SDGsの取り組みを社員食堂から

~サステナブル・シーフード~

漁業や養殖によって私たちに提供されている水産資源の消費量は増え続けています。このままでは私たちの子孫は魚や貝を食べることができなくなるかもしれません。豊かな“海や川の賜物”を次世代に残していくため、パナソニックは2018年3月、社員食堂への「サステナブル・シーフード」の継続的導入を実現しました。これは日本国内に本社を置く企業としては初の取り組みとなりました。

「サステナブル・シーフード」とは、資源管理や環境・社会にも配慮した持続可能な方法で生産(漁獲・養殖)された水産物のことです。2020年1月現在、当社社員食堂への導入数は30拠点。2020年度中には国内約100拠点すべてへの導入完了を目指しています。

写真:パナソニックの社員食堂入り口。サステナブル・シーフードのポスターやノボリが設置されている。大勢の社員が並んでいる。
写真:サステナブル・シーフードを使ったメニュー。宮城県産カキフライ。白米とお味噌汁と一緒にお盆に載っている。
写真:社員食堂でサステナブル・シーフードのメニューを食べるパナソニックの社員たち。

国連が2015年に全会一致で採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」※1のゴールのひとつに「海の豊かさを守ろう」が掲げられています。海洋と海洋資源を持続可能な開発によって保全し、利用していく仕組みの確立は、いまや人類全体にとっての課題なのです。

※1 SDGsはSustainable Development Goalsの略。2030年までに達成を目指す17の目標のこと。

「持続可能な開発目標(SDGs)」17のゴール

Sustainable Development Goals
イラスト:Sustainable Development Goals(世界を変えるための17の目標)。1:貧困をなくそう。2:飢餓をゼロに。3:すべての人に健康と福祉を。4:質の高い教育をみんなに。5:ジェンダー平等を実現しよう。6:安全な水とトイレを世界中に。7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに。8:働きがいも経済成長も。9:産業と技術革新の基盤をつくろう。10:人や国の不平等をなくそう。11:住み続けられるまちづくりを。12:つくる責任つかう責任。13:気候変動に具体的な対策を。14:海の豊かさを守ろう。15:陸の豊かさも守ろう。16:平和と公正をすべての人に。17:パートナーシップで目標を達成しよう。これらは、2030年に向けて世界が合意した持続可能な開発目標。

海洋資源を守る取り組みのひとつとして、世界中で推進されているのが「サステナブル・シーフード」の選択です。すでにMSC、ASCといった認証制度※2が確立されており、これら認証ラベル付きの水産物を消費者が選択するようになれば、さらに認証取得を目指す水産業者が増えていき、結果、豊かな海の恵みを守ることにつながっていきます。

※2 MSC(Marine Stewardship Council)認証は、海洋管理協議会が「天然」の水産物に対して持続可能で適切に管理された漁業を認証するもの。ASC(Aquaculture Stewardship Council)認証は、水産養殖管理協議会が「養殖」の水産物を対象に環境と社会への負荷を最小限にする責任ある養殖業に対して認証するもの。いずれも第三者の認証機関が厳格な基準に基づいて審査しています。

イラスト:MSC(Marine Stewardship Council)認証マーク。MSC認証は、海洋管理協議会が「天然」の水産物に対して持続可能で適切に管理された漁業を認証するもの。マークには次のように記載されている。「海のエコラベル 持続可能な漁業で獲られた水産物 MSC認証 www.msc.org/jp」
イラスト:ASC(Aquaculture Stewardship Council)認証マーク。ASC認証は、水産養殖管理協議会が「養殖」の水産物を対象に環境と社会への負荷を最小限にする責任ある養殖業に対して認証するもの。マークには次のように記載されている。「責任ある養殖により生産された水産物 asc認証 ASC-AQUA.ORG」

当社の「サステナブル・シーフード」導入実現には高いハードルがありました。「社員食堂で提供するメニューが『サステナブル・シーフード』を使ったものだ」と明言するには、水産物の生産者に留まらず、輸入、卸売、加工、流通、給食会社に至る全ての企業において、その水産物の流通経路を遡れるようにしなければならないのです。一連のトレーサビリティの確保を保証するのが「CoC認証」※3で、各企業がこの認証取得に向けた多くの条件をクリアすることが求められました。

認証水産物提供フロー

イラスト:認証水産物が提供されるまでのフローを表す図版。 「認証水産物加工・流通の全過程でCoC認証が必要」であることを示す。まず、生産者はMSC認証もしくはASC認証を取得する必要がある。それに続く、輸入、卸売、加工、流通、給食会社のすべてに対してCoC認証取得が求められる。それらすべての認証を得たのちに社員食堂にサステナブル・シーフードが提供されることとなる。

※3 CoCは、Chain of Custodyの略で「加工・流通過程の管理」という意味。加工・流通の過程で非認証の水産物が混入してしまうことを防ぐため、製品がたどってきた経路を遡れるトレーサビリティを確保する仕組み。

また、当社はこの取り組みについての従業員への啓蒙にも力を入れてきました。導入拠点の増加に伴い徐々にその認知度は高まり、販売日には該当メニューが売り切れることも増えてきました。また食堂での会話に「サステナブル・シーフード」の略称となる「サスシー」という言葉がよく聞かれるようになりました。

職場で「サステナブル・シーフード」という言葉に触れ、実際にメニューを味わうことを通して、普段の生活においても認証ラベル付きの水産物を選ぶようにとなり、さらに口コミで家族や友人へと伝わっていく。この草の根的な変化が、やがては社会全体の「消費行動の変革」を促すことにつながります。

パナソニックの従業員数はグローバルで27万人超となります。今後は海外の社員食堂にも「サステナブル・シーフード」を導入すべく、準備を始めています。

写真:パナソニックの社員食堂の配膳コーナー。サステナブル・シーフードの啓蒙ポスターが貼られている。ポスターには「サステナブル・シーフードメニュー、本日ご提供!」と書かれている。
写真:パナソニックの社員食堂の全景。大勢の社員が食事をしている。

また、本取り組みをさらに大きなインパクトとするため、社外に向けた動きも加速しています。他の大企業の社員食堂への導入支援も積極的に行い、「サステナブル・シーフード」の認知拡大をよりダイナミックに図ろうとしています。それを実現するために、給食業界へのCoC認証取得の支援も行っています。

パナソニックは今後もこうした取り組みを継続し、海洋資源の保全と持続可能な社会の実現に貢献していきます。

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