太陽電池モジュールHIT®

世界最高レベルの変換効率で太陽光を電気に変える

環境にやさしい再生可能エネルギーの中でも普及が進みつつある太陽光発電。さらに普及を進めていくには、光を電気に変えるエネルギー変換効率の向上が非常に重要です。世界トップレベルの変換効率を持つ当社太陽電池モジュール「HIT」は、40年間にも渡る開発で培われた技術に支えられており、そのなかで核となるのがシリコンヘテロ接合型太陽電池セル化技術です。

*「HIT」はパナソニックグループの登録商標です。

パナソニック独自のシリコンヘテロ接合型太陽電池セルのしくみ

一般的なシリコン系太陽電池では、p型シリコン基板の表面に不純物を加えたn型拡散層を形成していますが、拡散層や電極とシリコン基板との界面には欠陥が多いために太陽光で発生した電荷が消失し、変換効率が低下してしまいます。当社が開発したヘテロ接合型太陽電池は、n型シリコン基板とアモルファスシリコン層を組合せ、その間に不純物を含まないi型アモルファスシリコン層を挿入することによって、電荷の消失を防ぎ、高い変換効率を実現します。高い変換効率の特長に加えて、モジュール温度上昇時の出力低下率が少ないため、夏場などの高温下でも高出力を維持でき、年間発電量を上げることが可能となります。

ヘテロ接合型太陽電池セルの歴史

1980年に当時の三洋電機(現・パナソニック)は世界で初めてアモルファスシリコン太陽電池の工業化に成功しましたが、変換効率は10%以下と低く、その用途は限定されていました。1980年代後半、さらなる高効率化に向けて、アモルファスシリコンと薄膜ポリシリコンを積層した太陽電池の開発を進めており、その品質評価のためにn型シリコン基板にp型アモルファスシリコンを堆積し、太陽電池性能を解析する方法の開発にも取り組んでいました。こうした取り組みのなかで、不純物の相互拡散を防止するために、不純物を含まないi型アモルファスシリコンを挿入したところ、接合特性が著しく改善されることを発見しました。これはアモルファスシリコンを発電層ではなく、導電性を有するパッシベーション(不活性化)材料に活用するという太陽電池業界の常識を覆す技術革新であり、太陽電池関連技術の国際会議である第5回PVSEC(1990年京都)で発表され、世界中の太陽電池の研究者から注目を集めることになりました。そして、1997年に世界初のヘテロ接合型太陽電池を用いた太陽電池モジュール「HIT」の販売を開始しました。

シリコン系太陽電池の世界最高効率25.6%の達成(研究開発レベル)

高出力太陽電池モジュールを実現するため、研究開発部門では実用サイズ(セル面積:100cm2以上)のセル変換効率向上に取り組み、これまでに何度も変換効率の世界最高記録を更新してきました。最近では、ヘテロ接合技術にバックコンタクト構造を適用することで、世界最高のセル変換効率25.6%(2014年4月発表)を達成し、大きな話題となりました。この記録は、当社が保持していた実用サイズでの世界最高記録のみならず、それまで15年間破られてなかった小面積での世界記録(4cm2で25.0%,1999年:(豪)ニューサウスウェールズ大学)をも塗り替える快挙となりました。

図:当社シリコンヘテロ接合型太陽電池セルの変換効率の向上
(実用サイズ(セル面積:100cm2以上)、研究開発レベル)

実用サイズの結晶シリコン系太陽電池セルで実証
HIT®が世界最高変換効率25.6%を研究レベルで達成

太陽電池モジュール「HIT」

1997年の発売開始以降も、太陽電池モジュール「HIT」の変換効率向上に向けて、あくなき追求を続けています。2014年度には、モジュール変換効率19.5%、最大公称出力250Wを誇る機種(VBHN250SJ31)を発売し、その高い発電性能を訴求しました。また、太陽電池モジュールは厳しい自然環境下で長期間に渡り発電性能を維持する必要があり、当社はその品質、信頼性を非常に重要視しています。2013年度からは、モジュール出力の保証期間を従来の2倍となる20年に延長し(標準タイプ)、発電性能だけでなく、高い発電品質をお客様に提供しております。
当社の太陽電池モジュール「HIT」は、電気・電子・通信技術の分野における世界最大の学会である米国電気電子学会(IEEE)の「IEEEコーポレートイノベーション賞」など、数々の受賞歴を誇ります。ソーラーカーレースにおいても、当社太陽電池モジュールを供給した東海大学チームが世界大会で二連覇するなど、高い発電性能を実証してきました。

住宅用太陽光発電システム「太陽光は発電品質へ。」

さらに、電力インフラに課題がある新興諸国への取り組みとして、当社太陽電池モジュールに、蓄電池とエネルギーマネジメントシステムを加えた「パワーサプライコンテナ」をインドネシアの西部ジャワ州の無電化環境にある小学校に導入を進めるなど、より豊かで快適な生活の実現に向けた貢献を目指しています。

独立電源パッケージ「パワーサプライコンテナ」で、離島の子どもたちの学びを支援

最新動向

当社は今後も、変換効率をさらに高めていくため、太陽電池モジュールの研究開発と量産技術開発を両輪として取り組みます。同時に、お客様価値に直結する高信頼性化や低価格化を進めていくとともに、環境にやさしく豊かで快適な生活を実現するエネルギーソリューションを追求・提案していきます。