障がいのある方の自立を支援する胡蝶蘭事業のデザイン

目的

  • 知的障がいのある方が主役になれる事業のデザイン
    (雇用機会の増大と安定事業のデザイン)

<参考>
知的障がい者雇用の
難しさと対応

知的障がいのある方の雇用に困難があると言われる理由
(参考:秦政著「特例子会社設立マニュアル」UDジャパン2006年)

  1. 成長に一定の時間がかかる
  2. 知識、技術の習得に時間が必要(変化対応に課題)

上記特性を元に考えた、適していると考えられる業務

  1. 事業の変化が相対的に緩やか
  2. 安定的な業務量が保証されている
  3. 分解することで平易な業務に転換できる

事業デザイン

  • 季節変動の大きい農業で、通年で安定した業務を確保でき、競争力のある商品生産が可能な、大輪胡蝶蘭を選択し、通年の安定出荷体制を構築

業務デザイン

  • 障がいのある方が取り組める職域を拡大
①蛇口に目印を付け、1個所に何秒間水やりをおこなうなど細かく決めている。②花茎が垂直に伸びるように誘導すると、後の仕立て作業で高度な技術が不要になり、商品の見栄えが良くなる。③支柱は、全て規定通りの曲げ角度になるよう、治具を使って作製する。④鉢に挿した支柱の固定性を高めるため、治具を使って根元部分に凹凸を付ける。⑤規定の角度に曲げた支柱に花茎を固定し、開花させ、高度な仕立て技術を不要にし、見栄えのする仕立てを実現。⑥鉢の底面に台座として発泡スチロールを詰め、上面の高さを合わせるために治具で確認をおこなう。⑦仕立てをした鉢の上部に水コケを敷き、葉の表面を磨いて商品としての完成度を高める。⑧完成した胡蝶蘭を、梱包のために移動する。

結果と継続

  • 障がいのある社員が戦力となり職域拡大を実現
  • 高品質な大輪胡蝶蘭の通年出荷体制を構築したことで、安定的な事業を構築できた
ボリューム感があり、なおかつ強度ある仕立て 規定通りの支柱曲げ角度で安定品質を確保

更なる職域拡大への挑戦

  • 障がいのある社員が取り組める職域を更に拡大するため作業標準化を検討中
仕立て業務を確実に行えるよう治具製作をすすめている。 お花の保護シートを半紙掛けから、作業が容易なポリスリーブ掛けに変更をすすめている。