あたり前の朝を守る仕事。

交通安全ボランティア

西田 耕三

西田耕三さん(交通安全ボランティア)の写真

ちょうど70歳を迎える頃だった。近所の小学校の通学路が気になった。歩道が狭く、交通量が多い道をたくさんの子どもたちが歩いていたからだ。テレビで見た交通事故のニュースが他人事には思えなくなった。
「あの子たちに、クルマが当たったらどうなるんやろ。そう考えたら“なんとかせなあかん”って思ったんです」
こうして彼は、子どもたちの登校時間に、交差点や信号のない横断歩道に立ちはじめた。安全に子どもたちを渡らせるために車道まで出てクルマやバイクを止めた。そんな彼の活動を怒るドライバーもいた。
「はじめは、全然止まってくれなくてね。それで僕は、一人ひとりに、あいさつをするようにしたんですよ。子どもたちや通行人の方はもちろん、クルマやバイク、自転車の人全員に。毎日やっていたらあいさつを返してくれるようになって。そうしたら止まってくれるようになったんです」
もっと安全なルートで登校できないか、学校や教育委員会にも相談した。子どもでも渡りやすいよう信号の時間を長くしたり、警察官にも通学路に立ってもらえるよう嘆願書を出した。
「おまわりさんいてくれたら、みんな安全運転しますから」
何度も断られたが、辛抱強く足を運び、心を込めて話し、ペンを取った。やがて少しずつ通学路は変わっていった。
「なんでこんなことをっていう人もおりますが、いいこともあるんですよ。この道を通っていた子どもの中に、カラダの不自由な子がいまして。もう卒業したんですけれど、何年かぶりに見かけたら、近づいてきて『おっちゃん!』ってペコって。覚えてくれてたんやね。あれは涙が出るほど嬉しかったな」
彼が、通学路に立つようになって、その場所で交通事故は起きていない。地元の警察はその活動に感謝状を贈った。彼は82歳になったいまも立ち続けている。
「正義感とかそんなかっこのいいことじゃないです。あたり前のことをしとるだけですよ」

西田耕三さん(交通安全ボランティア)通学路に立っている写真

西田 耕三

2005年より自主的に近所の小学校の登校を見守り、交通安全に貢献。その活動を讃え、2017年兵庫県西宮署より表彰された。

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