128. 「松下電器歴史館」が開館 1968年(昭和43年)

昭和43年は、日本にとっても、松下電器にとっても、歴史的な記念すべき年となった。日本は、明治100年を迎え、いざなぎ景気のただ中にあって、ついにGNPで自由世界第2位の地位を築いた。また松下電器は、創業50周年という意義深い年を迎えたのである。

こうした背景を踏まえて、1月の経営方針発表会で、会長は、100年前の明治維新を想起しつつ、「松下電器は創業50周年にして、日本一の優良会社になった。その力をもって、われわれは昭和維新、世界維新の志士としての役割を果たそう」と述べ、新時代を迎えた松下電器の使命を明らかにした。

この年、各種の記念行事が行われたが、その1つとして、3月7日に、「松下電器歴史館」が完成し、開館した。思えば、50年前のこの日、会長はわずか3人で松下電気器具製作所を創立したのである。その当時の家の一部が内部に復元されている。外観は門真移転当時の本店の姿で再現された。

内部には、会長の生誕からこの日までの松下電器の歩みが詳しく紹介されている。この歴史館は、松下電器の歴史を知り、伝統精神を学び、明日に思いを馳せることのできる場所として、社内外の多くの人々に親しまれている。