第6回:シリーズ『AI画像認識』(3/3)

「画像認識」の頭脳はこうして作る~DIY指向のAIプラットフォームがもたらす効果~

AIプラットフォームがもたらす3つのビジネスメリット

AIプラットフォームには、大きく3つのビジネスメリットがあります。

メリットの1つは、「AIやITに関する専門知識が不要」であることです。ディープラーニングやプログラムの専門知識がなくても、画像認識のための頭脳(AI画像認識エンジン)の構築が可能です。簡単明瞭なわかりやすいGUIで、学習データの作成から学習済みモデルの評価までを実行することが可能です。

2つ目のメリットは、「ノウハウの利活用」です。AIプラットフォームには、“モノづくり”の現場で培ってきたパナソニックのノウハウが生かされています。そのノウハウに基づいて、AIを活用した業務システムの提案や改善提案が提供されます。

3つ目は、「セキュリティ」です。AI基盤の多くは、クラウド環境上のサービスとして提供されています。ただし、製造の現場では、外部には絶対に漏らすことができない機密情報が扱われることが多く、データを外部に持ち出すことがポリシーで禁じられているケースが少なくありません。そのような閉じたネットワークにおいても、AIプラットフォームの画像認識システムは導入可能です。

適用事例2つのイメージ画像

実際の適用事例を2つ紹介します。1つは、回転するデッサン人形を撮影して、頭頂、肩関節、肘、手首といった、時間的に変化する各部位の位置を数値化するケースです。これは「ねじ止め位置に、手を伸ばしたことをチェックする」といった定型作業の工程漏れチェックに応用できます。また、熟練者と新人の作業の差を数値で比較し、作業効率の格差を生む要因を定量的に解析することにも応用できます。

もう1つの事例は、ベルトコンベアを流れる箱と、その箱についているラベルを認識して処理するといったケースです。これは、段ボールや荷物を検知して種類ごとに数をカウントしたり、段ボール上のラベルを検知してラベル内容によって箱の行先を分岐させたりするのに用いられています。

もう1つ、現場へのAI適用で忘れてはいけないのは、「AI利用のシステムを導入したいのは誰であり、誰がその利益を得るのか」ということです。

現場や現場担当者の利益を目的とするならば、「システム導入でどんな利益がもたされるか」について、現場のコンセンサスを確立しておくことが大切です。また、経営メリットなど、現場以外の利益創出に目的が置かれている場合には、システムの導入後に現場に新たな負担がかからないようにする工夫が必要です。

AIは、追加学習によって賢くなっていきます。しかし、自然に賢くなるわけではなく、AIの頭脳を育てるためには、相応の仕組みと工夫が必要になります。パナソニック ソリューションテクノロジーは、これまでに蓄積したナレッジを元に、AI画像認識によるお客様の成功をこれからも支援していきます。

―― 監修 ――

中尾 雅俊

中尾 雅俊
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
AI・アナリティクス部 ソリューション推進課 主事

矢嶋 博

矢嶋 博
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
産業IoT営業部 ソリューション推進課 主事

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