ワールドワイドオリンピック パートナーのロゴ ワールドワイドパラリンピック パートナーのロゴ 平昌 2018

オリンピック大会の舞台裏

オリンピック大会の舞台裏 4K時代のスピーディーな
高画質配信を支える
「放送機器」

写真:平昌2018冬季オリンピック国際放送センター(IBC)に設置された多数の放送機器やディスプレイ
顔写真:パナソニック コネクティッドソリューションズ社 大西 歩太 

大西 歩太 
パナソニック コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部 マーケティング部 放送システム推進課

顔写真:パナソニック コネクティッドソリューションズ社 山本 耕司

山本 耕司
パナソニック コネクティッドソリューションズ社
メディアエンターテインメント事業部 マーケティング部 放送システム推進課

顔写真:国際オリンピック委員会(IOC) John Paul Giancarlo

John Paul Giancarlo
国際オリンピック委員会(IOC)
テクノロジーリーダー

パナソニックの放送機器は、オリンピックの記録システムとしてバルセロナ1992オリンピックに採用されて以降、平昌2018冬季オリンピックで13大会目となる重責を担った。大会映像記録機器となったパナソニックの放送用カメラシステム「P2HD」シリーズをはじめ、より高画質・高品質で映像を記録できるAVC-ULTRA コーデック採用のハイエンドカメラレコーダー(AJ-PX5000Gシリーズ)を含む多数の放送機器が国際放送センター(IBC)などに納入され、高品質で合理的な放送運営をサポートした。

本格化する4K映像への取り組みにも効率的に対応

オリンピックの放送では、大会ごとにその時々の最先端のスポーツ映像への取り組みが行われる。増加する競技や種目、高画質へと進化し続ける映像表現、多様化する配信メディアといった背景を受け、臨場感ある斬新な映像が追求される一方、よりスピーディーな制作へのニーズも高まる。

「平昌2018大会では、ホスト局OBSが本格的に4Kによる映像制作や配信に取り組んでいます。」パナソニック コネクティッドソリューションズ社の大西歩太は、今大会での動向について語る。そういった取り組みに対応して、パナソニックでは非常にコンパクトで軽量な4K対応のシステムカメラをネットワーク経由でリモート操作するといった新しいシステムも提供した。 「開会式では、会場の屋根に設置した5台のシステムカメラをコントロールルームから制御して生中継の4K映像を配信しています。省人化しながら、斬新な映像制作を効率的に運用することができました。」

高画質の映像制作を効率的に運用する、ここにパナソニックのソリューションがある。OBSの放送システムの中ではAVC-ULTRAコーデックが一貫して使われている。パナソニックの放送用カメラシステムP2HDで撮影された映像はAVC-ULTRAで記録され、編集から送出までAVC-ULTRAベースで作業が行われるため画質が劣化しない。ファイルベースのやりとりは高速で、制作時間の短縮に効果を発揮するのだ。

蓄積したノウハウとサポート体制で厳しい環境下を克服

平昌2018大会での大きな課題は極寒の気候だとオリンピックの放送に長く携わっているパナソニック コネクティッドソリューションズ社の山本耕司は言う。「この過酷な環境の中で、放送関係者の方々がいかにベストな状況で映像の制作や放送をおこなう体制を整えられるか、それをサポートするのが13大会にわたりオリンピックの記録システムとして放送機器を使用していただいているパナソニックの責任です。」
過去、パナソニックが築いてきた寒冷地での使用実績、そこで蓄積されたノウハウを活かせるよう、寒さを想定した十分なテストや事前準備をしているからこそ関係者からの信頼が得られる。

サポートの拠点となるのは、国際放送センターIBC内にあるパナソニックのサポートルームだ。IBCの構築が本格化する2017年の11月30日から、パラリンピック終了後の2018年3月31日まで、大会中は2交代制でスタッフが常駐する。これだけ手篤い対応をするベンダーは他に無い。ホスト局のOBSをはじめ、オリンピックのために集まる世界の放送関係者に対して、オンタイムでのサービスやテクニカルサポートが実施できるようにしたいというパナソニックの思いがあるからだと山本は言う。 「問題があれば、サポートルームに持ち込んでいただいたらすぐに対応できるので、喜んでいただいています。ここで検証ができることも大きいですね。機材単体ではなくシステムを組んでみて原因を追及することができるので。」
そうやって得たノウハウはやがてパナソニックの強みとなり、次の製品へ、次の大会へとフィードバックされ、さらなる信頼へとつながるからだ。

東京2020大会は歴史に残る大会に

そうやって構築した放送システムは、ユーザーからの評価を得て、大会終了後も利用され続けるものがある。IOCの技術担当者 John Paul Giancarlo は語る。 「パナソニックの機器が納入された、江陵アイスアリーナ、江陵オーバル、江陵ホッケーセンターの3会場では大会後も引き続きパナソニックの放送機器が使用されています。パナソニックが競技運営のために、会場により良い環境を作り上げてくれたという品質の証です。」

平昌2018大会での多くの評価を受けて大西は「お客さまからいただいた信頼をいかに守って発展させていくかというところにも、パナソニックの責任がある。」と言う。
次回の東京2020大会。パナソニックの地元で開催されるオリンピックが、放送システムの歴史に刻まれるような大会となるよう、パナソニックの技術を結集してホスト局や各国の放送局の新たな映像制作や放送に貢献していくことが目標となる。 「東京2020大会では、やはり4K、8Kといった映像制作、そして放送というのが見えてくると思います。パナソニックとして、技術、商品、システムやサービスでどのように対応していけるのかがこれからの課題です。」
東京大会を契機に4K放送が現実的な段階に入る可能性は十分にある。そこにパナソニックが貢献できるよう、スタッフは期待を寄せて取り組んでいるのだ。