Nagano 1998

オリンピック大会の舞台裏

オリンピック大会の舞台裏

指向性の高いスピーカーで周囲へ配慮
「RAMSA」

長野冬季大会は、「美しく豊かな自然と共存する、ハイテクノロジーを生かしたオリンピック」をテーマに掲げていた。音響システムを担当したパナソニックRAMSAにとって、このコンセプトをいかに実現させるかが課題だった。「環境にやさしい」音響とはどういうものか。まずは、近隣への音漏れを最小限に抑える必要があった。それでいて、会場のどこにいても最適な音量で聞こえなければならない。スピーカーは、長野冬季大会の1年前におこなわれたテストイベントで高い評価を得た指向性スピーカーが導入された。

会場に合わせた最適な設置方法

屋外へのスピーカーの設置方法にも細心の注意がはらわれた。深夜になるとマイナス20度まで下がり、1日の積雪量が2m近くになることもある豪雪地帯に設置するスピーカーには、特殊撥水加工された防雪ネットを使用し、また紫外線や温度変化に強い特殊樹脂製の外装によって、屋外での耐久性を格段に高めた。リズミカルな音楽やライブアナウンスが、競技の演出に欠かせないスノーボード会場では、起伏に富んだ広いコースをいかにバラつきのないクリアな音質で繋ぐかが問題となった。

長野大会の舞台裏

「デジタルでやってみよう。光ケーブルで伝送すれば、長距離の送信でも信号の劣化がない。これまでにないハイクオリティな音響演出が実現できるはずだ」とパナソニックの竹内松巳は提案した。光ケーブルによる、サウンドのデジタル伝送システムは冬季オリンピック史上初の試みだった。RAMSAならではの緻密な音響設計が、デジタルなら完璧に生かせる。目標は、“屋外で屋内会場並の音”の実現だ。

長野大会の舞台裏
長野大会の舞台裏

デジタル伝送により音ズレのない環境を実現

標高が高く離れた場所にあるスピーカーへの信号は、まずコースの中間点にある無人の音響室へ光ケーブルによって送られる。そこで増幅され、スピーカーごとに最適なディレイがかけられることによって、コース上では均質な音となって聞こえるのだ。選手がコースを駆け下りる時間はわずか1分ほど。しかし、その1kmの間で複雑に変化するコース周辺のどこでも、音ズレのない明瞭な音が聞ける環境をつくることは想像するほど容易ではない。『違和感のない心地いい音』それはオリンピック競技会場に集う選手や観客にとっては、あえて意識しないものであったに違いない。しかしその自然な音づくりの背景にはRAMSAのハイテクノロジーと、スポーツイベントの未来形を模索する技術者たちの情熱が息づいているのだ。

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