第29回:シリーズ『RPA真・活用術』(2/2)

RPAの効果が「期待外れ」になる要因
では、RPAの導入・活用が期待外れに終わってしまう要因はどこにあるのでしょうか――。
それを考えるうえでまず注目すべきポイントは、RPAの特性です。実のところ、RPAは、業務プロセス全体を自動化する技術ではなく、業務プロセスを構成する処理の一部を自動化する技術にすぎません。
例えば、先の図1に示した「受注」の処理について考えてみましょう。このプロセスは基本的に以下の業務から構成されているはずです。
(1)注文書のデータを業務システムに「入力」する
(2)入力されたデータを目視で「確認」する
(3)入力データに対する承認を上長に「依頼」する
(4)上長が「承認」を行う
このうち、RPA(ロボット)による自動化・効率化が可能なのは、(1)の「入力」作業だけです。したがって、RPAによってその作業時間がたとえ半分に圧縮されたとしても、業務全体の処理時間が半分になることはありません。
加えて、(3)の「依頼」と、(4)の「承認」のプロセスの間には一定の「待ち」時間が発生するのが通常です。しかも、ロボットに「入力」処理を任せていると、当該の処理がいつ完了したかが見えづらくなります。そのため、ロボットによる「入力」処理と、人による「確認」作業の間にも、一定の「待ち」時間が発生するケースが多くなります。そうしたことが結果的に、「RPAを導入したにもかかわらず、期待どおりの効果が得られてない」という状況につながっているわけです。
ちなみに図3は、RPA導入前と導入後の業務プロセスの違いを示したものです。この図では、前出の図1に示したような受発注業務にRPAを適用することを想定しています。

RPAの効果を最大化する方策とは?
図3をご覧いただくと、RPA導入後の業務効率を高めるために、どの部分を削ればよいかが見えてくるはずです。
結論を言えば、削る対象(あるいは、削ることが可能な対象)は「待ち」の時間にほかなりません。この時間を極小化することができれば、業務プロセス全体が効率化され、プロセスに要する時間が大きく削減されます。
では、「待ち」の時間を削るにはどうするのが適切なのでしょうか――。
その答えは、ワークフローのエンジンの活用によって、業務全体の流れを可視化して見直し、最適化することです。
パナソニック ソリューションテクノロジーでは、この考え方に基づくソリューションとして、「RPAConnect」を開発しています(2019年10月より販売開始予定)。
RPAConnectは、業務の進捗管理やプロセス設計・作成、可視化、ワークフローなどの機能を備えたソリューションです。RPAとあわせて導入することで、「待ち」の削減など、業務全体の効率性を高め、RPAの導入効果を、お客様の“期待値”に近づける、あるいは期待以上のものにすることが可能です(図4)。

さらに、パナソニック ソリューションテクノロジーでは、RPAConnect以外にも、OCRなどのRPA周辺製品や導入支援サービスを用意しており、RPA導入効果の最大化に向けた包括的なソリューションを提供しています。
このRPA周辺製品には、累計出荷数1,000万ライセンス以上の高精度OCR(光学式文字読取)技術を活用したRPA特化型のOCRソフトウェアなどが含まれています。また、RPAの導入支援サービスでは、前述したUiPath、WinActor、BizRobo!といった有力なツールの中から、お客様のニーズや業務に最適なツールを選び、かつ、それぞれのツールを使ったロボット開発の支援も展開しています。
次回は、こうしたRPAソリューションのうち、RPAConnectにフォーカスを絞り、その概要と導入メリットについて少し詳しく紹介する予定です。
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