第18回:シリーズ『AI画像認識 再入門』(2/2)

ヒトとは違う「AI」の使いどころ

AI画像認識を適用すべき領域

以上に示したとおり、AI画像認識には、ヒトによる画像認識には及ばない点がありますし、認識が可能な対象物、あるいは事象にも限りがあります。したがって、AI画像認識が「あらゆる認識業務で効果的に機能する」「専門知識を持ったエキスパートの代わりに働いてくれる」といった可能性は現時点では低いと言えます。

とはいえ、AI画像認識には、「ヒトが不得意なこと」や「苦手なこと」をやってのける能力もあります。

まず、ヒトには、仕事をし続けていると疲労し、認識の精度が悪くなる、あるいは認識ミスを起こすというリスクがありますが、AIにはその心配はありません。

また、ヒトは、同一人物であっても、認識結果としての評価にバラツキが出る場合があります。つまり、その日の午前中の検品において「NG」の評価を下した製品と同じ問題を抱えている製品に対して夕方は「OK」の評価を下してしまうことが起こりえるのです。さらに、検品の担当者が異なると、まったく異なる評価が下される可能性もあります。それに対して、AI画像認識は、評価にヒトのようなバラツキが出ることはなく、常に一定を保つことができます。

また前回述べたとおり、「小石」「ビー玉」が数多く写っている静止画において、ビー玉がいくつあるかを割り出し、カウントするスピードは、ヒトよりもAI画像認識を使ったシステムのほうが圧倒的に速くなります。また、X線画像におけるがん細胞の判定能力は、ディープラーニングを使ったAIが経験を積んだ医師に近づきつつあります。これはつまり、がん細胞のような複雑なパターンを持ったたくさんの画像を認識するのは、AI画像認識が得意とするところというわけです。

このように、ヒトが苦手で、AI画像認識が得意とする領域にAI画像認識を適用することで、ヒトの仕事の負荷を大きく低減できる可能性が広がります。また、ヒトの業務負荷を低減できるだけではなく、何らかの事象に対する分析・把握の能力を飛躍的に高められる可能性もあります。

こうした考えをまとめると、AI画像認識を適用すべき領域は、図2のように表現することができます。次回は、この考え方に沿ったかたちで、AI画像認識を業務に適用して、効果を上げている企業の例をいくつか紹介します。

図2:AI画像認識を適用すべき領域
図2:AI画像認識を適用すべき領域

―― 監修 ――

中尾 雅俊

 

中尾 雅俊
パナソニック ソリューションテクノロジー株式会社
産業IoT SI部 ソリューション推進一課 主事

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