オンラインセミナー「2030年テクノロジーと生きる私たちのWell-being」

パナソニックセンター東京を配信拠点として、全4回にわたって、テクノロジーを通じた人々のWell-being(※)を実現するためのオンラインセミナーを開催しました。登壇したのはパナソニック内で昨年始動し、社外とのオープンイノベーションを通してWell-beingの実現を目指す組織「Aug Lab」のメンバーです。ニューノーマルの到来と言われる中で、開発者それぞれがビジョンを持ち、社会課題を解決する姿勢をオンラインで発信しました。

セミナーの様子や登壇者たちのコメントについて、ダイジェスト形式でご紹介します。
※Well-beingとは、「身体だけではなく、精神面、社会面も含めた(新しい・本当の意味での)健康」である状態を指す言葉です。

全4回にわたるセミナーのキックオフとして開催された本セッションでは、エンターテインメント、メディア、法曹、エンジニアリングなど多様なバックグラウンドを持つ登壇者がそれぞれの立場で、10年後の社会変化について予測し、そこでの人々の幸せの在り方について議論を重ねました。

左上:慶応技術大学特任教授の水口さん、左下:「Aug Lab」リーダーの安藤さん、右上:大阪大学准教授の赤坂さん、右下:『WIRED』日本版編集長の松島さん

テクノロジーが人間を感覚拡張を加速する例をテレビゲームでの取組を通して紹介した、慶応大学特任教授の水口さんに対し、「Aug Lab」リーダーの安藤さんは、今後実生活の中にも感覚拡張が浸透してくのは間違いない事実としたうえで、くらしに寄り添ってきたパナソニックが、その領域でリーダーシップを発揮するのに貢献していきたいと述べました。

また、モデレータで『WIRED』日本版編集長の松島さんは、「私たちのWell-being」というタイトルにあるように、これまで介護のようにロボットは人の不自由に対してサポートをしてあげる対象であったが、これからは自らがまず何かしたいと発意して、それをロボットがアシストするといった関係性が理想であると語りました。

第二弾:人間らしさを引き出す空間づくりとWell-being

左から、「Aug Lab」リーダーの安藤さん、永山祐子建築設計主宰の永山さん、極地建築家の村上さん、Konelプロデューサー/ファウンダーの出村さん

Konel社と共同開発した「TOU ゆらぎかべ」のコンセプトを紹介した上で、極地建築家の村上さんと、ドバイ万博の日本館などを手掛けられた建築家の永山さんを交え、ステイホームを強いられる現代社会においてWell-beingを実現するための空間デザインについて議論を行いました。

TOUの、テクノロジーを活用して人工的に「風」という自然現象に似た体験をつくろうとするアプローチを聞いたゲストからは、建築という50年・100年に渡って人々に使われるものを作る時には、自らの子供の世代がテクノロジーとどのような関係を築いていくのかについて仮説を立て、その検証と社会実装を繰り返すことで、人々に使われるものづくりを進めていくことの大切さについてアドバイスをいただきました。

第三弾:New normal 時代のスポーツ観戦におけるWell-beingとは

(左から、「Aug Lab」/デザイン本部の木村さん、持田さん、元プロサッカー選手の播戸さん、予防医学研究者の石川さん)

スタジアムに行くことができない観客が、自分の声援を誰かに託すというコンセプトで開発されたCHEERPHONEを紹介した上で、ニューノーマルにおけるスポーツ観戦と応援の在り方について議論を行いました。元プロサッカー選手の播戸さんは、無観客試合が選手に与える影響、応援が与える選手のパフォーマンスへの効果の大きさについて、自身のアスリートとしての経験から語りました。

これに対して予防医学研究者の石川さんからは、スポーツを応援することで、世代や人種を超えて、つながりや一体感をつくることができ、皆で一緒のことをする時に得られる気持ちは、Well-beingを実現するにあたって非常に大切であり、CHEERPHONEがこの「一体感」や「共在感覚」を生み出すことへの期待感について述べました。

第四弾:ロボットのいる、新しい家族のかたち

左から、インフォバーン取締役の井登さん、ユカイ工学代表の青木さん、ナチュラルスマイルジャパン代表取締役の松本さん、「Aug Lab」の井野さん、井上さん

3体で1つのコミュニケーションロボットで、子供たちの傍に寄り添い、日常の様子を撮影・記録するbabypapaを通して、家族の中にロボットが入ってきた時のくらしの変化について議論しました。現在はロボット対人間のコミュニケーションが一般的である中で、開発者の一人である「Aug Lab」の井野さんは3体セットにした経緯として、「ロボット同士が勝手に会話していた方が、人間も気楽にロボットとのくらしを楽しめる」と語りました。

心を動かし、人を動機付けすることのできるインターフェースとしてのロボットを開発しているユカイ工学代表の青木さんは、この話を受けて、何でも完璧にこなすよりも、人が協力してあげたくなるような、どこか可愛げのあるロボットを人は求めているのではないか、と話しました。

また子どもを中心に保育者・保護者・地域がつながり合う「まちぐるみの保育」を目指して都内で「まちの保育園」と「まちのこども園」を運営する、ナチュラルスマイルジャパン代表取締役の松本さんからは、子供たちはノン・センスに、つまり、意味がある・ないの先入観なく、ものごとを受け入れることがとても得意であり、ロボットがいることで生まれるくらしへの変化を、大人より敏感に感じて私たちに教えてくれるかもしれない、と述べました。

「Aug Lab」はゲストのコメントを通して得たアイデアや、視聴者からのフィードバックを参考に、今後もWell-beingの実現に向けたプロトタイプの進化や、社会への実装を目指してまいります。