人工知能を用いた人物検出技術

人の目の代わりになるリアルタイム人物検出

家事からの解放を実現する「ロボティクス家電」、自然な接客を目指す「業務アシストシステム」、安全な移動環境を実現する「自動運転システム」。パナソニックはさまざまな分野において人工知能でヒトをアシストする技術を目指し、研究を行っています。その一例が、パナソニックが培ってきた映像技術のノウハウを活用して、ヒトの目をアシストする「ディープラーニングを利用した人物検出技術」です。

ヒトの目の代わりになる

クルマの走行中に、危険な状態につながる歩行者や障害物を検出することは、自動運転を実現するために求められる重要な機能の一つです。パナソニックは、大量(数十万件以上)のデータに対してその特徴やパターンを自動学習して認識や分類を行う「ディープラーニング」を活用し、高精度な人物検出技術を新たに開発しました。これにより、歩行者を、たとえ身体の一部が隠れた状態であっても検出することが可能となります。また、開発した技術は、計算処理を削減する独自方式を採用しているため、リアルタイムな人物検出が期待できます。

従来型人物検出手法の課題

これまで、カメラ画像から人物を検出する手法としては、画面上で人物と思われる特徴を有する領域(人物検出候補領域)を従来型の画像認識技術で抽出した上で、これらの抽出領域に対してディープラーニングで順次検出処理を繰り返す方式が一般的でした。

従来型人物検出方式の流れ

しかし、この方式では以下の課題がありました。

  • 画面上に多くの人物が存在した場合、その分、人物検出候補領域の抽出数が多くなります。そのため、後段の人物検出処理ではその数だけの繰り返し認識処理が必要となり、計算に時間がかかっていました。
  • 最初の人物検出候補領域を抽出する画像認識の段階で漏れが発生した場合、後段の人物検出処理が生かされない可能性があります。
  • 人物以外に検出対象を拡張する場合、対象ごとに画像認識で抽出する特徴量を再設計する必要がありました。

1回の識別処理で「人物らしさ」を算出

これに対し、パナソニックで開発した技術は、画像に対して1回の識別処理のみで「人物らしさ」を算出できる独自方式となっています。ポイントは、ディープラーニングを用いて画像領域毎の「人物らしさ」を示す「尤度(ゆうど)マップ」(人をそれ以外の概観風景と区分する確率分布マップ)を計算する新たなアルゴリズムを開発したことです。
この方式を用いると、傘を差した状態やさまざまな姿勢を取っている人物でも、算出した「尤度マップ」を基に確実に検出できるようになります。

開発した人物検出方式の流れ

検出する対象物の拡張も可能

また、この方式を用いることによって、検出する対象を、人物以外に拡張することも容易になります。ディープラーニングを用いた画像領域では、1枚の画像を一括して「尤度マップ」として識別処理するため、計算量を著しく増大させることなく、クルマや道路、標識など「人物以外のもの」を識別処理する対象物として加えることが可能です。

最新動向

「ディープラーニングを利用した人物検出技術」を自動運転などに適用するための研究を推進していくとともに、ヒトをアシストするための人工知能研究に継続して取り組んでいきます。

Panasonic AI | パナソニックの人工知能研究開発サイト