第35回:シリーズ『スマートな工場管理へのステップ』(2/2)

品質データと生産設備データの管理方法
ではまず、「原料-中間材─製品」の流れの中で、品質データを一連管理する方法について見てみます。その方法とは、最終の出荷製品から原料までを紐づけて、「製品」から「中間製品」へ、「中間製品」から「原料」へとデータで遡れるようにすることです(図3)。

上図で言えば、例えば「原料特性(1)」「原料特性(2)」がそれぞれ「中間製品(1)」「中間製品(2)」へと紐づけられ、それらが「製品ロット」へと紐づけられます。これにより、例えば、特定の製品ロットに不良が発生した際に、原料まで遡って調査を行うことが可能になるわけです。
このように品質データを管理するだけではなく、中間工程・製品生産の各工程における生産設備データ(温度、圧力などのデータ)を収集して、品質データと紐づけて管理します(図4)。これにより、特定製品に関して品質上の問題が発生したときに、適宜、設備の情報をたどることが可能になります。

品質データの回帰(傾向)分析
上述したような品質データ/設備データの管理によってトレーサビリティが確保され、不良品発生時に、製品を構成する原料にまで遡り、原因を解明することが可能になるほか、設備の状態と品質との因果関係についても解明を進めることができるようになります。
それに加えて、製品ロットごとの品質データの「回帰(傾向)分析」を行うことも可能になります。これはすなわち、製品ロットごとの品質データの傾向を分析・比較して、他のロットとの大きな傾向差異が認められるロットを見つけ出し、品質異常を検知するという方法です(図5)。

以上、今回は、『スマートに管理された工場』の実現に向けた、第3のステップについて見てきました。このステップを踏むことで、工場の各工程を俯瞰してとらえながら、製品品質の安定化と、製品不良発生時の原因追求が可能になります。これにより、『スマートに管理された工場』の実現に向けた準備が整うことになります。
なお、次回は、本シリーズで目指してきた『スマートに管理された工場』の実現に向けた最終ステップ、つまりは、第4のステップについてお話しする予定です。
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