)」を作成し、適用を開始しました。
またISO9001の2015年改訂にあわせ、その要求事項も網羅しながらより扱いやすく、経営に有効なツールとなるよう進化させています。

教育

製品安全を第一優先とするモノづくりを企業風土に定着させるため、従業員に対して、eラーニング「製品安全の基礎」などの教育、技術者が自ら製品安全について学びあう「製品安全フォーラム」の開催など、製品安全教育に取り組んでいます。
また当社では、現場・現物に徹した「安全文化」の醸成と長期使用時の材料、部品の経年劣化などを考慮したライフエンド製品安全技術についての学習を目的に、大阪府枚方市の人材開発カンパニー内に「製品安全学習室」を設置しています。製品安全学習室では、FF式石油暖房機事故の伝承と7大不安全事象の撲滅に向け、過去のリコール製品の現物、原因・対策を可視化して展示しています。
今年度の来場者数は、6,445名で、人材開発カンパニーに研修で訪れた新入社員から幹部社員まで利用しています。

製品安全学習室

責任者・体制

品質担当役員(CQO)は、代表取締役専務の 宮部 義幸です。(2016年8月現在)
その管轄下に、各カンパニーが自主責任・自己完結型で事業推進していく体制を築いています。

品質管理体制
品質管理体制

また2014年9月より、北米、中南米、欧州・CIS、東南アジア・大洋州、インド・南アジア・中東亜、中国・北東アジアの6地域に、それぞれ地域品質責任者を設置しました。
地域の品質状況を監視し、品質リスク情報などは、市場で発生した軽微な事故も含めて適宜それぞれの事業部門にフィードバックし、迅速なリスク対応を実施しています。また、各地域の技術法規の情報収集に努め、最新情報はWeb上で一元管理し、「技術法規フラッシュ」として日々更新、社内共有しています。

委員会・組織

品質戦略会議/品質責任者会議の活動

全社での品質改善の取組み状況を総括する場として、各カンパニーCQO、ならびに職能関係者が参加する「環境品質活動意見交換会」を定期的に開催しています。会議では各カンパニーの品質改善活動におけるベストプラクティスの共有や、中長期視点での当社品質のあるべき姿の議論などを通して、全社の品質基盤をより強固なものにすることを追求しています。
また、より具体的な協議の場として、各カンパニーの品質統括部門責任者が参加する「品質責任者会議」を定期的に開催し、グループ内での連携を強化しながら品質改善活動を推進しています。
2015年度からは「グローバル品質責任者会議」として年一回、世界各地域の品質責任者ならびに各カンパニーの品質統括部門責任者が一堂に会して課題とベストプラクティスを共有し、品質改善活動を促進する場を設けています。

総合製品安全委員会の活動

製品安全を第一優先とするモノづくりのために、2012年に全社の総合製品安全委員会を再編し、傘下に「安全技術部会」と「安全規格部会」を設けました。これら部会を通じて、2005年のFF式石油暖房機事故の反省から取り組んできた安全技術の開発と製品安全規格の整備の活動をしっかりと定着させ、より一層恒常的なものにしています。
また、自動車やロボットなどにおける安全性能へのニーズが高まる中で、安全性を担保するための安全規格の認証取得をグループ内で連携をしながら推進しています。

安全技術部会の活動

安全技術部会では、設計時の想定を超えてお客様が長期にご使用になる場合を考慮して、材料の耐久性を把握するための加速劣化試験など科学的な評価手法を開発してデータを蓄積し、データベース化しています。
また、AV機器だけでなく、エアコンや冷蔵庫のような白物家電もインターネットと接続されるようになり、さらに今後、モノのインターネット(Internet of Things:IoT)技術の進展が予想されるなど、セキュリティ対策の重要性が高まってきています。当社では、製品セキュリティに関し、脅威分析などのガイドラインの整備や関連部門への教育を強化するとともに、リスク情報の収集拠点を国内のみならず欧州や中国にも設置し、脆弱性の早期発見と迅速な対策が実施できる体制を構築しています。
2016年1月には、製品セキュリティセンターを設立し、製品セキュリティに関する全社行政機能、人材育成機能、技術開発、機器検証機能を集結させ、体制強化を図っています。

安全規格部会の活動

公的安全規格の順守はもちろんのこととして、より安全性を高めるため、製品開発において守るべき設計規則を1999年に「パナソニック安全規格(PCSS)」として制定しました。
安全規格部会では、安全技術部会の活動から得られた知見をPCSSに反映し、長期使用や難燃化対策、落下防止といった重要安全事項の規格を強化しています。また、事業領域の拡大で発生が見込まれるリスクを未然に防ぐため、製品安全規格の拡充にも取り組んでいます。例えば当社の成長事業の一つである蓄電池システムの安全性を確保するために、創蓄エネルギーマネジメントシステムなどを対象とした「パナソニックシステム安全規格(Panasonic System Safety Standards、略称PSSS)」も制定しています。また、今後が期待される人共存ロボットの安全性を確保するために、「パナソニック人共存ロボット安全規格(Panasonic Personal-care Robot Safety Standards,略称PRSS)」を国際安全規格(ISO13482)の策定に先立って制定しました。当社規格はISO13482に当社独自の視点を加えることで、さらに安全性を高めています。

国際安全規格の認証取得事例

《生活支援ロボットISO13482※1認証を取得》 2014年2月
ベッドと車椅子を合わせた機能を持つロボット介護機器「リショーネ」が、生活支援ロボットの安全性に関する国際安全規格ISO13482に基づく認証を世界で初めて取得しました。当社は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参画することで、国際安全規格の構築に貢献してきました。今後も、お客様が安心して使用できる生活支援ロボットを提案していきます。

《自動車機能安全規格ISO26262※2認証を取得》 2012年2月
当社は、自動車向け機能安全※3規格ISO26262のプロセス認証を、第三者機関であるドイツTÜV SUD(テュフ・ズード)より取得し、車載機器、デバイスのソフトウェア開発プロセスにおいて、本規格の最高安全水準であるASIL-Dまで対応可能と認められました。
今回のプロセス認証を機に、さらなる安全な製品づくりに取り組み、安心・安全で環境にやさしく、便利で快適な車社会の創造に貢献していきます。

※1: 国際標準化機構(ISO)から発行されたパーソナルケアロボット(生活支援ロボット)の安全性に関する唯一の国際規格。physical assistant robot、 mobile servant robot、 person carrier robotの3タイプのロボットを対象としたもの。
※2: 2011年11月15日に発行された自動車向け機能安全の国際規格。この規格では安全度水準(ASIL;Automotive Safety Integrity Level)が4段階(ASIL A~ ASIL D)に定められています。
※3: マイコンなどの電気・電子的な装置の働き(機能)により実現されている安全性のこと。例えば、故障の検出や、安全な停止制御、ユーザーへの警告などが機能になります。