OCRソフト用開発キット「活字認識ライブラリー」の導入事例 株式会社永谷園様

たった1週間でプロトタイプが完成

アプリ開発におけるキーポイントは、利用者の要望・要件の再現性と開発工期の短縮である。今回は、マジックソフトの超高速開発ツール「Magic xpa」を使いオリジナルアプリを開発。マジックソフトウェアでは、現場業務のイメージを吸い上げてから、わずか1週間でプロトタイプを完成させた。その後、3回程度の改良を加え、開発開始から半年後には、カットオーバーとなった。なお、渡部氏によると、プロジェクトメンバーは、「茨城工場から3名、本社から2名の計5名で推進しました」ということだ。

パナソニックの「カラーOCRライブラリー」シリーズは、高い認識精度を発揮するのはもちろん、開発者の視点に立って作られたツールキット(SDK)である。無料体験版による事前検証やシンプルで充実した関数群、わかりやすいマニュアルなど、簡単に短期間でOCR機能をソフト・アプリに組み込むための機能とサービスが盛り込まれている。もちろん、iOS、Windows、Androidの各OSにも対応している。マジックソフトウェアでは永谷園の商品パッケージを使って検証した結果、その高い認識精度を評価し、「活字認識ライブラリー」を「賞味期限確認システム」の文字認識エンジンとして採用した。

「賞味期限確認システム」の基本構成図

製造現場で使われているフォント

「効率化よりも間違いの防止」。関口氏は、「賞味期限確認システム」の導入目的をそのように語る。業務プロセスの中で、人の手・目や紙が介在する比率が高いと、どうしても見逃しや間違いが発生してしまうが、永谷園では、現場の仕事にICTの力を上手に取り込むことで、品質管理体制の強化につなげている。しかしながら、現状のシステムがゴール、というわけではない。

「字体によっては、認識しにくいこともあるので、その場合は、担当者が目視チェックしています」(渡部氏)

「でも、本当はダブルチェックもやめたいですね。『誰かが見てくれるだろう』という考えを排除したいのです」(関口氏)

製造現場で多用されているゴム印やドット印字については、その形状上、他の印字方式・フォントと比べると、認識精度に差が出てしまうことは否めない。パナソニックでは、この事実を受け止め、OCRエンジンのバージョンアップ、認識精度向上に向けた対策を始めている。

関口氏は「ICTを使った業務ツールのアイディアを工場内で募集しています」と言うが、品質管理・検査工程のみならず、他の工程においても、業務の高品質化につながるICTの活用がまだまだたくさんあるはずだ。
今後もパナソニックでは、ICT・IoTを使った業務改革が急速に広がっている製造現場のニーズを的確にキャッチし、現場発のイメージ・アイディアを具現化するための技術提供を続けていく。

永谷園 茨城工場内部の様子

【納入企業プロフィール】株式会社永谷園様

株式会社永谷園様ロゴ

1953年に株式会社永谷園本舗(現、株式会社永谷園ホールディングス)を設立、2015年に持株会社体制に移行した際、飲食料品の製造販売会社となる。現在は、市販品・業務用商品合わせて約370品を永谷園ブランドとして展開。「お茶づけ海苔」をはじめとするお茶づけシリーズ、即席みそ汁「生みそタイプみそ汁 あさげ」、フライパンひとつで簡単に作ることができる「麻婆春雨」、「松茸の味お吸いもの」、ちらしずしの素「すし太郎」、「チャーハンの素」、「おとなのふりかけ」などのロングセラー商品も多い。また、最近では、「1杯でしじみ70個分のちから みそ汁」、「『冷え知らず』さんの生姜」シリーズなどが人気。定番の味を守りながらも、消費者の嗜好・志向を取り入れ、日本のみならず海外でも永谷園商品の販売を行っている。
本社:東京都港区西新橋、製造拠点:茨城・岡山の基幹工場他、グループ各社含め全国7ヵ所。

※ 本文中に記載されている内容は、2017年9月の取材時点のものです。