1991年(平成3年)

環境管理基本方針(松下環境憲章)を制定

地球的規模での環境破壊が大きな問題となる中、わが社は1991年、業界で初めて独自の環境管理基本方針(松下環境憲章)を制定。次いで1993年には環境宣言を制定した。これらは、国内はもちろんのこと、世界中の当社グループで適用され、その方針に沿って事業活動が進められることとなった。

環境問題への社会的要請がますます高まりを見せる中、1997年には環境本部を設立し、社長を議長とする環境会議を設置。経営活動と市民活動の両面から取り組みを推進していった。

[環境宣言] 私達人間には宇宙万物と共存し、調和ある繁栄を実現する崇高な使命が与えられている。我が社はこの人間に与えられた使命を自覚し、企業としての社会的責任を遂行するとともに、この地球がバランスのとれた健康体であり続けるために環境の維持向上に万全の配慮と不断の努力を行う。

1996年から正式に発効された環境マネジメントシステムの国際規格「ISO14001」については、地球環境との共存を経営として定着させるべく取得を推進。1998年度末までに全世界の221製造事業場で取得を完了した。一企業がこれほどの規模で取得するのは世界でも初めて。

環境に配慮した商品づくりにおいては、1991年に評価制度を制定し、取り組みを開始。1997年からは、セーブ(省エネ)、リサイクル、クリーン(環境負荷化学物質の削減)の3項目で、2000年目標を掲げて取り組んだ。と同時に、工場においても、省エネルギー、廃棄物の削減、化学物質の削減・管理に、徹底した取り組みを進めている。

2001年4月には、テレビ・冷蔵庫・エアコン・洗濯機の4製品を対象に、製造業者などが使用済製品の再商品化の義務を負う、「特定家庭用機器再商品化法(通称 家電リサイクル法)」が施行された。わが社では早くからリサイクルの実証研究を推進していたが、2000年4月には対象製品のリサイクルと、関連する研究開発・実証を行う新会社「(株)松下エコテクノロジーセンター」を兵庫県加東郡社町に設立(操業開始は2001年4月)。同年秋には、対象となる使用済み家電製品を回収・リサイクルするシステム(家電リサイクルシステム)を、東芝と共同で構築した。

さらに、事業活動だけでなく、従業員やその家族が、家庭や地域で積極的に環境活動を行う「地球を愛する市民活動」も、1998年2月から全社をあげて推進している。

[写真]

松下エコテクノロジーセンターのテレビ解体工程