Rio 2016

オリンピック大会の舞台裏

オリンピック大会の舞台裏 南米初の“平和の祭典”を見守った
「AVセキュリティ機器」

写真:屋外に設置された屋外ハウジング一体型セキュリティカメラ
顔写真:パナソニック株式会社 パナソニック ラテンアメリカ 坪崎徹

坪崎徹
パナソニック株式会社
パナソニック ラテンアメリカ

顔写真:パナソニック株式会社 パナソニック ブラジル 内海力

内海力
パナソニック株式会社
パナソニック ブラジル

盛大なセレモニーが催された閉会式により、17日間に渡る熱戦に幕を下ろしたリオオリンピック。工事の遅れによる準備不足をはじめ、ブラジル国内の政治の混乱や経済の低迷など、なにかと不安要素が多い大会であった。中でも治安の悪化による安全面での懸念は大きく、事前合宿を見送るアスリートさえいた。だが、結果として大きな混乱が起きることはなく、“平和の祭典”は今回も多くの記録と記憶を残し、人々に感動を与えた。その一端を担ったのが、パナソニックが納入したAVセキュリティ機器だ。会場やその周辺施設はもちろん、市内や空港など幅広い場所で導入され、不安視されていた南米初のオリンピックを安全面からサポートした。

ブラジル経済の低迷による影響

ブラジルでの大規模なAVセキュリティ機器の納入は、今回が初めてではない。実績として記憶に新しいのが、2014年に開催されたサッカーの世界選手権大会だ。パナソニックは、主要会場のひとつであるアリーナ•パンタナルにおいてIPマトリックスシステムを使用し、IPカメラ約350台とレコーダー6台などをターンキーソリューションで提供した。オリンピックは、そのノウハウを活かす絶好の機会であった。

写真:屋外のリオオリンピック会場に設置された屋外ハウジング一体型セキュリティカメラ

しかし、その道のりは思わぬ形で混迷することとなる。今大会でAVセキュリティ機器の導入を担当したパナソニックの内海力は説明する。「昨今のブラジル経済の後退は深刻です。その余波はオリンピックにも及びました。経済の悪化により、リオ市もオリンピック予算の削減を迫られ、その影響から予定していたAVセキュリティ機器の導入台数は3,500台から1,320台に大幅に削減されたのです」

写真:リオオリンピック会場周辺の柱に設置された屋外ハウジング一体型セキュリティカメラ

限られた台数で効率的なパフォーマンスを

AVセキュリティ機器の導入台数が減ったからといって、安全面への対策を怠るわけにはいかない。むしろ、少ない台数でいかに効率良く運営をするかが重要となった。内海は言う。「我々は新設されるベニューを設計の段階から支援しました。カメラの台数を抑えながらも高いレベルでのセキュリティを確保するためです。度重なる方針変更や設計修正もありましたが、無事に納入に至りました」。大会期間中、設置した機器への問い合わせは0件だったという。それは、納入した製品が問題なく稼働したことを意味している。「今回の案件で新たに多くのノウハウを蓄積できました。ハイエンド市場は縮小傾向にありますが、この経験を活かして需要を拡大していきたいですね」と、内海は手応えを語った。

写真:施設の天井に設置された屋外ハウジング一体型セキュリティカメラ