パナソニックは今、画期的な変革を推進しています。
2018年の創業100周年を機に、次の100年に向けた最重要戦略として「現場プロセスイノベーション」を掲げBtoBソリューション事業を推進。プロダクト中心のベンダーから顧客企業のより高度なビジネス課題を解決するソリューションパートナーへ、ビジネスの現場を起点に、革新的なソリューションを創出するインテグレーターへ加速的な変革を進めています。
そして実は「現場プロセスイノベーションをドライブするエンジン」の役割を担っている企業こそ、パナソニック システムソリューションズ ジャパン(以下PSSJ)なのです。
「パナソニックという伝統的な大手企業が大きく変わろうとしている流れに、最初は興味を持ちました。ダイナミックな流れの中心にPSSJがいて変革を牽引している。新しいソリューションビジネスをやるにはここしかないと確信して入社を決めました」
ITのグローバルメジャーから転職した木部智之がそう語る「PSSJの現在進行形」とはどのようなものなのか。木部と常務執行役員所長の池澤仁雄、現場プロセスイノベーションの最前線を走る二人に話を聞きました。


アプローチの仕方が、SIer やITコンサル企業とはまったく違う。
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アプローチの仕方が、SIer やITコンサル企業とはまったく違う。 |
「パナソニックの連結売上高は約8兆円ですが、家電以外の売上が7割と実は法人のお客様向けのウエイトが高く、BtoBにフォーカスしてきました。これまではハード中心の販売でしたが、これからはソリューションビジネスにレイヤーアップし、より高度なビジネス課題解決をご支援しなければ、お客様のお役に立てない、社会に貢献できないと考えるようになりました」とグループ変革の背景について池澤は語ります。
一方で木部は、ハードを持つ強み・魅力をこのように指摘します。
「他社と比べると、パナソニックの強みはハードを持っているところにあります。ハードとソフト自体はそれぞれコモディティ化しつつも、どちらも持っている会社は少ない。そこがいちばんの魅力で、ビッグデータやIoTなど言葉は先行しているけれど、データの入り口になるエッジデバイスを持っていないと、本当の意味でデータを取ることはできません。前職では金融系の見えない基幹システムの開発が多く、IoTやAIなど口にしてはいたものの、現場のデータを取得する術を持っていませんでした。ビッグデータの入り口を持っていること、さらにBtoBtoCの観点で、その接点が人びとの日々の暮らしのなかにあるのが当社の強みだと思います」
「PSSJでは、データ収集の観点からエッジデバイスをどう開発していくか、集めたデータをどう活用すれば自動化を促進するハードを開発して世の中の役に立てるか、といったレベルまで議論、検討しています。長年のノウハウがあり多様なデバイスがあって、そういうものづくりができるのが、非常に大きなメリットだと思っています。ひとつの例ですが、お客様の現場の課題に対して、他の企業は『現状はこういうオペレーションなので、より良い業務フローを実現できるのは、このハードとソフトです』と提案すると思います。私たちはまず現場を見て、例えば人や物の動きをカメラやセンサーで収集・分析します。その上で、分析したデータに基づいて、あるべき業務フローを設計していくのです。お客様への提案の段階から、完全に差別化できるシナリオを描けると自負しています。他のSIerやITコンサル企業とはアプローチも持っている技術もまったく異なるというわけです」と池澤は話します。



お客様との接点でソリューションビジネスをやるならPSSJしかない。
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お客様との接点でソリューションビジネスをやるならPSSJしかない。 |
製造・流通・物流など現場の最前線で、エッジデバイスから得られるデータを活用し、現場でなければ分からない業務プロセスの課題を見出し、経営課題を解決していく。それが、パナソニックならではの現場起点、お客様起点のソリューションであり、グループ内でのPSSJの役割もそこから導かれると池澤は話します。
「PSSJは法人・官公庁向けの営業とSEとフィールドエンジニアリング、3つの機能からなる企業であり、常にお客様の現場で様々な課題と向き合ってきました。BtoBソリューション事業の最重要テーマとして掲げる、現場プロセスイノベーションを推進するにあたり、パナソニックの要素技術、商品、ノウハウをソリューションとして、お客様のお役に立つように仕立てて提供していくのが私たちの役割です。お客様のいちばん近いところで、ソリューションビジネスを展開できるので、パナソニックグループからも高い期待が寄せられています」
「もっと言えば、PSSJはパナソニックのソリューション子会社という位置づけではなく、パナソニックが現場プロセスイノベーションを推し進めていく流れのなかで、先頭に立って変革をリードする重要な役割を担っていますね」という木部の問いかけを受け、池澤は話を続けます。
「そのとおりです。お客様にいちばん近いところで活動している私たちが、パナソニックの様々なリソースを活用し、お客様の経営課題を解決する技術を具現化していく。実際に毎日、ものづくりのメンバーやR&D部門などとディスカッションしながら、お客様との接点で現場プロセスをドライブするエンジンは自分たちだ、と意識し楽しんでプロジェクトに取り組んでいます」


