平成28年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)を受賞

2016年4月20日、平成28年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰の表彰式が開催され、パナソニック株式会社から3名が科学技術賞(開発部門)を受賞しました。

同賞は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者について、その功績を讃えることにより、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、もって日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的とし、文部科学省が表彰しています。

今回の当社の受賞者と業績は以下のとおりです。

受賞式写真

受賞式写真

『シリコンへテロ接合型太陽電池の開発』

受賞者

岡本 真吾/エコソリューションズ社 エナジーシステム事業部 部長
田口 幹朗/同 総括主幹
角村 泰史/同 主幹

開発の背景

1970年代の2度のオイルショックを機に、代替エネルギーとして太陽光発電に向けた期待が高まりましたが、当時のシリコン系太陽電池はエネルギー変換効率が低く、一般家庭に普及できる性能ではありませんでした。

開発技術の概要

本開発では、シリコン系太陽電池の出力を低下させる要因が結晶基板表面のシリコン原子の未結合手であることに着目し、n型単結晶シリコンの両面にi型アモルファスシリコンおよびp型、n型アモルファスシリコンを積層したシリコンへテロ接合型構造により、シリコン系太陽電池のエネルギー変換効率を飛躍的に向上できることを世界に先駆けて見出しました。
本開発により、シリコン系太陽電池のエネルギー変換効率の継続的な向上を成し遂げ、研究レベルにおいて、2014年に世界最高変換効率 25.6%を実用サイズ(144cm2)で達成しました。また、量産においては、本開発技術を用いて製造したシリコンヘテロ接合型太陽電池と、それを活かす独自のモジュール化技術(高信頼性電極配線技術等)を開発し、太陽電池モジュール HIT® を商品化しました。以降、HIT® は継続的な進化を続け、発電性能を向上しております。

開発技術の成果

学術面では、a-Si/c-Siヘテロ接合太陽電池が一つの技術分野として定着し、日本発の優れた技術として世界で広く認知されています。また、本技術を用いた太陽電池モジュール HIT® は、高いエネルギー変換効率と信頼性を両立し、面積の限られた日本の屋根でも大きな発電量を長期間にわたり供給できることから、一般家庭への太陽光発電システムの普及に大きく貢献しました。高出力でコンパクトなシステム構築が可能な HIT® は、ゼロエネルギーハウス(ZEH)、ゼロエネルギービル(ZEB)などへの展開に加え、災害時の非常用途や、非電化地域における医療用・教育用など、独立電源用途への展開も期待できます。

シリコンへテロ接合型太陽電池

シリコンへテロ接合型太陽電池

太陽電池モジュール「HIT®」

太陽電池モジュール「HIT®

*「HIT」はパナソニックグループの登録商標です。

受賞者コメント

岡本 真吾

岡本 真吾

受賞対象である「シリコンヘテロ接合型太陽電池」は日本発で世界に誇れる素晴らしい技術だと考えておりますが、このたび文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)という形で認められたことを、大変うれしく光栄に思います。本技術を用いた太陽電池モジュール HIT® はその高い発電性能から多くのお客様にお使いいただいていますが、全エネルギー源の中で太陽光発電が占める割合はまだわずかです。本受賞を励みに、今後も HIT® の更なる進化を通して世界の再生可能エネルギーの普及に貢献していきたいと思います。

田口 幹朗

田口 幹朗

当社太陽電池モジュール HIT® を特徴づけるヘテロ接合技術に対して、大変名誉ある賞を賜り光栄に存じます。開発当初は、本技術が現在のような大きな事業にまで成長するなどとは想像もしていませんでしたが、研究所での一つの発見に多くの仲間の知恵と努力が加わって大きく発展させることができ、大変幸せに感じています。今後もさらなる高性能化・低コスト化に取り組み、再生可能エネルギーの普及に少しでもお役にたてるよう切磋琢磨していきたいと思います。

角村 泰史

角村 泰史

このたび、このような栄誉ある賞を頂き誠に光栄に存じます。太陽電池モジュール HIT® の 開発・事業推進に関わった全ての方々の努力の賜物と喜ばしく思っています。個人としては、電極配線技術や接合形成技術の開発に没頭できる環境に恵まれたことに感謝するとともに、開発に携わった一人として本賞を誇りに致します。これからもお客様の喜んで頂ける太陽電池モジュール・システム提供のため尽力する所存です。

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