現場担当者ならではのアイディアがいきるモバイル点検
同社が紙の点検シートとペンの後継として選んだのは、パナソニックの頑丈タブレット『TOUGHPAD FZ-X1』と、コムシス株式会社が開発を行う点検ソフト『MobileInspect』。そして、西門真20エリアに対し、IDが書き込まれた95個のNFCチップが貼付された。作業員がNFCチップにタブレットをかざしてIDを読み取ると、必要な点検項目を検索して画面に表示する仕組みになっている。同社では、作業員への負荷を考慮し、とてもシンプルな操作方法を選んだ。作業員は表示された項目順に入力を行うが、チェックボックスを使った状態選択が中心で、テンキーを使った数字の入力はあるものの、文字入力を行うことはほとんどない。
◆『NFC点検システム』導入による業務手順の変化

とはいえ、“紙とペン”スタイルが長く続いた現場で動揺はなかったのだろうか?
「最初は、『紙に比べて、タブレットの画面が見にくい』、『操作がよく分からない』といった不安の声もありましたが、私も現場に付き添い、その場で作業員からの質問に答えながら操作に慣れてもらいました。結果的には、OJTから1週間で定着できました」(山本氏)
「そうですね。タブレットをNFCチップにかざすと点検項目が表示されるので、迷わずに操作できるようです」(和田氏)
作業員にとってもメリットは多い。
「以前は、雨が降ると、右手に傘とペン、左手に点検シートを挟んだバインダーを抱え、とてもやりにくそうに書き込んでいました。それに、雨で文字がにじんで読めないこともたびたび・・・また、高所にある設備点検は、はしごの上り下りがあるので、安全面で心配がありました。でも今は、タブレットをタップするだけで入力は完了します。それに、腰につけたホルスターやポケットにタブレットを収納しておけば両手が使えるので安全です」(山本氏)
「全ての点検項目が常にタブレットに入っているので、何十種類もある中から対象設備に該当する点検シートを選ぶ手間もなくなりました」(和田氏)
もちろん、作業品質の向上という効果もある。同社の設備では、多いものでは200の点検項目があるそうだが、必要項目だけを画面に表示し、スクロールしながら順番に確認することで、点検漏れ・抜けの低減につながっているという。

『TOUGHPAD FZ-X1』
ホールド力と耐久性、持ち運びしやすいサイズ感などを考慮し『TOUGHPAD FZ-X1』を採用。粉じんや水の浸入を防止する保護構造で、屋外でも雨風を気にせず作業可能。また、強い太陽光下や暗所でも視認性を確保。
ところで、NFCチップの貼付には、ちょっとした工夫が入っている。
「どの位置にタブレットをかざせばいいのか、ひと目で分かるように、ラインで表示しています。これは、作業員のアイディアです」と、山本氏は語った。

点検項目は多岐にわたる

緑のラインに合わせてタブレットをかざす
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