一品一様のシステムづくりから、業界を超えて横に広がるモデルづくりへ。
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一品一様のシステムづくりから、業界を超えて横に広がるモデルづくりへ。 |
では、具体的にどのようなプロジェクトに取り組んでいるのか。池澤は、自動搬送機による物流システムを夢のある事例として取り上げました。
「今までの自動搬送は決められたルートの上を動くものでした。私たちが進めているのは、地図上に指示されたルートを自律的に自動走行するものです。特定のルートを何回も行ったり来たりさせていたら、搬送機の台数が必要になり稼働率、生産性も上がりません。そこで、荷物の場所や量をセンシング技術で把握し、複数のルートを自動判別しながら切り替え、無人搬送できる仕組みを実現しようとしています。その仕掛けは将来的には物流倉庫、工場内の搬送の自動運転に展開できますし、システムにとどまらず、次世代の無人搬送車に提供できれば、もっとお客様のお役に立てる、スケールアップできると考えています」
何よりPSSJには、パナソニックが長年にわたり培ってきた顧客基盤があると池澤は言います。
「製造・物流・流通から官公庁に至るまで、パナソニックは業界を代表するお客様とのビジネスを通じて、様々なシステム、ソリューションを提供してきました。その中で共通するニーズや課題を十分に把握しています。トップのお客様を知り尽くしているから、業界が求めているソリューションを広く展開できるのです」

「確かに、トップ企業を知り尽くすと、いっそう世界は広がりますよ」
木部はさらにその先に、業界の枠をも超えるモデルづくりがあると話します。
「一般的なSIerやITコンサル企業はお客様と1対1で、業界に特化した業務システムをつくるのが主でしょう。私は実際に働き始めて、PSSJの強みは業界軸だけではないと気づきました。カメラから得られる画像の動線分析など、エッジデバイスから収集されたデータを分析してソリューションにつなげるのは、どの業界にも適用できる取り組みなのです。私は金融畑にいましたが、今は金融や物流などを区分けする感覚を持ち合わせておらず、当社では持つ必要もないと考えています。従来型の一品一様のシステムづくりではなく、汎用化できるモデルをつくり、それを会社を超えて業界に広げていく。さらに業界を超えて広げていく。同時に、パナソニックのロボティクスやIoTといった要素技術を取り入れ、他社にはできないソリューションを創出する。それができるのがパナソニックグループの現場プロセスを牽引するPSSJの強みですし、一般のSIerやシステム開発会社、さらにはITコンサル企業では体験できない面白さだと思います」
「PSSJは、これまでのお客様オリエンテッドなシステムを開発することに留まらず、お客様接点で活動しながら、並行してマーケティングも行い、3年後5年後の社会、現場にお役立ちができるものを、自ら企画し、自らものづくりし提供していく会社なのです。今後はグローバル展開も視野に収めています」(池澤)

いろいろな人が、いろいろ新しく取り組めるから楽しい。
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いろいろな人が、いろいろ新しく取り組めるから楽しい。 |
2018年春、PSSJにキャリア入社した木部は、現場プロセスプロジェクトの部長に就任。スマートファクトリーのモデル化をはじめ、独創的なソリューション事業の立ち上げをリードしています。冒頭に記したように、パナソニックが大きく変わろうとしている流れに最初に興味を持ったと述べているが、入社後は実際にどう感じているのでしょうか。
「毎日、新しいことが起きています。新しい会社を創っている感じですね。パナソニックという名前から想像していた以上にフラットで、誰とでもフランクに話しています。自由度の高い外資系企業から転職して、あまり違和感を持ちませんでした。そういった意味で、そこがパナソニックが前と変わったところなのかなと思いました」
「そのとおりです。壊してまで新しいことをやろうとしている。本当に大きく変わりつつあります」と、以前をよく知る池澤も頷きます。
「例えば、ひとつのプロジェクトを検討する時に、経理や経営企画のメンバーを交え、お客様の財務状況や経営ビジョンの視点から意見を出す。SEはシステム、サービスの観点で意見を出す。こうして多角的に議論を戦わせていると、新しい発想や提案のスコープが生まれます。組織を超えて、プロジェクトをクロスバリューで進めていくカルチャーが当たり前になりました。新しいことを考え取り組めるチャンスなのです。『みんなでアイデアを出しながら、次のビジネスを創ろうとしているので、参画するのは絶対に楽しいですよ』と、キャリアで応募された方によく話しています」(池澤)
「大きく変わろうとしている“今のタイミング”こそ、キャリア入社の絶好の機会です。様々な可能性があり、様々な役割を担って成長できる。特に『こういうスキルを持つ人に来てほしい』というものはなく、自分の強みと経験を持っている人であればいい。いろいろな人が集まることで、より新しい、より楽しいチャレンジができると思っています」(木部)
「パナソニックを変えてみせる」くらいの姿勢に期待しています。
